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――― ここまでのあらすじ ―――

第29部から大変時間が空いたため、これまでのあらすじをまとめました。内容を忘れてしまった方はもちろん、今一度お目通ししていただけますと幸いです。

●プロローグ~調理実習編


 主人公の一ノ瀬(いちのせ)秀斗(しゅうと)とその親友の加藤(かとう)淳也(じゅんや)は料理男子高校生で、互いに手作り弁当の味を評価しあっている。彼らのクラスには容姿端麗、文武両道の藤之宮(ふじのみや)巴(ともえ)がおり、彼女はそのあまりの気品の高さから近寄りがたく「孤高の聖女様」と呼ばれている。そんな料理男子と聖女様には全く接点は無かったのだが、調理実習を切っ掛けに関係が生まれる。


 調理実習で三人は同じ班となり、藤之宮巴をリーダーとして実習を進める。リーダーとしての的確な指示と藤之宮巴個人としての驚異的な腕前により、実習の評価は最高のものとなる。それなりに腕に自信を持っていた一ノ瀬秀斗と加藤淳也であるが、あまりの力の差に衝撃を受け愕然となる。



●料理男子の災難編


 力の差を見せつけられ意気消沈する一ノ瀬秀斗と加藤淳也。料理をせず弁当も作らず学食で食べる毎日を送っていたが、それを藤之宮巴に見咎められ今後どうするのかを問われたときに、一ノ瀬秀斗は考えの至らない言葉を藤之宮巴にぶつけて傷つけてしまう。一ノ瀬秀斗は謝罪をすべく藤之宮巴に話しかけるが取り付く島もなかった。加藤淳也はこれに助け舟を出しなんとか藤之宮巴に謝罪することができ、以降、藤之宮巴に対して一歩引くことなく接するようになる。関係の修復を果たしたところ、今後料理をするのかどうか、再度藤之宮巴に問われ、一ノ瀬秀斗と加藤淳也は二人で料理の再修業を行うことを決める。



●再修業編


 再修業は加藤淳也宅で行うこととなる。加藤淳也の姉である加藤良美(よしみ)を巻き込んで修行のための道具をショッピングモールへ買い出しに行くが、そこでチャラ男にからまれる藤之宮巴を助ける。助けられた藤之宮巴は、一ノ瀬秀斗と加藤淳也が料理を一時やめていたことへ自分に責任の一端があると考えていたが、彼らはそれを否定し自分たちだけの問題であると主張し、調理実習に起因する問題の終了を言い放つ。藤之宮巴は何かを思いつつもこれに応諾する。



●聖女様のご乱心?編


 再修業を始め二週間が過ぎたころ、一ノ瀬秀斗と加藤淳也にとって接点の無い元の関係に戻ったと考えていた藤之宮巴が、わざわざ彼らの隣で彼らと同じ定食を取ろうとする。一ノ瀬秀斗はその真意がわからなかったが、加藤淳也は禅問答のようなやり取りを経て藤之宮巴の真意を見抜く。一ノ瀬秀斗は一人取り残された形になり、加藤淳也に聞くものの答えを得ることはできなかった。


 翌週の月曜日、藤之宮巴は再び彼らと同じ定食を選び、同席しようとする。そこに学生三名が現れ、藤之宮巴が一ノ瀬秀斗と加藤淳也と一緒に昼食を取ることに不満をぶつける。藤之宮巴は学生三名をけんもほろろに断罪したため彼らは逃亡するよりなかった。これによって静まり返った食堂で、一ノ瀬秀斗は藤之宮巴に対して彼女の影響力を認識させるため学生三名を許すように諭す。


 その後、藤之宮巴は公平さという視点から一ノ瀬秀斗と加藤淳也に対して他のクラスメイトと同様な接し方(敬語やさん付けの撤廃)を要求し、一ノ瀬秀斗は渋々ながらも了承する。



●二人から三人へ編


 一ノ瀬秀斗は食堂での禅問答について考察し、加藤淳也にその考えを伝える。加藤淳也は正解を導き出した一ノ瀬秀斗に対して、藤之宮巴が彼らの料理仲間になりたいのだと言い切る。藤之宮巴は相変わらず一ノ瀬秀斗と加藤淳也と学食を共にしていたが、ショッピングモールで加藤良美に助けられたことにお礼がしたいと、加藤良美のいる日に修行の場に加わることとなった。当日、三人は加藤良美の運転する車に乗り込み、ショッピングモールへ買い出しに向かった。



●三人のコック達編


 加藤家に着き、三人は料理を始める。藤之宮巴が三人分のコック帽を持参しそれぞれがかぶる。一ノ瀬秀斗が髪の毛をコック帽にしまいこみ、顔が見えるようにすると加藤良美からイケメンの評価を得る。自分は目付きが悪いと自覚していたつもりでいた一ノ瀬秀斗であったが、普通の顔をしている分には目力(めぢから)が強いだけで、特に目付きが悪いわけでないことがわかった。ただし、不機嫌な顔をすると睨んだような目付きになり、さらに睨むと途轍もなく怖ろしい目付きになることもわかった。一ノ瀬秀斗は自分の目付きについての考えを改めることとした。


 料理の合間に一ノ瀬秀斗と加藤淳也は夏休み中にスープの修行をしようと計画する。加藤良美は期末考査の結果が不振となれば計画を認めないことを言い伝える。頑張ればなんとかなりそうであったため彼らは了承するが、藤之宮巴は学年1位のためそれ以上の成績向上が望めず、縛りを無くすようにお願いする。一ノ瀬秀斗は加藤淳也と二人の話だと考えていたため、その言動に驚くが、加藤姉弟は当然のごとく了承し、結果、夏休みは三人で修行することとなる。


 藤之宮巴は存分に腕前を発揮して料理を完成させ、それは大変美味しいものであった。藤之宮巴は加藤良美に改めて礼を告げ、一ノ瀬秀斗へも同様に礼をした。自分の父が勉強を欠かさない料理人であることを告げ、その父から教わっていることも話す。食後の団欒の後、加藤良美は藤之宮巴を車で送り、濃密な一日が終わる。


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