七月一日、事件の始まり
季節外れですが、お付き合いください。
※七夕伝説の「七月一日と七月七日の一回をカラスが聞き間違えた」という一説を使っています。私は七夕伝説=「カラスが聞き間違えた」と言う展開で育ってきた(?)のですが、これが全国共通の認識ではないんですね……。
とんとんからり。とんとんからり。
いつものように機織りをしていると、機織り機に1羽のカササギがとまった。
「アラ、織姫ちゃん!お疲れさま。今日もお仕事?」
「はい。これしかやることがないので……」
私は苦笑いをした。もちろん、機織りの腕は止めない。
カササギさんは眉を下げ、気の毒そうに呟いた。
「まぁ……大変ね……。あの生意気なカラスのせいで、貴女の恋人と会えなくなって……。」
「……え?」
何故あのカラスさんの名前が出てくるのだろう。素直なあの人――いや、あの鳥が私たちに何かをするとは思えないけれど……。
「……その話、詳しく聞かせてください!」
私が食いつくと、カササギは嬉々として話し出した。
「アラ、知らなかったの?天帝様は『七日に一度だけなら会ってもいい』と言っていたのに、あの生意気なカラスが『七月七日の一日だけなら会ってもいい』と聞き間違えたって噂よ!……あのカラス、前から怪しいと思ってたのよね。天帝様の手伝いなんてしてしまって!」
カササギはそれだけ言って飛び去ってしまった。
とんとんからり。とんとんからり。
――よし、明日はカラスさんに話を聞きに行こう!




