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存在しえないインタビュー

伏線回なので、更新するか迷いましたがここまで書いたのでよければご一読ください

白髪の青年へのインタビューをするために、宇上真紀(うがみ まき)はこの貴重なインタビューのために長髪かつ茶髪の髪も美容院で黒髪にしセミロングへと整えていた。

全国に100人ほどしかいない自分の苗字は対人的な仕事であるアナウンサーにとっては名前を覚えてもらうためにはぴったりだった。名前を覚えてもらえることはもちろんのこと、覚えてもらえてからも重宝した。自分の苗字を見れば自分のことだとすぐにわかる。鈴木や佐藤などの多い苗字では自分のことか分からないこともあるかもしれないが自分にはそれがなかった。

歴代で最高の天才である天上才気がインタビューを受けることは極めて稀だ。必要な時に必要なだけが効率を極限まで切り詰めた天才の基本方針だった。

実際に、政治だけでなく科学力すらも日本は天上才気という一人の天才におんぶに抱っこだったため、それほどの効率は必要なものだった。

そんな効率を求めることを至上とする天才がインタビューを受けた理由を、彼女は名前の珍しさに興味を覚えたからだと思っていた。

上司にそのことを言ったら流石に違うだろうと苦笑をされた。だが、彼女は誇りに思っている自分の名前のおかげで天才と対面できると興奮した。


今回のインタビューは、効率最優先とする天才にしては珍しく天才が指定する最新の設備で行われることとなった。なぜ、珍しいかというと天上才気はヘリコプターの移動中のインタビューしか受けないと評判だったからだ。


案内された白色の上等な椅子で、インタビューで聞くことをもう一度見返しながら宇上真紀は忙しなくきょろきょろとあたりを見回す。

この部屋は、インタビュー部屋として極秘でAIにより案内された部屋で彼女自身も自分がどこにいるのかを正確に知ることはできなかった。

そのため、普段ならついてきてくれるテレビ局のスタッフも今回ばかりは天上才気からNGが出てしまっていた。

内装は一面の白い壁だった。つるつるの壁。割ったばかりのゆで卵のように白く綺麗になっていた。

これもまた、天才の内面である効率優先ということを如実に表しているものだった。


スー


壁と一体になっていた部分が突然開き外界と繋がる。

そこには、白髪に長身痩躯の美青年がいた。

「お待たせしました。宇上真紀さん」

白い背広に白色のワイシャツをしておりホストのような格好の美青年。柔らかく笑みを浮かべて執事のようでもあり、ホストのようでもある矛盾したような優雅な礼をしてきた。

これまでの、絶対的自信をもった天上才気とは少し違う印象を受けた。だが、宇上もアナウンサー。芸能界でもあるカメラの前のパフォーマンスでそう振舞っていただけで実際の性格はこのようなものなのかもしれない。

そう思いながら彼女は返事をした。


「いいえ。天上才気さん。このようなインタビューをさせていただき光栄です」


質問をしていき、彼女は興奮していた。元々インタビューをすることが好きな彼女は色々な話を聞くことを苦としなかった。それどころか楽しいとすら思っていた。今回はその上インタビューを受ける人は稀代の天才だ。一つ一つに学びがある。

「最後に質問です。天上才気さんはこれからの目標などはあるのでしょうか」

出来る限り無駄な様式美を省いた質問をしようと心掛けてきた。今のも名前の前に『天才といわれすべてを手にしてきたとも言われる』などの美辞麗句を並べることを普段の宇上ならばしていた。

しかし、今回はしてこなかった。それによってインタビューの手ごたえも感じられた。


「う~ん。そうだねぇ、全世界かな?」

その言葉を平然と天上才気はいった。

宇上真紀は、握っていた万年筆を思わず落としそうになった。背中にすっと冷や汗をかくのを自覚する。

この男は本気だ。そして、それを本気で出来ると思っている。


「それは本気ですか?」

本気だと確信があっても思わず確かめざるお得なかった。

天才は、一瞬だけ無言で見つめる。

「やっぱり、君には話しすぎたようだね」

眼をスーッと細める。

部屋の温度が氷点下に変わるほどの冷気を感じる。

そして、宇上真紀は深い眠りにつく。

ひとまずこれで一旦終わりです。

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