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2-1 転校生来る

 月曜日。


 それは殆どの学生たちが、これから始まる新たな一週間に対して絶望の気持ちしかない日である。


 そして俺も、そんな例に漏れず月曜日特有の憂鬱な感情を含みながら学校へ登校してきた。


「おい東條!聞いたか⁉︎今日転校生が来るらしいぞ!どんな奴だと思う?男かな?女の子かな?」


 教室へ入るやいなやいきなり藤ヶ谷が騒がしく話しかけてくる。


 朝からテンションの高いヤツだな。

こいつは月曜日だろうが金曜日だろうがいつも変わらないな。


「転校生?先週にはそんな話なかったよな?てか何でお前はそんな話知ってんだよ?」


 もうすぐ6月になろうとしているこの時期に転校生というのも珍しいな。

 というか、普通は転校生とかっていつから来るとか前もって知らされているものなんじゃないのか?


「俺も知ったのは今朝のことだったんだけどな、先生たちの話し声が聞こえてな、『この時期の転校生というのも珍しいですねぇ、今日は初日ですし緊張しているかもしれませんねぇ』『えぇ、ただうちのクラスにはお調子者もいますから、すぐに慣れると思いますよ』って会話をしてたんだよ。しかもその話をしてたのがうちの担任だったんだよ」


 なるほどなぁ。

 ただ今の藤ヶ谷の話で俺が一番気になったのは、うちのクラスのお調子者ってほぼ確実にコイツのことだよなぁ。

本人が気づいてないってのがなんとも残念だ。


「んで、東條は転校生は男か女の子かどっちだと思うよ?」

「別にどっちでもよくないか?てな朝のHRの時間になれば分かるんだから、今からソワソワしてても仕方ないだろ?」


 あと数十分後には分かることを今話し合っても正直意味ないだろう。

そんなことを言ったら藤ヶ谷に「これだからリア充は……」といわれた。

何故だ⁉︎

 今の会話のどこにリア充要素があったんだよ!

 というか、俺から言わせればお前も充分にリア充だぞ!




 それから朝のHRの時間になり、担任の教師が教室に入ってきた。


「早速で悪いんだが、今日はまずはじめに転校生を紹介したいと思う」


 おお、藤ヶ谷の言っていた話は本当だったのか。

 いや、別に藤ヶ谷が嘘をついているとは思わなかったがアイツが言うとどことなく信憑性が低く感じるんだよな。


 担任の転校生の紹介というワードを聞いて、殆どの生徒がザワザワとしている。

そりゃあこの時期の転校生自体珍しいし当日の朝に聞かされるというのもなかなかないだろうからな。


 担任の「では早速だが入ってきなさい」という言葉の後に、いかにも新品ですといった感じの制服を着た長身の男子が入ってきた。


「初めまして。本日よりこちらのクラスの一員となることになりました東雲仁(しののめじん)と申します。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします」


 礼儀正しい、どことなく堅い挨拶をして一例をする転校生。

 随分と真面目そうなヤツだなぁ、というのが俺の率直な第一印象だった。


「それじゃあ東雲は窓側の一番後ろの席に座ってくれ」


 担任の言葉に従って転校生……東雲が自分の席につこうと歩いていく。

 その時に、東雲がチラッと俺の方が見てきた気がした。



 その後、いつも通りにHRが終わり、みんなが一限目の授業の用意を始める中、転校生の東雲は早くも質問責めにあっていた。


「東雲君は何でうちの学校に転校することになったの?」

「前はどんな学校にいたの?」

「いま、付き合ってる子とかいるの?」等々


 そんな質問責めに東雲は丁寧に「転校は家庭の事情というやつです。以前いた学校はどこにでもあるような普通の学校でしたよ。今現在、お付き合いしているような方はいません」と答えていた。


 何というかすごく堅いなぁ。

まあ転校初日で緊張しているってのもあるのかもな。


 なんてことを考えていると藤ヶ谷がやってきて「転校初日で早くも女子に囲まれるとは羨ましい野郎だな」と言ってきた。

「まあ転校初日で珍しいってのもあるんだろう」


 そんな会話をしているとまた東雲と目があった。

なんでそんなに俺の方を見てくるんだろうか?


 そんなことを考えていると天乃も俺たちの方へとやってきて「転校生の東雲君、早速色んな子に質問責めにあってるね」と言ってきた。


「まあただでさえ転校生なんて珍しいし加えてあのルックスだからな」


 東雲は身長も高く顔立ちも非常に整っている。はっきり言ってイケメンだ。


「けど、私はちょっと苦手なタイプかも……」


 天乃が対人関係で苦手かもしれないなんて意外だな。


「天乃でも苦手なタイプとかいるんだな」

「私だって苦手な人くらいいるよ、そうゆう人とはなるべく関わらないようにしてるけどね」


 まあ誰だって苦手なタイプの一つや二つくらいあるか。

と考えていると「けど、まだ話とかした訳じゃないからなんとも言えないけどね」と苦笑い気味に天乃が答える。


「まあその辺はこれから話してみて判断すればいいんじゃないか?これから話する機会だってあるだろうからな」

「そうだね。相手のこともよく知らないで苦手かもっていうのは酷いもんね」


 天乃は本当にいい子だなぁ。

こんな子が彼女だなんてホント俺にはもったいないくらいだよ。


 それはそれとして、俺も個人的に東雲とは話をしてみたいと思っている。

何度かこちらを見てきているような気がするしな。

 それに何となくだけど東雲とはどこかで会ったことがあるような気がするんだよな……。




今回からようやく二章に突入です!

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