チャリティーイベント「カーネリアンの瞳」
魔族と人間のパートナー間には独特の悩みがいくつか存在します。
なかでも最も数が多くまた差別や嘲笑の対象ともなりやすいものが、人間のパートナーが魔族由来の魔力を身体に取り込むことで、目の虹彩部分が赤い色へと変化する【虹彩赤光症】と呼ばれる身体の状態です。
目の色の変化以外に心身に一切の悪影響をもたらすことは無いと現代では研究結果により判明しておりますが、それでも「魔族の眷属に下った」であるとか、「魔女になったのだ」とか、「魔族を誘惑した」等の不適切なイメージが未だに残っています。
また、症状により、自分の意志に関わらずパートナーの種族を公に示してしまう虹彩赤光症は、症状そのものが自身のプライバシーの権利を損ねてしまうという問題も抱えています。
この度、聖都博物館としては初めて、虹彩赤光症への理解を深め、また、虹彩赤光症に悩む方々への支援事業として、チャリティーイベント『カーネリアンの瞳』を開催致します。
特別展は10月1日より11月23日まで、初代ブリガント大公テルバ・ヴァサントの母として知られるミホ・ヴァサント妃の肖像画や、『魔王子様の恋文』でもおなじみの、ブリガント大公妃ジョールジャー・ブリガント・ヴァサントの聖都サンクタポリスとの貴重な書簡等も展示されます。ぜひ御覧ください。
野外イベントは11月3日、ブリガント公設市場の花卉集荷センターにて、夕方5時よりコンサート「あなたの隣で」を開催致します。市場内で虹彩赤光症の方向けのカラーコンタクトレンズの販売もございます。ご自宅でコンサートを楽しめるインターネット配信も同時開催されますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
この特設展とコンサートの売上金の30%は虹彩赤光症の方向けのカラーコンタクトレンズの開発・製造の支援金になります。
この機会に、魔族のパートナーとなった方の声に触れ、理解を深めていただければ幸いです。
説明:虹彩赤光症 こうさい-せきこう-しょう
魔族と人間のパートナーが成立すると、魔族のもつ魔力が虹彩に影響し瞳が赤くなる。これを虹彩赤光症と呼ぶ。瞳が赤くなる以外の心身の変化はないことが現代世界の研究で判明している。
しかし見た目の変化は著しく、聖王国ではそれまでの信仰もあり「悪魔に魅入られた」などとする差別的な受け取り方をする人間がいる。同じく魔王国でも、魔族の純血を損なうとして悪意ある非難がなされることがよくあった。
一方魔族と人間の融和の象徴として好意的にとらえる者も少なくない。魔王国初の人間の妃であったミホ・ヴァサント妃は虹彩赤光症を夫婦間の愛の証として誇ったことはよく知られている。また、「魔王子様の恋文」でもおなじみの聖女ジョールジャーは、ブリガント大公妃となった後その瞳の美しさをブリガント領民からカーネリアンに例えて讃えられた。
赤光症の発症により交際や婚姻の相手が魔族であることを自分の意志とは無関係に公に示してしまうことがパートナーの心理的負担になることもあり、こうした問題を解決する目的で、現代世界で専用のカラーコンタクトレンズが作られた。オーダーメイドで赤光症発症以前の目の色を再現することも可能。魔族と人間の婚姻も一般的になった現在では常に一定の需要がある。




