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弱肉強食!フィッシュ・マーケット ◆ 6 ◆
◇ ◇ ◇
「返せぇぇえぇえええええ!!!! 鶴ぅぅぅうううううう!!!!」
エレナはすでにマーケットの外を爆走していた。飛んでいく鶴の群の中、あのケースを奪った一羽に目を付けてはいるが、はるか上空に遠ざかっていく様を見れば、エレナの足は次第に遅くなる。
「はぁ……はぁ……」
ついに立ち止まり、膝に手をつくエレナ。ふいに、ぐいっと体が引きあがる。
「ドクター!」
ファウストが後ろからエレナの腰を抱えていた。空中ブランコ状態で上昇していくふたり。
「ありがとう……! あなたってやっぱりいい人よね……!」
じーん、とするエレナ。
「いいえ?」
エレナの背中から顔を覗かせたファウストは、ニコっと爽やかに笑った。
「まだハンマーは鳴らされていませんでした。我々が落札したと言えますかねぇ」
「……」
「400ドルの値が付いたアジが無料で飛んでいるんですよ?」
エレナはぽかんと前を飛ぶ鶴を見つめた。そして……。
「おや。貴女も悪魔らしいカオ、できるんですね」
フフっと笑みをこぼしたファウストは、空を駆ける足を早めた。




