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柊の相棒 新田さん! ~2~

同期の新田さんの続きです。


※次話は明日7:00に更新予定です!

「・・・もう昨日の社内人事の発表のメールで観たわよ!!!

 遅いわ!この紙を渡すのが!!!」



そこに書かれていたのは私が今回のプロジェクトに参加する旨と

九州にある照明事業部本社への人事移動であった。



「けど、分かっていたことだろう?」


「ええ、ホントにね!!!

 最初は冗談でしょう?って思ったわよ!!

 先週から急に照明事業部本社の研究がどんなものか見においでって

 川村部長から言われて行ってみたら・・・


 有機ELの研究を全部見せられるじゃん!!!


 しかも・・・


 プロジェクトの話まで聞かされるしさ!!!


 部外者にこんなことを教えて大丈夫なの?って心配してたら

 なんってことはない・・・


 この人事異動だったわけよ!!!」


「新田、そんなに喜ぶなよ。」


「喜んでない!!

 全く、これっぽちも喜んでないわよ!!

 え?これを喜んでるって思ってるわけ?

 柊、あんたの頭おかしいんじゃない?

 私は、関東の出身で、こっちの事業所に勤めれるって聞いて

 この会社に入ったの!

 しかも大学でやっていた研究をそのままこっちで出来るからって聞いてね!!

 なのに、5年後にはまったく別の分野に?

 私の人生設計狂ったわよ!!」


「ドンマイ♪」


「軽い!軽いから!!

 もっと励ましかたっていっぱいあるでしょう!」


「あ!?せっかく関東に来たんだし、マグロ食べよう!すいませーん!」


「あんた、人の話を聞け!!!

 何、私の話をスルーして店員呼んでんのよ!!

 そして、ここまで言われて普通に注文するなよ!!」


「え?ああ、わかってるって!

 新田の分の・・・


 納豆も頼むからさ!」


「ちょっと待ってよ!!

 あんた、私が納豆嫌いなの知ってるでしょう?

 だいたい関東人が全員納豆食べれるってことはないんだからね!!

 そもそも、居酒屋で納豆単体で売ってる何ってことないでしょうに?」


「え?ありますよ。」


冷静な店員さが応えてくれる・・・


「あるんかい!!!

 注文する人いるの!?」


「いえ・・・お客様が初めてです!」


嬉しそうな笑みを浮かべる店員さん。


「どんな無茶ぶりにも備えなければ・・・

 そう考えて苦節・・・


 1日!!!


 納豆を準備して良かったです!!」


「それを苦節っていうな!!!

 1日だろう?それって昨日買ったんだよね?

 何、予知かなんかで昨日買ったの?」


「いえ、納豆が朝ごはんに食べたくて。」


「それ!店員さんの都合だから!!

 何、お客様のために!!みたいな感じで言っちゃってんの!?

 しかもたぶん買ったのって、3、4個パックタイプでしょう?

 そして余ったのがあるから出せるんでしょう?」


「すごいでーす!

 まるで見てきたみたいにご存知なんですね!!」


「わかるわ!!!」



そんな私と店員のやり取りを見ていた柊が・・・



「新田、疲れるだろう?落ち着けよ。」


「原因作ったの、あんたなんだけどね!!!

 ・・・はぁ~、こんなうら若き乙女にこんなことさせるなんってさ・・・。」


「新田・・・


 うら若き?


 乙女?


 誰が?


 全国のうら若き乙女に謝れ!!」


「今度はしっかり聞いてるんかい!!!

 それなら最初から聞いとけー!!!」


「ブラボー!!」



私達に拍手喝さいの店員さん達。

・・・私達は漫才をしに来たわけではないんですけど・・・



「それで、どうするの?」


「何が?納豆?」



その瞬間、私は迷うことなく柊の両ほっぺを捻りあげるのであった・・・



「さーせーん。」


「最初から、その態度で望めよ!!それで柊の考えは?」


「まずは今の開発部隊を二つに分ける。」


「・・・二つに?」


「ああ、1つは今まで通りの研究をする部隊。

 こっちには新田お前が入る。

 そしてもう一つの方は、今回のプロジェクトを遂行する部隊。」


「・・・何で二つに分けるの?」


「事業部の目標は、新しい照明用光源に有機ELを考えている。

 その実現に向けて進める必要がある。

 だからそれに合うように開発はしなくちゃいけない。

 そのために新田が入る部隊はその開発に従事してもらう。

 もう一つは我が社を挙げてのプロジェクトなんだから

 世界最高を目指すための開発をする部隊に分ける。」


「・・・なるほどね・・・・。」


「それと分けることで、照明事業部独自の技術を確保出来る。

 もしこれが一緒にやっていくと、絶対に中央研究所の連中が、


 『我々も一緒に開発した!』


 と言ってきて、特許を出すときも論文を出すときも、

 果てはロイヤリティーの請求もしてくるだろうから

 その対策として、全く別の陣容を用意するんだよ。」


「同じ事業部内でも情報共有はしないの?」


「ああ、技術に関しての情報共有はしない。

 このプロジェクトにかかわっている間はね。」


「・・・分かるけど、出来るかしら?」


「そのために予算は一切プロジェクトからもらってないんだからね。

 自分達の予算を使ってやってるんだから、向こうが何を言ってきても問題ない。

 ただ、向こうが満足する成果は出さないといけないけどね。」


「なるほどね・・・。」


「まあ、そんなわけでなかなか大変だけど宜しくな。」


「分かったわよ。こうなったら一蓮托生よ。」


キーン!


そう言いながら私と柊はお互いのジョッキを合わせるのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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