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GESU FOUR MAN ARMY  作者: 白黒 鈴
14/15

閑話:ワルイユメ

 書きたいから書いた。反省する気は無い。

( ^∀^)



 暗い闇の中、誰かの声がする。



 奥行きも無い、光も無い世界。



 高く、優しい声。低く、落ち着く声。




 そして静かに私を呼ぶ声。



「末晴」



「お兄ちゃん?」



 後ろから呼ばれて振り向くと、お兄ちゃんがいた。真っ黒な格好で立ってた。



 そして、血塗れだった。お兄ちゃんの後ろには文字通りの地獄絵図があった。



 鉄の雨が世界を炎は全てを焼きつくし、死体は堆く積み上がって山となり、地面は血の川が這いずり、悲鳴と怨嗟と絶望の合唱が木霊する空を鋼鉄の鳥達(爆撃機)が飛ぶ。



 死体の山には人だけじゃない。見たこともない動物と化物の死体も積み重なってる。



 体の何処かが無い死体。穴だらけの死体。切り刻まれた死体。焼け焦げた死体。身体中に破片の刺さった死体。爛れた死体。ただ眠っているかのような綺麗な死体。


 人も獣人も亜人も妖精も化物も関係無く命が消されていく。



 何でそんなとこいるの?そこにいたらダメだよ。



「お兄ちゃん!」



 手を伸ばして抱きしめようと、近付いた時だった。



 乾いた音が響いた。



 それが銃声なのは直ぐわかった。だってお兄ちゃんが撃ったんだから。



 私に拳銃を向けてる。何で?どうして?



 弾は当たらなかった。違う。わざと外したんだ。



 お兄ちゃんは拳銃を下ろして、とっても苦しそうに声を絞り出す。



「来るな。こっちはお前が来ていい所じゃない」



 嫌だよ。ずっと一緒にいようよ。



「ゴメンな」



 そう言って背を向けて何処かに歩き出す。



「待って!」



 考えるよりも早く、走って追いかけていた。



「待って!!」



 走ってるのに、追い付けない。



「待ッテヨ!オニイヂャン!!」




◆◇◆◇◆◇




 夢。それはとても嫌な夢。普通の人ならば最悪の寝起きになるだろう。


 だが少女は、違った。


 いつもの最低最悪な夢ではない。兄に会えるこのできた最高の悪夢だ。


 うなじがピリピリと疼き、鼓動が速くなる。それは恐怖でも寂しさでもなく、歓喜にあった。


「ウフフ。待ッテテネ、オニイチャン」


 その時の少女は、狂気しかない酷く歪んだ笑顔だった。


 だが少しだけ、瞳に光が戻る。




◇◆◇◆◇◆






 暗い闇の中、誰かが呼ぶ声がする。



 奥行きも無い、光も無い世界。



 高く、優しい声。低く、落ち着く声。



 これは母さんの声?こっちは父さんの声か?



 それと妹の声。



「お兄ちゃん」



「すーちゃん?」



 妹の声に振り返ると、やはりというか妹の末晴がいた。



 ただ末晴を見た瞬間、息が詰まり、背筋が凍った。



 瞳に光は無く濁りきった狂気が満ちて、口は三日月のように歪んだ、恐怖しか感じない笑顔だった。



 手には血の滴る刀。



 何を斬った。誰を斬った。



 答えは末晴の後ろにあった。いくつもの死体が転がっているのだ。



 死体は人だけじゃない。見たこともない動物と化物の死体も転がっている。殆どが一撃で葬られ、身体的特徴から女性とおぼしき死体は顔が重点的に潰され、原型を留めていない。



 誰だお前は。



「モウ離サナイカラ」



 来るな。考えるよりも早く、走って逃げていた。



「モウ、ズットズット、ズーーーット一緒ダヨ。オニイチャン」



 そう言いながらゆっくりと追いかけてくる。



 走ってるのに、追い付かれる。



「 逃 ゲ ル ナ 」







◇◆◇◆◇◆




 悪夢に叩き起こされて、目が覚めたら見知らぬ場所にいた件について。

 まだ背筋が凍ってる感じがするし、すーちゃんってあんな娘じゃなかったよな。お兄ちゃん心配です。


 今はそれより……。


「ここ、何処だよ」


 周りを見ると木、木、木、大の字のおっさん、寝てるちび、イビキかいてるチャーリー、木、木。


 どういう状況だよ。


 最後の記憶は…こいつらとCASで遊んでたら隠し通路見つけて落っこちて、そっからは気を失ってたのか。


 とりあえず、こいつら起こすか。









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