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異世界転生

 私は日本に住む普通の中学生だった。その日もいつものように中学校から下校している途中だったのだが、  

ザーザー、

あれ?なんか後ろから音がするような。若干風も吹いている気が…

 

そう、あのときにおかしいな、と思って後ろを振り返っていれば良かったのだ。そして後ろから迫ってきているトラックの存在に気づければ。そうすればこんなことにはならなかったはずなのに。少しでも横にはけていれば車に轢かれたとしても致命傷は避けられたかもしれないのに…


私はそのときに後ろからやってきたトラックに轢かれて意識を失った。そして、15歳という短い人生を閉じたらしい。 


あーあ、まだ読んでない本がたくさんあったのに。明日の給食は揚げパンだったのに。と、あとでどれだけ後悔したことだろう。 


本当に、あのとき、あのときに振り返っていれば…

そうしていれば。ただ、私の後悔も虚しく闇に消えていった。




 そして次に目を覚ますとまったく知らない場所にいた。そして見知らぬ人が目の前にいる。年は私より少し下くらい、な気がする。

私は状況が理解できずにただ呆然としていた。  

これは夢なのか?私はこんな人、知らない。 

「そういうわけで、婚約は成立ということでいいですね?」 

前の人が話しかけてきたのだが、私にはまったく内容が理解できず…

「はい?」   

これはもちろん承諾のはいではない。ちょっとまって、今、婚約とか言った?婚約?ここはいったいどこですか。そんなん、乙女ゲームとかでしか見たことないよう。 

うん?乙女ゲーム…


その瞬間、私の頭にこれまでのすべての情報が入ってきた。そして私はその量に圧倒され気を失った。 



 


 私はどうやら転生してしまったようだ。そして私が転生したのはとある乙女ゲームにおいての悪役令嬢だった。

あああー! 

なんで。なんでよりによって悪役令嬢なのよ!もう、普通の人で良かったのに。


その乙女ゲームを前世でプレイしていたから分かるが、悪役令嬢はどうがんばっても国外追放される運命にあるのだ。


その悪役令嬢の名前はセアリス•ミレー。 

彼女は公爵令嬢だった。幼少期から両親に甘やかされ、そのまま育った結果、わがままで世間知らずな子供に育った。

水色の髪に銀色の瞳。その冷ややかな雰囲気をはなつ容貌は悪役令嬢というものにふさわしいと言えるだろう。

セアリスは第一王子の婚約者で嫉妬からヒロインをいじめるようになる。そしていじめの首謀者だということがばれて国外追放に…




 私が思うに国外追放を逃れる方法はいくつかある。まず1つ目は目立たずに生きてそのまま逃れるという方法。そしてヒロインと王子がくっついて順調に婚約破棄してくれると嬉しいな。そう、私としては婚約は絶対に破棄したかった。もう、あんなタイミングで転生するなんて、とても運が悪かったよ。なんで、よりによって婚約が成立したときに転生するかねえ。 

神様!あなたたちは私に恨みでもあるんですか?私、なにか前世で悪いこと、しましたっけ?そんな悪役令嬢にされるほど悪いことを。  

はあ、悪役令嬢になっただけでも大変なのにタイミングも最悪だなんて…


とりあえず、婚約は破棄しなければならない。そのためには嫌われてもいい。私はそのことを固く心に決めた。  


それはまた頑張るとして…私は1つやるべきことを思い出した。 


その日の昼、私は屋敷中の人を集めた。自分でもなんて迷惑なことなんだろうと思っている。が、これは必要なことなのだ。これをやるのとやらないので、今後の私のここでの居心地がぜんぜん変わってくる。


私はみんなの前に立つと、 

「今まで、すいませんでした。」 

といい、土下座をした。おでこをピタッと床にくっつける。初めてやったので、合っているかとても不安だったが。

「私が悪かったです。自分の言うことを聞いてもらえるのは当たり前と思っていました。みなさんに多大な迷惑をおかけしたこと、まことに申し訳ございませんでした。自分でもとても反省しております。これからは迷惑をかけないよう、謙虚に生きていく……」 

私はセリフを言い終わった頃にはハアハアと息があがっていた。それくらい饒舌に喋っていたのだ。 


聴衆の皆は唖然としている…それもそのはず。今までのセアリスがこんなことを言うはずがないから。

 

悪役令嬢、感謝しなさいよ。私に。私があなたのイメージをよくしてあげたんだから。たぶん。あなたが悪い子供だったせいでこんなに大勢の前で謝ったんだからね。


みんなからはセアリスがいい子になった、とか驚いて、感動などの声が聞けると思っていたのだが…辺りはあいかわらずしーんとしている。


ちょっと!何か反応しなさいよ。こんなことをした私が1番気まずいんだけど。  


ただ、よく見るとしくしくと泣いている人がいた。あ、これは感動の涙だな。セアリスがいい子になったことに対しての。   

私は勝ちを確信した。

そしてその人につられたのか他の人も泣き出した。中には、 

「セアリスー!お前がいい子になることは諦めていたのに。まさか心変わりしてくれるなんて。」 

と、言葉をこぼしている人もいた。  

いい子になることは諦めていた?なんか結構酷いね。セアリス、あなたそんなに失望されていたんだ。

まあこの反応なら、新しいセアリスのことを受け入れてくれている、ということでいいだろう。


よかった。私は自分の企てがうまくいったことにとても安堵した。

 














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