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プロローグ 彼はその時
月明かりでその青い髪が光る。
——ここに戻ってきてからどれくらい経ったか。
いつまで無為な日々を過ごすつもりなのか。
俺は狭い物置の奥で古臭い椅子に腰を掛けた。
小さい窓の下に、青い装飾がされた剣が立てかけられている。
それを手に取り、鞘から刃を抜き出す。
用意していた布切れでそれを磨き始めた。
別に怒りを忘れたわけじゃない。
ただ、感情に任せてもその先には何もない。そう思った。
窓から差す光に刃を当てがい、その輝きを確認した。
この剣を手入れするのも無意味だ。
どれだけ拭っても殺した事実は消えない。
それでも少し、楽になる。
物置の奥にその剣を立てかけた。
その場を離れようと立ち上がったその時、人間の気配がした。
ここから少し先の場所……結界の中だ。
破られた? いや違う。
そんな大きな衝撃はなかった。
ありえない。
俺は物置の扉から森の中へ足を踏み入れた




