9 拠点移動
「おつ!」
「ワン!」
「どうだった」
「ワン!ワンワンワン!」
「10分位歩いた所に小川が有るって、そして、強そうな魔物は居なかたって」
逸樹が説明しているのをみんなポカーンと見ていた。
「どうしたん、みんな?」
「にーちゃん、ホウベとしゃべってた、スゲー」
「そうなんだよ、言ってることがわかるんだよ。そうなると俺、ワンワン言ってたのか?」
「そんなことないよ、逸樹は普通に日本語、ホウベはワンワンだったよ」
と、美恵が説明してくれた。
「で、水場がわかったので、魔法で水が出ても、そっちに移動しようか。」
そう言うとみんなぞろぞろ立ち上がり。家の外にでた。
「おーし、みんな外に出たな。ちょっと待ってな。ちょっと実験だ」
と、言うと俺は家を収納してみた。
「パパ、家が消えた!」
「イリュージョン、家を消してみた。」
「ハイハイ、【アイテムボックス】でしょ、私も収納してくれたら、歩かなくて良いのに」
と、美恵がぼやいた。
「逸樹、道案内はお前に任せた。」
「よし、ホウベ道案内は頼むぞ。」
「ワン」
ホウベはゆっくり前を歩き出した。
道なき道を歩くこと15分位かな、少し開けた所に川幅2メートル、深さ50センチ位の小川があった、流れはそんなに早くなさそう、水は透き通っていて綺麗だ。近付いて水に触れてみた、少し冷たいがそれが、かえって気持ちが良い。
「お疲れ!ここら辺をとりあえずの拠点にしようか。」
と、言うといきなり勇気が川にダイブ!
「パパ、川だよ。魚居ないのかな」
いても、お前が飛び込んだら逃げるよな、と、思いつつ、
「そうだな、居たらいいな。釣りでもするか。」
「勇気、お前、アホだろ。飛び込んだら魚逃げるだろ。」
逸樹、俺の心の声ありがと。
「ヒロヒロ、何でもいいから家出してよ、くたびれた、家のなかでゴロンとするね。」
「あいよ。」
俺は川から少し離れた場所を指差し、
「勇気、ここら辺の木を切ってくれ。」
そう言うと、勇気が木のところに行き、木をだるま落としの要領で木を消していった。
「うまいもんだな、まだ家を出してないから倒しても良いのに」
数本消したとき、勇気が、
「パパ、【伐採】スキルゲット!」
「おお!おめでとう。で、なんか変わった?」
「切ったときどっちに倒れるかハッキリ分かるようになった。」
「おお!そうか。」
言ってる間にあらかた木を採りつくした。
「いっぱい木ブロック取れたな、じゃ、そろそろ家を出そうかな。」
と、思い家を出すイメージをしたら、
「勇気、あれとあの木消して。」
なんか出した時のイメージが浮かび今のままじゃ、出せないってわかる。なんか不思議だ。
「オッケー、あれとあれ、いって参ります。覚悟!」
勇気は勢いよく走り、木を切っていった。
「ふっ、またつまらぬものを切ってしまった。」
勇気が木を切り終わると俺は家を出した。
「勇気、石ブロックで家を大きくしといて、それと床は木のブロックでな。」
「了解であります。まずは石ブロックを探して、って、ちっちゃい石でもおっきなブロックになるんだった。」
そう言うと、そこら辺にある石を採取して、家を改造し始めた。