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学校へ行こう4

その日の夕方、居酒屋 粋

「転校初日に、学校中の嫌われ者。流石ね、表面上は大人しくなっているみたいだけど、変わんないわね。流石、勇騎。」

「先生は変わりましたね。未成年を連れ込んで、鳥の軟骨」

「なんで私まで一緒なの、から揚げ、2つ。」

「「あとカルピス」」

「似たようなもの頼んで同じもの頼んで、何付き合ってるの?」

開始30分、先に一人で始め、ほろ酔いの森川は、遅れてきた二人に絡んでいく。

「付き合っているわけないでしょ、仕事上の関係です。」

「仕方ないでしょ、きららさんがいないと帰れないし、俺携帯持ってなくて、きららさん。迎えにも来てくれないでしょ。付き合ってはいませんが同棲しています。」

「……進んでるわね。今の子は、何、どこまで進んだの。」

きららは我慢の限界で森川の食べた焼き鳥の串を本気で勇騎の目に刺そうとする。

「ははは、ラブラブだね」

「今すぐ先生の思考を訂正させない、じゃないと今すぐに本気で殺すわよ。」

「きららさんに馬乗りにされてる。いい感触。」

相手を怒らせると歯止めの効かない勇騎であったが、彼に対するイメージを崩壊させる言動に対する森川の冷たい目線で、少し襟を正す。

「すみません、ただの居候です。と、ところで、今日は何なんですか?」

「いや、死んだはずのクラスメイトが生きてたから、世間話でもしようかなって、本当は、美森さんの不登校に関しても言うところはあったんだけどしばらくは、勇騎君の監視の名目でしばらくは来そうだし、あ、そうだあとこれ、これを警告しようと思って」

そういって森川はスマホの画面を見せる。

そこにはSNSで武士発信の勇騎に対する接し方が書いてあった。

勇騎はそうですかとそれを眺め、はいと、気にも留めず携帯を返す。

「何とも思わないの」

「まぁ、自分でまいた種ですから。今までと変わらない平常運転です。」

「育ってから刈り取る?相も変わらずね。

ねぇ、美森さん。勇騎君ね。昔っからこうなのよ。

相手がなんであれ、絶対に負けたり、引いたいしないで自分の都合だけを通す。

言ってることは、正しいんだけど、ただ、いつもやりすぎで怖いっていうか。」

「余計な悪評を流布しないでくださいよ。というか、あんな馬鹿がよくこの学校に入れましたね。頭よさそうには見えないんですけど。」

「うちの学校、別に頭良くないよ。」

「は?」

「少子化の波かな、私たちが行っていた頃とは全然違うわよ。今じゃ誰でも入れるレベルだよ。特進クラスもなくなってるし、今じゃたぶん勇騎君がトップだよ。

って、昔から英語以外は満点か」

「……あんた、頭いいの?」

「何ですかその意外そうな、心外ですね。」

「ヤンキーで頭がいいなんて、キャラがブレるでしょ。ちなみに私は見ての通りの馬鹿よ」

それは絶対その方面の努力してないからだが、自信満々に言うその姿はまさにそうだ。

「ですから、ヤンキーじゃないです。クールで知的でクレバーなのがこの僕です。」

そう言いながら勇騎は鳥の軟骨に夢中だ。その言葉のチョイスと言い、頬についた食べカスを森川に拭かれそうになり、嫌がる様はクールさのかけらもない。


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