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境界線の向こう側  作者: 柚子
65/74

【63】

抜き打ちテストいや昇格試験の数日後。ギルドへ来るようにと、サザンさんの鳥の有羽(ユウ)が伝言を届けた。

『有羽、ありがとう。明日お伺いすると伝えて?』

[お土産は大福かおはぎがイイ]

『………わ、わかった』


翌日、変幻した姿で受付に行ったが、アイリスには一度見せていたので、無言で奥の部屋に案内してくれた。

「ヨーコのおはぎには緑茶よねぇ〜」

伝言の主はまさかのフリージアだった!


「「美味しーいっ!!」」


ギルド長が笑顔で大福を食べている姿は、縁側に座る祖父そのもの。洋子も大福を食べながら気持ちがホッと和んだ。

「ヨーコちゃん、凄いねぇ!Zランクだってさ」

『ええぇっ!?』

「いやぁ〜歴代の皇帝でもXランクらしいよ?初快挙だな!」

『あのぉ、表示は?』

「シールド効果でSランク。でも各国のSSSランク以上に該当する依頼を受けて欲しいのが私の願いだ」

『畏まりました』

「報酬は桁違いだから生活は安定するわな?新たなギルドカードを渡そう」


クレジットカードのブラックカードみたい。右上に極小の魔石が填め込んであるがGQコードに見える。

「指名依頼がある時には各国の色で点滅するからな?受注できるならギルドに来てくれれば助かるよ。よろしく頼む」


大福とおはぎをローザさんとカイルさんに届けてから森の隠れ家に帰宅した。


「ヨウコ、お帰り」

ギルドカードを見せて説明するとトイは表情を露骨にしかめた。


「ヨウコを独占していいのは俺だけなんだけど?」

『トイが独占してくれないの?』

トイは身体中にキスしながら、洋子を抱き上げて寝室に向かった。

『ええぇっ?トイ、お風呂は?』

「ヨウコから催促されたら待てるかっ」

『あ、あのっ、そういう意味じゃ「どういう意味?ヨウコを独り占めするって事だろ?」

『……ッ!ダ、ダメ…っあん…』

「ヨウコ、大好きっ」


明け方まであと1時間という頃。ふと目を覚ました。キッチンで水を飲んでからベッドに潜り込むと、寝ているトイが優しく抱き寄せる。


『愛してる』

囁くように呟いてトイの胸元に顔を埋めると、あたたかさが心に染みてくる。ホロリと零れ落ちた涙一粒。


「ヨウコ、どうした?んん?」

『何でもない。おやすみ』

「バカ。ちゃんと話してくれないとわからないだろ?」

ギューッと洋子を抱きしめ、泣き顔を覗き込む。

『トイが側に居てくれて幸せだなぁ〜って思ったの』

優しく背中を撫でて

「俺もヨウコが居てくれるだけで幸せ」


まどろみの中で再び夢現(ユメうつつ)

洋子は先程の夢を思い出した。

ガバッと起き上がる。

『私ったら、バカね。毎晩龍やシヴァと往き来していたのに、気づかないなんて!』

「ヨウコ?変な夢でも見たのか?」

『トイ、夢じゃないわ。母と会ったの!』

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