【63】
抜き打ちテストいや昇格試験の数日後。ギルドへ来るようにと、サザンさんの鳥の有羽が伝言を届けた。
『有羽、ありがとう。明日お伺いすると伝えて?』
[お土産は大福かおはぎがイイ]
『………わ、わかった』
翌日、変幻した姿で受付に行ったが、アイリスには一度見せていたので、無言で奥の部屋に案内してくれた。
「ヨーコのおはぎには緑茶よねぇ〜」
伝言の主はまさかのフリージアだった!
「「美味しーいっ!!」」
ギルド長が笑顔で大福を食べている姿は、縁側に座る祖父そのもの。洋子も大福を食べながら気持ちがホッと和んだ。
「ヨーコちゃん、凄いねぇ!Zランクだってさ」
『ええぇっ!?』
「いやぁ〜歴代の皇帝でもXランクらしいよ?初快挙だな!」
『あのぉ、表示は?』
「シールド効果でSランク。でも各国のSSSランク以上に該当する依頼を受けて欲しいのが私の願いだ」
『畏まりました』
「報酬は桁違いだから生活は安定するわな?新たなギルドカードを渡そう」
クレジットカードのブラックカードみたい。右上に極小の魔石が填め込んであるがGQコードに見える。
「指名依頼がある時には各国の色で点滅するからな?受注できるならギルドに来てくれれば助かるよ。よろしく頼む」
大福とおはぎをローザさんとカイルさんに届けてから森の隠れ家に帰宅した。
「ヨウコ、お帰り」
ギルドカードを見せて説明するとトイは表情を露骨にしかめた。
「ヨウコを独占していいのは俺だけなんだけど?」
『トイが独占してくれないの?』
トイは身体中にキスしながら、洋子を抱き上げて寝室に向かった。
『ええぇっ?トイ、お風呂は?』
「ヨウコから催促されたら待てるかっ」
『あ、あのっ、そういう意味じゃ「どういう意味?ヨウコを独り占めするって事だろ?」
『……ッ!ダ、ダメ…っあん…』
「ヨウコ、大好きっ」
明け方まであと1時間という頃。ふと目を覚ました。キッチンで水を飲んでからベッドに潜り込むと、寝ているトイが優しく抱き寄せる。
『愛してる』
囁くように呟いてトイの胸元に顔を埋めると、あたたかさが心に染みてくる。ホロリと零れ落ちた涙一粒。
「ヨウコ、どうした?んん?」
『何でもない。おやすみ』
「バカ。ちゃんと話してくれないとわからないだろ?」
ギューッと洋子を抱きしめ、泣き顔を覗き込む。
『トイが側に居てくれて幸せだなぁ〜って思ったの』
優しく背中を撫でて
「俺もヨウコが居てくれるだけで幸せ」
まどろみの中で再び夢現。
洋子は先程の夢を思い出した。
ガバッと起き上がる。
『私ったら、バカね。毎晩龍やシヴァと往き来していたのに、気づかないなんて!』
「ヨウコ?変な夢でも見たのか?」
『トイ、夢じゃないわ。母と会ったの!』




