幕間②
その後、アンナは…
側室の役目を終えよとの言葉と共に、一生遊んで暮らせるほどの大金をオズ皇子から賜った。ギルド鳳凰の舞を通して3分の2を実家に贈った。
出金は本人でないと不可能だが、入金は送金側が行うため可能だ。
実家には戻らないと手紙を送って、一からスタートを切った。ギルドカードを発行して冒険者となったが所詮ド素人。なかなか思うように行かない。
夕食を食べて元気を出そうと宿舎ヤドリギの部屋から出ると、女主人のキャロルが笑顔で接客をしていた。
『アンナお待ちどうさま』
美味しそうなシチューを手渡しながら微笑んだのは、先日別れたジュリだった。
『私のことはヨーコと呼んでね?』と囁いた声は、以前より落ち着きのある低い声でドキドキした。髪を束ねて雰囲気も違う。年齢は30才と聞き、信じられなかった。
『実はね、冒険者として初めて働いたのがココなの』
「ふふふ。ヨーコは冒険者になってまだ一年くらいよね?」
と、キャロルが仰天する言葉を言った。
『うん。薬草依頼ばかり受注していたわ。ねぇアンナ、明日一緒に依頼を探さない?』
あれから冒険者のパーティに加わり経験を積んだ。依頼を通して知りあった一人の若者と出会い恋をして結婚に至るまで、約4年の月日が流れた。
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その後、トイは…
今回はディアボロスの行動を見張る役回りだった。暗闇に潜み会話を聞き取りシヴァへ伝えていた。
洋子が変幻して側室として入り反対派の動向を探り囮となって罠に嵌める。
要となったのは、相手が罠に引っかかった事かもしれない。
あの時、オズ皇子の協力があったことで自然に潜入したが、あの濃厚なラブシーンは必要だったのかと問い詰めたくなる気持ちを懸命に抑えていた。
変幻した洋子の行動はジュリそのものだったので、演技とは思えず鳥肌が立ったものだ。(狗だけど)
シヴァがトイの右肩に留まった。
[同じ時代に同じ世界で生きて輝いていていたら、手に入れなくても良かったんじゃないのか?]
「煩いっ!手に入れた己の奇跡に喜んでいたら、猛烈な嫉妬がモレなく付いてきたんだよっ!」
[ククク…身も心も虜にして離さなければ良い。簡単な事じゃないか?]
トイはこの瞬間から、ヨウコに対する想いの中にある憧れや羨望のフィルターを外して、生涯愛する自身の伴侶として意識するようになった。
そして高価な媚薬を購入して“お仕置き”と称した蜜夜をじっくり堪能したのは、トイの意識の表れでもあり恋人としての特権でもあった。




