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境界線の向こう側  作者: 柚子
59/74

【58】

御婚姻の儀は無事に終了した。

夕方から祝賀会が開催される。


主役二人の控え室。

絢爛な純白の衣装を脱ぎ捨て、黒色の衣装に金色の装飾品を着けた衣装へ着替える。

シャイン国では、光の祝福だけではなく相対する闇の祝福を受けるという意味があり、夜のお召し物は黒色を着るのが常識かつ慣習だそう。


「失礼致します」

侍女達が軽食を盆に乗せて入室した。窓側にあるテーブルへセッティングしていく。手慣れた動作は僅か5分だった。

「失礼致しました」

オズ皇子は侍女達を下がらせたのだ。


「アマテラス、まだ緊張しているのか?ほら、何か口にしなければ倒れてしまう」

「そうね。お水が欲しいですわ」

オズ皇子は銀製の器に入った水を口に含み、アマテラスに口移しで飲ませた。


………コンコンコン。


扉越しに侍女から、

「お寛ぎのところ失礼致します。御祝い品のお酒が届いております。如何なさいますか?」

「入れ」

侍女は銀髪だった。

「どうぞ。ウェンディ国の幻酒でございます」

木の器を口にする直前、オズ皇子は侍女を拘束した。

「侍女に化けた刺客だな?」


オズ皇子の合図でやって来た騎士達が侍女を引き取る。

「お前はジュリじゃないか!」


………ガチャン!!!


スカートのポケットから小さな瓶が落ちて割れた。


ジュリを拘束した騎士達の中にミゲルがいた。牢まで項垂れて歩くジュリは肩の力を抜いた。逃がしてくれるという安易な考えだった。


ジュリが大人しく牢に入ると、格子越しからミゲルは素早くジュリの腹に刀を刺した。

急所を刺されたので、声を出す間もなく崩れ落ちるジュリ。

「お前の役目は終わった。此処で無念の自殺という筋書きでな?」


音もなくミゲルの背後から忍び寄るのは洋子。

『んもぉっ、自分で手を降したらダメよぉ〜甘いわねぇ〜ミゲル?』


ミゲルは手応え確かだった右手と崩れ落ちたジュリと見比べてから、振り返って洋子を見てサァーッと青ざめた。

『側室様殺害未遂の現行犯でミゲルを逮捕する』

洋子はフリーズした部下2人と一緒に拘束した。


《変幻解除》


洋子はわざとミゲルの前で元の姿に戻った。

カタカタと身震いするミゲル。

『オズデュランダル皇子とアマテラス妃には五色を纏う黒魔女がお側に控えております。御存知ありませんでしたか?』

側近の一人が話しかけてきた。

「黒魔女様、ディアボロス様も別の場所に拘束しました。拷問いえ調査は我々が。祝賀会の準備をなさって下され」




洋子は盛大な祝賀会に参加した。目立たない場所で眩しい二人を晴々とした表情で見ていた。シヴァが左肩にトイが右側にいる今が一番安心する。

二人の御婚姻を機に、トーマが専属魔導師として紹介されているのを垣間見て呟いた。

『あんなスポットライトを浴びるのはご勘弁だわ』

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