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境界線の向こう側  作者: 柚子
18/74

【18】

話は少し前に遡る。

シャイン祭前に滞っていたギルドの事務作業が急ピッチで進められていた。


受付嬢のアイリスが洋子を呼び出した。

「ヨーコ!早くギルドカード見せて!?」

アイリスがコワい。こんなテンションの女性を怒らせてはいけない。洋子は速攻でギルドカードを見せた。

「キャー!やっぱりランクがAになってる!」

いつもの冷静沈着なアイリスとは程遠い。

『ランクがAだと何かマズいの?』

「規定違反よっ!!」

>>聞いてないよー。

「シャイン祭明けに10日間、研修に強制参加だからっ。ランクAの人はランクEからBまでの初心者を指導できるように、国が開催する講習を受けてから、晴れてランクAと認められるの。常識だから、これ!」

『じゃあ、今のランクAはギルドカードのバク?』

「ランクはAで正しいわ。ある一定の知識や実力を揃える感じよ。ところでバクって何?」

『原因不明なミスみたいな?』

「どうして疑問系?」


早急な依頼は受注していないので断る理由もなく承諾した。



遠征研修は冒険者で15歳以上なら誰でも参加できる研修である。

冒険者達は魔法属性や武術等の得手不得手で依頼内容が偏りがちなので、それを補ったり人脈を広げたりするのが目的だ。

色んな年齢層や異なるランクが集うため実力世界だという。


洋子プチ情報⑤この世界の人々は日本より寿命が長い。色んな年齢と言っても幅広い。


実力を把握する目安が魔力測定である。

『失礼します』

机越しに座っているのは研修長と測定員の二人だった。


魔力測定用の魔石を使い参加者名簿に転写する。

「ヨーコ・サトーさん。魔力測定を始めます」

両手を魔石に添えた途端、



………ガッ!!!



崩壊した時、咄嗟に結界を張ったので誰も怪我はなかった。

研修長と測定員は驚きのあまりフリーズしたままだった。私は魔石を壊してしまい青ざめていた。

ハッと我に返った測定員は、机の引き出しを開けて布に包まれた黒い魔石を置いた。

「ヨーコさん、もう一度お願いします」


長い沈黙の後、3人が肩の力を抜いた。

「説明会は午後から競技場で行われます。遠征研修カードをお渡し致します」



* * * * * *


名前:ヨウコ・サトウ


ランク:A/ 職業:冒険者 Lv.29

装備:双龍の腕環、夜月の剣、朝陽の刀、漆黒の八咫烏、天翼の首環、大地の首環、風舞の耳環、月影の指環

HP(生命力) 38000/38000

MP(魔力)42000/42000

スキル:感知・言語翻訳・採取・威嚇・回避・変幻・幻覚・幸運・剣術・薬術・ボックス・霊笛

魔法:Weather

称号:魔法陣術師・聖獣使い


* * * * * *



洋子は無意識とはいえ“装備”を非表示にしていて良かったと安堵した。


遠征研修カードを首から下げると説明会のために広場へと足を向けた。

人集りができていて身動き取れなくなっていた。後からゆっくり入ろうとベンチに腰掛けた途端、拡声魔法で挨拶が聞こえた。


【遠征研修参加感謝する。今日は各班の顔合わせや準備を進めて欲しい。同時に座学も3つ以上受講して貰うから班で調整するのも研修の一環だな。移動時間合わせて5日間で指名された依頼を班で受注して完了させること。

では、カード番号を呼ばれたら、右から順にリーダーがいるので並んで頂きたい】


身知らぬ同士で10日間は辛い。ウマが合う人がいたらいいなぁと思った。

19班あり一班が5、6人。かなりの人数だ。男女比率は6対4で微妙に男性が多い。洋子の班は6人だった。


男性

リーダーSSランク:ロワール35歳(火、剣)

Dランク:ウィン29歳(風、扇)

Dランク:ジェイク33歳(土、熊手)

女性

Cランク:サン23歳(光、レイピア)

Eランク:マリン24歳(水、弓)

サブリーダーAランク:ヨーコ30歳(W、剣)WはWeatherの略。


班長がSSランクとは珍しい。視線がロワールさんに集中していた。お互い自己紹介してから早速座学を選択することになった。

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