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火星人体験談第一話

面白半分で作ってみました ※本作は「火星での体験談」という体で描かれる、完全なフィクション(SF小説)です。実在の人物、団体、実際の宇宙開発データ等とは一切関係ありません。

1日48時間、人口40億人、そして金星と海王星の冷戦――。地球人・佐藤晴人が迷い込んだ、少し奇妙で高密度な火星の日常をお楽しみください。

※本作は「火星での体験談」という体で描かれる、完全なフィクション(SF小説)です。実在の人物、団体、実際の宇宙開発データ等とは一切関係ありません。

※本作の文章制作の補助として、生成AI(ChatGPT等)を使用しています。


「――おい。いい加減に起きろ、地球人」 耳元で聞こえた、妙にフランクで軽い声が鼓膜を震わせた。 

俺はパチッと両目を開ける。 不思議なことに、いつもなら頭を悩ませる強烈な偏頭痛も、全身の重だるさも一切なかった。

それどころか、3日連続の徹夜明けだったはずなのに、人生で一番と言っていいほど寝起きが最高にすっきりしている。 

しかし、おかしい。

 確か、俺の人生は数分前に終わったはずなのだ。 俺の名前は佐藤晴人。26歳。 都内の弱小企業で働く、どこにでもいるしがない平社員だ。 

毎日終電、休日出勤は当たり前。有給休暇なんて概念は都市伝説だと思っていたレベルの限界社畜である。 

その日も深夜2時、朦朧とする意識と、半分閉じた目で愛車の軽自動車を走らせていた。

完全なる居眠り運転。 一瞬、視界がふっとブラックアウトし、次に目を開けたときには、対向車線を暴走してきた巨大な大型トラックの凄まじいヘッドライトが、目の前に迫っていた。 

衝突の瞬間は、今でも脳裏に焼き付いている。 強烈な金属の摩擦音。スローモーションになる世界の中で、フロントガラスが粉々に砕け散り、俺の身体に容赦ない衝撃が突き抜けた。

「あ、俺、トラックに正面衝突したんだっけ。ってことは、ここ病院のベッドか? ……にしては、シーツが硬いな?」 のそのそと起き上がってあたりを見回した俺は、思わず「お、おう……?」と奇妙な声を漏らした。 

見上げる空は、綺麗でファンタジックな赤茶色だった。 地球の青空とは明らかに違う。雲は驚くほど薄く、その隙間から覗く太陽は、東京で見慣れたものより一回りも二回りも小さく、どこか頼りなげに輝いている。

そして、周囲の光景ときたら、さらに常識を置き去りにしていた。

 俺が寝そべっていたのは、ピカピカに磨かれた黒い未知の金属床。 視線を水平に戻せば、ガラスと流線型のボディを持つ超高層ビルが、地平線の彼方まで隙間なくびっしりと立ち並んでいる。

ビルとビルの間にある空中回廊のようなルートを、光の尾を引く近未来的な乗り物がビュンビュンと縦横無尽に飛び交っていた。

さながら、超SF映画で描かれるサイバーパンクな未来都市そのものだ。 頭上を見上げれば、超巨大なホログラム広告が夜空の代わりに浮かんでおり、そこには見たこともない幾何学的な記号と、なぜか親切な日本語の字幕が連動して躍っている。

『暑い主義金星・寒い主義海王星の冷戦、緊迫化。火星政府は本日も中立の立場を維持すると表明』

「冷戦……? 金星と海王星……? なんだこれ、会社が仕掛けた悪質なドッキリか? それとも新作のVRゲームのロケテストに巻き込まれたのか?」

「ハハッ! ゲームのわけねえだろ。ここは火星だぞ、火星!」 すぐ隣から、カラッとした明るい笑い声が聞こえた。 びくりとして振り返ると、そこには一人の男が立っていた。

男の見た目は、仕立ての良い高級そうなビジネススーツを着こなした、シュッとしたイケメンビジネスマンだ。ただ、決定的な違いが二つあった。 

一つは、その肌が綺麗にかすんで緑色ががっていること。 もう一つは、彼が呼吸をするたびに、首の横にあるスマートなスリット状のエラがペコペコと楽しげに動いていることだった。

「ひ、火星……!? いやいや、ちょっと待ってくれ。火星って二酸化炭素だらけで、防護服を着てないと人間は一瞬で窒息して死ぬって義務教育で習ったぞ!」

「おっと、それは地球人の古い常識だって!」 緑の肌のイケメン男は、親指をグッと立てて白い歯を見せ、ウインクしてみせた。

「俺たち火星人はな、大気中の二酸化炭素を吸って、体内でエネルギーに変えて、美味しい酸素を吐き出すエコな生態なんだよ。ほら、地球でいう植物のすごいやつ、みたいなもんだな。だからこの大気が一番心地いいのさ」

「二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出す……って、人間とは真逆じゃないか」 男のめちゃくちゃポジティブな説明に、圧倒されつつも俺の宇宙オタクとしての好奇心が疼き始める。

「それにしても、このビルの数は何なんだ? 宇宙の荒涼とした砂漠のイメージと全然違うんだけど」

「お前たちの世界より大分狭い、地球の4分の1ほどの面積しかねえからな、この星は。だけどな、その狭い大地の中に、今は人口20億人がひしめき合って暮らしてるんだよ。土地が圧倒的に足りねえからビルを上に伸ばしまくった結果、こんな活気あふれる超ハイテク大都市になったってわけ!」

 面積は地球の4分の1なのに、人口は20億。 ギュッと凝縮された近未来世界の光景に、限界社畜としてすり減っていた俺のテンションも、だんだんと上がってきた。

「なるほど、それは凄い。だけど、もう一つ大きな疑問がある。俺はなんで生きてるんだ? トラックにぶつかって、木っ端微塵になったはずなんだけど……」

「ああ、あのままだと確実に死んでたな! 脳みそ以外はほぼミンチになりかけてたし!」 男は笑いながらサラッと恐ろしい事実を告げる。

「だけど運が良いことに、ちょうどお前が事故った瞬間、地球の学術調査に来ていた俺の宇宙船の転送サークルに、お前の身体が偶然巻き込まれたんだ。これも何かの縁だし、死なせるのは寝覚めが悪いだろ? だから、こっちの超最新医療ナノマシンを使って、お前の身体をパパッと救命してやったのさ。ついでに『改造』も施してな!」

「改造……!? それって、もしかして……!」 男のロマンをビンビンに刺激する単語に、思わず生唾を飲み込む。 男はニヤリと不敵に笑うと、懐からスマートフォンに似た、透明なガラス状のホログラム端末を取り出した。そして、インカメラの映像を起動して、俺の顔の前に突きつけてきた。

「見てみろ。これが、お前の新しいハイテクボディだ!」 画面に映っていたのは、確かにお馴染みの俺――佐藤晴人の冴えない顔だった。 

だが、俺が「おおっ!」と歓声をあげた、その瞬間だった。 心臓がドクンと大きく、しかし心地よく波打ち、画面の中の俺の肌が、首元からじわじわと綺麗なエメラルドグリーンに変色し始めたのだ。 

それだけではない。 耳の先端がスタイリッシュに少しだけ尖り、何より、呼吸の感覚が劇的に変化した。 

それまで「少し息苦しいな」と思っていた周囲の空気が、肌の色が変わった途端、胸いっぱいに吸い込める最高のエネルギーへと変わったのだ。二酸化炭素を取り込むたびに、体中の細胞がパチパチと弾けるように活力が満ち溢れていくのが、リアルな体感として伝わってくる。

「う、わあああ! すげえ! 本当に緑色になった! っていうか、めちゃくちゃ身体が軽い! 呼吸が楽しすぎる!」「だろ? そのナノマシンのおかげで、お前の身体は元の地球人の姿と、俺たち火星人の姿を自由自在に行ったり来たりできるハイブリッド仕様だ。火星人の姿になれば、この星の激ウマな飯も100%堪能できるし、大気スーツなしでどこへでも遊びに行けるぞ!」 

男は端末をパッとポケットにしまい、自分のことのように大喜びする俺の肩をガシッと力強く組んだ。

「ちなみに、ここは1日48時間もあるからな! 地球の2倍だ。たっぷり時間があるから、何だってできるし、どこまででも遊べるぜ。歓迎するよ、新入り火星人の佐藤晴人くん!」 ブラック企業の限界社畜から、1日48時間の超ハイテク火星ライフへ。 地球の2倍長い時間が流れるこの赤い星で、元・社畜会社員である俺の、最高にエキサイティングで自由な火星体験談が、今ここに爆速で幕を開けたのだった!(第2話へ続く)

第1話をお読みいただき、ありがとうございました!

居眠り運転から一転、1日48時間の火星で生きることになってしまった晴人。緑色の火星人に変身できるようになってしまい、彼の運命はどうなるのか……!?もし「続きが気になる!」「火星の設定が面白い!」と思ってくださったら、ページ下部の【ブックマーク登録】や、評価の【☆☆☆☆☆】を★★★★★にして応援していただけると、執筆の凄まじいモチベーションになります!次回、第2話は8月1日に更新予定です。お楽しみに!

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