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6-2

友紀斗が興奮状態になってしまったため、医師の判断でその日の面会はそこまでで中止になってしまった。沼田と菜奈は帰ることになり、病院内を出入り口まで黙って歩いていた。


 菜奈は沼田の隣で、人目もはばからず泣きながら歩いていた。沼田は黙って泣かせるままにしておいたが、行きに待ち合わせたスターバックスコーヒーが見えてきた辺りで、口を開いた。


「菜奈ちゃん、なんでも相談してきてよ。俺にできることならやるからさ。金は、大丈夫?」


菜奈はハンカチで目元を拭きながら、二、三度子供のようにうなずいた。


「ありがとう。お金は大丈夫。休職手当てが出てるし、友紀斗の実家からもいくらか融通してもらっているから」


沼田は菜奈の方を向いて、


「本当になんでも遠慮せずに相談してくれていいんだよ。できるできないはそれから決めればいいんだから」


「・・・ありがとう」


沼田は菜奈の華奢な肩に腕を回し、自分の方へ引き寄せた。


――話をここで終わりにしておけば、この哀しい物語も、友情と夫婦愛という裏テーマのようなものが組み込まれて、わずかながらも救いが顕れるだろう。しかし、作者は見聞きしたものを、ありのまま書かなければならない責務がある。それを書くと――並んで病院内を歩いていくこの二人の間に流れる空気感は、ああ、どう見ても親友の妻・夫の親友という互いの間柄を前々から越えていたと思われる、男女の仲のそれなのだった。


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