4話
「お兄ちゃんとは、うまくやりなさい。
じゃないと、もう一緒に過ごせる場所がなくなるわよ」
そんなことを言われたけれど、正直どうすればいいのか分からない。
「お兄ちゃん、おかえりなさい」
「………」
今日も無視か。
兄はそのまま部屋へ向かっていく。
その後ろから、替先さんたちまでついていった。
「あ、追崎さんも家に来てたんですね」
「ごめんね、これお菓子」
追崎「ありがとうございます」
⸻
兄の部屋に入ってくるくせに、上からはこんな声が聞こえてくる。
合崎「寛ぎすぎだろっ」
……気持ち悪っ!!
じゃあ、他人の家でどんな姿勢でいればいいのよ。
そうツッコミたくなる。
まあ、それ以上に、そんなことを言われて喜んでいる彼女たちも理解できないけれど。
「………」
あと、義姉も。
何故か義兄のことが好きみたいだけど、私にはまったく理解できない。
そもそも、この家にいるだけで義兄に媚びを売り続けなければならないような気がして、気持ち悪い。
「お兄ちゃんー! ジュース持ってきたよ」
ヒロ「こいつらにジュースなんて、気を使わなくていいのに」
替先「ヒロ、酷い!!」
何が気を使わなくていいのによ!常識でしょ。
まあ、そこにいるお嬢様にとっては、確かにジュースなんて汚物みたいなものかもしれないけど。
そもそも、気を使うかどうかとか言う前に、アンタはただいまくらい返事をしろって話よ。
替先「そうそう、今日の春ちゃん、様子がおかしかったよね」
新先「あの人もヒロさんを狙っていないといいのですが」
はぁ?
また一人増えるの?
こんな厨二野郎に?
追崎「あれはヒロが転んだからでしょ! 関係ないよ」
別に気になる話でもないし、部屋に戻ろう。
新先「分かりませんよ。どこかの誰かさんみたいに」
追崎「なんで私を見るのよ! 違うわよ!」
扉を出て、さっさと階段を下りよう。
そう思って階段を下り始めた、そのとき。
替先「あ、待って、妹ちゃん!」
ぎっ……まさか呼び止められるとは。
「なんですか?」
なんとか笑顔は作れた。
替先「妹ちゃんは、お兄さんのことどう思ってるの? ずっと聞きたくて」
……それを兄の前で聞きます?
「それを、兄の前で聞くんですか?」
替先「だって、血は繋がってないんでしょ? お兄ちゃんと、そ、そういう関係には、ほ、ほら、なりたいのかなって」
合崎「なるわけないだろ? 妹だぞ」
先に言われてしまった。
……イラつく。
兄面しないでほしい。
お姉ちゃんとは関係があったみたいだけど、私とはまだ三ヶ月しか一緒にいないくせに、もう兄面してくるのが本当にうざい。しかも優しい兄ならいいですけどこんなんですからね
「そ、そうですよね。私は妹ですから」
妹ですら嫌ですけど。
替先「そ、そうだよね。あ、安心したよ」
……ああ、うざい。
さっさと帰ってほしい。
というか、新先さん、めちゃくちゃこっちを見てくるな。
怖いんだけど。
学校でも嫌な噂を聞いたし……。
ほんの少し話しただけなのに、一気に疲れてしまった。
部屋に戻ると、どっと疲れが押し寄せてくる。
「今日は姉が生徒会でよかったなぁ」
思わず口に出してしまうほど、疲れていた。
そして、その日の夜。
風呂中に義兄が入ってきて
怒りでぶっ殺したくなったけれど、
合崎「入ってるなら先に言えよ!」
と、なぜか逆ギレされてしまった。
本当なら消し炭にしてやりたいところだったけれど、結局、
「エッチ!」
その一言で済ませておいた。
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