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9話 魔力のあれこれ

ついに書きためがなくなって自転車操業に

 しばらく進むと変な感じがし始める。高い魔力持ちと相対したときの感覚だ。威圧感というか、緊張感というか。

 子供の頃にルカと全力でケンカしたときはこんな感覚だったっけ。

 この発信元がさっき議論した人|(?)っぽい?

 でもなんで魔力ダダ漏れにしてるんだろ、普通は魔力ってある程度抑えられているのがデフォルトで、意識しないとこんな魔力出ないと思うんだけど。


「お、ユヌも気付いたか。案外早かったな」

「うん、これがそうなんだよね?なんで魔力開放してるんだろ、実は戦闘状態だったり?」

「ないない、周りに反応一つもないんだぜ」

「だよねー、それに魔法放ってるんならもっと、こう、変わるもんね」


 今感じる威圧感はじわーっと体の中に染み渡るような威圧感。

 私が体感した前例がルカしかいないから正しいかはわからないけど、少なくともルカは魔法を放つのに合わせて威圧感が少し変化した。こうじわーっとくる感じは、ケンカが膠着状態になってルカとにらみ合っているときに感じたものだから、この先にいる人|(?)は何かを威嚇しているってことなのかな。


「んー、なんなんだろね?」

「わからない。だいぶ近づいたってのに、いまだに人なのか魔物なのか判断もつかない」

「へー、人と魔物の魔力って何処で見分けてるの?」

「あれ、ユヌできないのか?うーん、言葉にできない。何度も魔物と近づいてその反応を覚えればいいよ」

「ルカみたいに村の討伐隊じゃなかったら、私の歳で魔物に近づく機会なんてないよ……」

「あぁ、それもそうか」


 そうこうしているうちにあと数百メートルまで近づいてきた。

 向こうはずっと動かない。

 一応警戒が必要だろうということでルカと一緒に荷台から降りる。ここからはゆっくり慎重に進む。

 外に出たらホセアさんも気付いていたらしく、御者席の上からルカに問い詰めている。


「おいおいおい、なんだこれは。化けもんじゃねぇか!こんなのと戦闘になったら瞬時に蒸発するぞ!」

「瞬時に蒸発って……大丈夫ですよ、向こうがその気ならたぶん探知で捕捉されたときに動き始めてますし」


 んー、そんな化け物じみてるのかな、この反応。

 昔のルカよりも控えめだと思う。


「目的が分からないから警戒はしてますけど、ここまで近づいて何にも変化なし。敵意という敵意も感じません。戦闘はないと思いますよ、肩の力を抜いて進んだらいいんじゃないですか?」


 といいつつ、ルカは魔法を起動し始めている。

 荷台から降りた時から、いつでも放てる魔法を何十個も用意している。

 この魔法が一斉射されたら逃げ場なく、それこそ対象が蒸発すると思う。


「ほらほら、ホセアさんは前向いててください。そろそろ見えて来るんじゃないですか?」

「お、おう。……あいつか?」


 高い御者席に座っているホセアさんにはもう見えたようだ。


「どんな状態なんです?」

「……倒れてるな」

「「はい?」」

「あそこの草むらの中、人が、若いねーちゃんだな。倒れてる」


 私とルカにも見えてきた。

 確かに道の脇に生える草の影に人が倒れている。向こうも気付いたのだろうか、のろのろと寝返りを打ち、こちらに目を向ける。

 そしてたった一言。


「た、食べ物、ください……」


 行き倒れらしい。


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