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変態は要らないからね?

 

「んでにゃぁ~…この時期この格好で過ごさないと相方に潰されるにゃ…」


「ねぇ、その相方って」


「旦那予定の男にゃ。人の姿に為っていると、朝まで抱き潰されるにゃ…このままじゃ腹上死一直線…いやぁぁぁ…商売がぁぁぁあ…」


 あ~…成程納得。

 すっかり涙目になったアガーテ。

 と言うか腹上死したくない理由が商売とな。

 根っからの商売人だな!そして自重しろ相方。


 何がなんだか分からないのか、コテンと小首を傾げるルクレツィア。どうやら理解したのか真っ赤になっているアルフォンソに、違う意味で真っ赤になりながら「予定って、予定…」と蹲るセンギョク。そのセンギョクを引き摺って部屋から投げてるシユウ。


 うん、ウチの配下は見事にカオス中だ。

 青いんだろうなぁ、うちの子達は……


 それ考えると下品な話し、温泉で黒猫姿のアガーテに揉まれた事は女子校で言う、『教室でチェック』や『更衣室でお胸チェック』と同じ事だと思う。特に先輩の大きな胸の後輩娘に対するチェックは中々執拗だったからな……………


 つくづく女子校はゲスの極みだと思う由縁だったわ。

 何処ぞのバンドの名前じゃないからね?

 男子校は男子校で親戚曰く、「一歩間違うと犯罪」や「一歩ずれると犯罪者確定」らしいけども。


 おっと、つい逃避してしまった。

 ちなみに胸の件ですが、その枠に私は前世も現世も入っておりません。

 くっ…己エルフめっ!

 どうせなら一般的に言われているダークなエルフ並に巨大になれよ!

 何処がとは言わないけどっ!


「いや、その。レーベルは綺麗なんだから…」


 慰めるなアデル。虚しくなるから!

 と言うか私も口に出して言うな!自暴自棄過ぎるから!


 そしてアデルの配下達よ、


『熊乳飲みます?』

『大きくなるらしいですよ』

『ファイト』

『熊だけに、くまった』


 何だか慰めが痛い……最後の突っ込むべき?

 と言うか牛乳でなくて熊なんだ、異世界。

 飼い慣らされてるのか?

 普通熊って凶暴じゃあなかったっけ?


「いや、魔王は生まれ落ちた時から進化しない限り、体型は変わらないからな」


 アデル、泣きそうな事実を有難うなってば……




 ん?

 進化!?


「「それだぁぁぁああ!」」


 つか誰!?

 今ダブって叫んだの!

 ってやっぱりセンギョクだったよ!

 さっきシユウに連れて行かれなかった?もう戻って来たの!


「進化すれば俺もモテモテに!もしくはイケメンに!」


 発想が其処か。

 そして同列じゃん?って自分でツッコミを入れて心が萎える。

 ふぅ…


「センギョク、進化、して、も、無駄」


 ルクレツィアの突っ込みが厳しい。

 そして怒涛のアデルの配下達。


『そもそも女性オークはこの周囲に居ないですよ』

『居ても既に配偶者が居ます』

『女性オークは特に数が少ないですし』

『ほぼ男性と連れ立って行動してますし』

『お一人だと攫われるからだって、昔聞いたことがあります』


 異世界、魔物の世界。

 中々世知辛いらしい………。







 * * *







 何だか諸々話を脱線しまくってしまったが、要は『猫姿でないとアガーテは相方という人にやり潰される。だから人姿で居られない』、と。


 ん?

 ナニコレ、18禁的危険度MAXな発言は。

 あれ?ここって比較的健全な方じゃなかったっけ?


「今相方?と言う方が居ないんなら大丈夫じゃないですか?」


 アルフォンソがコテンとルクレツィアの真似の様に小首を傾げている。その姿をルクレツィアは見て、更に小首を……何故真似をしているのだ君達。


「居るんにゃ」


「何処に?」


 ついつい、と黒猫アガーテが自身の下を指差す。


「影?」


「そうにゃ」


「いや、幾ら何でも影が相方は無いでしょ?そりゃ歩く時も走る時も付いてはく…きゃああああああっ!」


 うにぃーんと動いた!

 ナニがって影がっ!

 ていうか、異世界の影は相方って言うか旦那になるのか!?そりゃ出生率上がりそうだな!あっはっはーって何か違うよ!

 しかもその影から…うへええええええっ!?


「おっき、ぬい、ぐるみ、しゃん!」


「ルクレツィアそれ違うから!でっかい黒豹だから!」


 アガーテの影から出て来た黒豹は二メートルもの大物。その大物に喜び勇んで駆け寄ろうとしたルクレツィアを慌てて引き留めようとすると、ヴァルヘルムがルクレツィアの襟足をヒョイと咥えて宙に放り投げ、自身の背中に乗せた。


「あう、黒ぴょ~」


 ぴょ~って何だ、ぴょ~って。ルクレツィアが言うとクソ可愛いな!じゃなくて、ヴァルヘルムを見ると、何だか「私以外の背に乗ろうとするなんてっ!この浮気者!」って言ってる様に鼻息荒くしてるんだけど。

 ヴァルヘルムさん忘れてやしませんか?召喚したのは私なんですけど?主も私なんだけども?


「まま、ちょれ誤解。ヴァルヘルム、は、アルフォンソ、も、のせりゅよ」


 そういう問題じゃないんだけどな…。


 そう言えば私、召喚してからヴァルヘルムの背に乗って無いんだけど。

 そう思ってジトーとヴァルヘルムを見たら、気まずいのか顔をスィーって逸らされた!これはアレか!重いとか言うやつですか!?くっ…この世界の一般成人女性の体重は知らないけど、確かにルクレツィアよりはどう見ても重い!

 大人だからな!

 諸々完敗!


「まま、そゆ、問題、ちゃ。ぱぱ、が、嫉妬する、から、まま、ヴァルヘルム、乗せらんない、にょ」


 ………。

 アデル…


「いや、俺声に出して言ってないからな!?」


「でも、目が、ゆって、ゆー」


「ですね」


 アデルの言葉にルクレツィアとアルフォンソの二名が反論。


 いや、此方見なくて良いからねアデル。

 そして何となく分かるわその顔。

 と言うかアデル、君騎乗出来るワケじゃないから。乗馬だって出来ないでしょ?

 蜘蛛でしょ、どうみても。馬じゃないのよ?


「騎乗じゃないけど、レーベル位なら背に乗せて行く位容易いのに…」



 何だろう。

 取り敢えず何時まで立ってもグズグズなんでアデル一発殴って置いていい?一向に話が進まん。おまけに黒豹さん、少し離れた場所で「まだ?」って感じですっかり座って寛いで居るんだけど。おまけに何時の間に出したのか、お茶飲んでるしって黒豹、マグカップ両手に持って飲むな…


「取り敢えず却下で」


 がくーっと項垂れるアデルの周囲には何故か配下の蜘蛛達が布地を手に掲げ、


『ヤバイ、格好いい』

『レーベル様の配下やりたい…』

『女王様万歳!』

『きゃ~素敵女帝様!』

『踏まれてもいい』


 …。

 アデルじゃないけど脱力してしまいましたよ。

 アデルはアデルで、「俺の配下よりレーベルがいいのか…あ、でも俺もレーベルに踏まれるならいい…」


 変態は要らないからね?


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