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仕方無いと思います

 ごちそうさまでした!


 皆で手を合わせて合唱。

 教えたわけじゃないんだけど、何時の間にか配下の皆が私の仕草を真似てやるようになっていたっていう。毎度食事の後に手を合わせて言う私の姿にまずルクレツィアが真似をし、ついでアルフォンソと言った幼児組が染まって行き、やがてほぼ全員がするようになった。


 こうなるどヴァルヘルムもかな?と思って見ていたら、周囲をキョロキョロとした直後ペコリとお辞儀をした。


 ヴァルヘルム迫力あるけど、可愛いなぁ。とても威圧感あるし、背後の効果音が「ズモモモモモッ」って鳴ってる気がするけども。


 食べ残しの骨等は後でダンジョンに吸収させて少しでもポイントを稼ぎたいので回収。

 その後片付けてから皆は周囲の探索。

 この場に残ったのはルクレツィアにミンにヴァルヘルムそして私。


 本当はアルフォンソ達が護衛として残りたがって居たけど、せめてもう少し離れて居てくれと指示を出した。それに多分護衛は要らない。

 理由はさっきから木の上に数匹の蜘蛛が姿を見せないようにしつつ、時折周囲に近寄って来た強そうで私達では倒せ無さそうな魔物達を追い払ったり倒したりしてくれている。


 多分あれ、アデルの指示だよね…


 ふと思って木の上で此方を伺っている蜘蛛に片手を振ったら、同じ様に片手を振ってくれた。しかも見守っていた蜘蛛全員。


 これって確定でしょ。


 一匹お茶目なのか、白い布みたいな物を手に持ってぴらぴらと振っていたのが印象的だった。

 蜘蛛苦手だったんだけど、こんな姿を見ると可愛くみえるなあ…まぁ、側には寄れないけど。だってあの木の上の蜘蛛、恐らく三メートル以上あるよね面積……


「何ていうか、アデル様ってマスターの事を、重……大切にしてますね」


 ミン、それ棒読みだから。

 そして本音は「重い」だよね?その後「愛」ってつけようとしてなかった?口パク状態だったから、見ていればわかるんだよ?


「ぱぱ、ちゃぶん、今、自分のだんじょん、お掃除、かな?」


 居ないね?とキョトキョトしているルクレツィア。

 そうこうしている内にミンが川にある岩を動かし(流石オーク、500キロ以上岩もラクラク動かしてた……)、川の一角をぐるっと囲う。


「これで大抵の川の魔物は入ってこれないかと思いますが、油断は禁物です」


「うん、ミン有難う」


 いえいえとミンは言って周囲を見回って来ますねとその場を離れる。

 そう、此れから私はルクレツィアと共に水浴びをするのだーっ!

 ちなみにミンは断って来た。水が冷たいので嫌だそうだ。


 何となく察したのか木の上の蜘蛛達も背を向けてくれたり、姿を消してくれたりしているんだけど、一匹だけそっと様子を伺うように此方に寄って来て、岩場の上に二枚のタオルを置いて去っていってくれた。


「…至れり尽くせり」


「す、ごーい!」


 きゃーっ!と歓声をあげて喜ぶルクレツィアと共に蜘蛛達にお礼(既にその場に居ないから、木の上に向かって手を振った)を言い、有り難く使うことにした。


 アデルが作ってくれた布地とは違い、ちょっとモコモコなタオルは非常に肌触りが良い。


「もこー」


「そうだね、もこもこだねぇ」


 岩場の影で服を脱いで、全裸だと抵抗があった為に昨日アデルが置いていってくれた布地を身体に巻いて川に入る。勿論ルクレツィアもそうしようとしたけど、彼女は「やー」と言って全裸で川に入った。確かに大きめな布地を巻くと、ルクレツィアの場合身動きが取り難いものね。


「まま、ますた、みてー」


 きゃぁきゃぁ言いながら、水面にぷかーとお腹を上にして浮かぶルクレツィアに羞恥心は無いのか!?と思ったが、まだ小さくて其処までの感覚は無いのだろうと思った。


 アルフォンソ関係では羞恥心全快にするけど。

 ゆっくりと足から入っていくとひんやりとした水温に一瞬寒くなるけど、即座に身体がほんわりと暖かくなる。


「まま、ますた、さーびす」


 どうやらルクレツィアが魔法を使ったらしい。

 何の魔法なんだろう?と思っていたら、先程まで冷たかった水がそうでも無くなった事に気づく。


「ここ、の、岩場、場所。のみ、水温、あげちゃ」


 ルクレツィア万能。流石『姫』なのかも知れない。

 気分は『姫』ならなんでもアリ状態だ。


「魔力大丈夫?魔力切れ起こさない?」


「へ、きー」


 ぷかぷか水面に浮きながらルクレツィアは片足をあげたりしてバタ足をし始める。


「あんまり暴れると岩場にぶつかるよ」


「はぁーい」


 私は目の端にルクレツィアを見ながら水で身体を付けて簡単に洗う。石鹸があればいいのだけど、生態系に問題がありそうだからあえて使わない。折角美味しいお水や魚が居るのに、石鹸のせいで自然破壊されてしまっては嫌だからね。


 この異世界ではたった一つの石鹸でもどうなるのかは分からないのだから。


 そんなワケで実はポイントで石鹸は交換出来るのだけど、今回はやらない。

 あくまでも今回は自然のままでって訳で髪の毛も水で洗う。結構長いから大変なんだよね。そう言えば髪の毛や頭皮って水で綺麗に洗うと約60%位汚れが落ちるって何処かで聞いた気がする。これもやはり前世の世界の話だろうから、此方の世界では効果は分からないけどやらないよりは良いだろう。


「ルクレツィアも髪の毛洗う?」


 ぱっちりと何度か瞬きをし、ルクレツィアが私に向けて指を差す。

 うん???

 指している方向を見るとーー…


「ご、誤解だ!態とじゃないから!配下が此方にレーベルが居るって言うから!」


 咄嗟に足元にあった石、じゃない岩を魔力を込めてアデルにブン投げつけてしまったのは仕方ないと思う。




「ぱぱ、べしゃ…ちんだ?」


 ルクレツィアの感想も中々酷かったのも仕方ないと思います。

 地面に倒れ伏しているアデルの周囲に来たアデルの配下らしき蜘蛛達が、ヤレヤレと言う風に両手を上げて竦めているのも仕方無いと思います。



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