回想終了
ブックマークや評価、ありがとうございます!嬉しいです!!
キリの良いところで区切るので、今回はちょっと短いです。
お父様の執務室から出た後、お兄様にちょっと叱られた。
「ウチだから良いけど、他ではあんな風に慌てて退室しないんだよ?」
「ごめんなさい」
「次は気をつけようね。合言葉は『優雅に』だよ」
「うっ、分かりました。気をつけます」
慌てる時にも優雅になんて大変だけど、それが貴族だよね。めんどくさい。けど、必要な事だから、これも頑張らなくちゃ。
「それにしても、慌ててどうしたんだい?」
「ち、ちょっと早く部屋に戻りたくなったものですから。オホホホホホホ。『お花を摘みに』」
「ふぅ〜〜〜ん」
訝しんでる気がする。怪しんでるような気がする。けど、お兄様は何も追求しなかった。
その上、私の『お花を摘みに(行きたい)』ーつまり『お手洗いに行きたい』という言葉にのってくれた。
「それは大変だ。早く部屋に戻ろう」
「はい」
その後、お兄様が部屋まで送ってくれた。
「お兄様、ありがとうございました。こうしてやりたい事が出来る様になったのは、お兄様のおかげです」
お礼を言うと、お兄様は首を振った。
「私は何もしてないよ。頑張って説得したのはシフィルだよ」
「ううん。そんな事ない!!お兄様が隣にいてくれて心強かったです!それに、お父様とお母様にとっては、お兄様がわたくしの意見に賛成してくれているという事が重大になってくるのです」
「そうかな?」
「そうです、そうです」
コクコクと頷き、更に意見を重ねる。
「それに、お兄様はお母様を説得するのを手伝って下さいました。あの一言は大きかったですわ」
「そう?」
「そうです、そうです!なので、ありがとうございました」
「どう致しまして」
お兄様がニッコリと笑顔を見せてくれた。ああ、何て爽やかな笑顔!素敵!!
☆☆☆☆☆
こうして、お兄様にお礼を言って、部屋に入った。
その後は予定通りにノートにやりたい事を書き出した。書いてる途中で、朝食の用意が整ったとの事だったから、ダイニングルームに向かった。家族揃ってご飯を頂く。
あ〜、このふわふわしたパン、美味しーい。
朝食の席での話題は、お兄様の事。もうすぐ夏休みに入るから、しばらくしたら帰って来られるんだってー!いやっほぉーい!!
私とカティアは手を取り合って喜びあった。
でも、お兄様も夏休みの前に試験を受けなくちゃならないんだってー。私はそれを聞いて、こっちの世界にもテストがあるのかと慄いた。いーやーだー。いーやーすーぎーるー。
私、普通のテストも嫌なんだけど、実技のテストは更に嫌いなんだよねぇ。でも、魔術の科目があるなら、きっと実技のテストはあるはず。あぁ、胃が痛くなりそう。
☆☆☆☆☆
朝食の後、ちょっとしてからお兄様が馬車で出発した。皆で一緒にお見送り。
「では、お兄様、お気をつけて。行ってらっしゃいませ」
「行ってらっしゃいませ」
「ああ、行ってくるよ」
お兄様がお父様とお母様と挨拶を交わした後、私とカティアも挨拶を交わした。
家族と使用人の皆に見守られる中、お兄様は颯爽と馬車に乗り込んだ。
私は、お兄様に会えて嬉しい気持ちと、煩わせて申し訳ない気持ちと、しばらく会えない淋しい気持ちで、走り去って行く馬車を見送った。




