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二話 特訓

能力出ますよー。

次の日、俺は昨日割り振られた倉庫で目覚めた。

結局ホコリまみれで何もなく、そこら辺の草をベッド代わりにした。

「いてて、夢じゃなかったのか…。」

ほぼ床で寝た痛みで俺は、昨日までのことが夢じゃなかったのを悟った。

「はぁ、やっぱり布団がほしいな…。」

とぼやきながらドアを開け外に出ると、

「おっはよー!」

と、セーナさんに言われた。

「あ、セーナさん。おはようございます。」

「お、ウィロくん。おはよー。」

「おはよう、ウィロくん。昨日はよく寝れた?」

と、サナさん、セレサさんが部屋から出てきて言った。

「二人ともおはようございます。」

「今日は湖月さんが起きたら地下室に来いよって言ってたよね。」

あ、そうだった。

「今、忘れてた顔したね?」

「イ、イヤーソンナコトナイデスヨ。アハハハハ。」

やばい、完全に忘れてた。

「え、えっと、地下室ってどこにあるんですか?」

「あー、そこなんだけど…。」

といってセレサさんが指差したのは、俺の部屋になった倉庫だった。

「…え?」

「出入口はウィロくんの部屋にしかないんだ。」

といいながら入ってすぐの壁際の床にあった扉を開いて全員中に入っていった。

「こういうのは先にいってほしいよね…。」

とぼやきながら、俺も中のハシゴを下っていった。

ハシゴを下りきるとコンクリートで囲まれた広い空間に出た。

「すご!、俺の部屋の下にこんな場所あったんだ!」

と驚いてると、

「あれ、なんか広くなってない?」

「あ、やっぱり気のせいじゃない?」

「わー、すごい!」

という声が聞こえてきた。

どうやら前からこの広さじゃなかったらしい。

「おー、遅かったなお前ら。」

突然湖月さんの声が聞こえてきた。

「湖月さん!なんかここ前より広くなってない?」

「あぁ、それな。アオイの能力でちゃちゃっと広くしたんだよ。」

「あー、アオイのね…。」

湖月さんのその発言に皆は納得したようだった。しかし…、

「昨日から言ってましたけど、能力って何ですか?」

俺はそんなんじゃ納得できない。

「あー、そういえば何なのかは教えたけど能力そのものは見せてなかったね…。」

ん…?見せる?

「いやウィロ、お前は昨日見ていたはずだ。」

「昨日見た…?どういうことですか?」

「アオイ。」

「はいはい…。」

湖月さんの指示にアオイさんが嫌々な感じで従った。すると…、

『タイムフィクサー』

周りの全てが止まった。

「これって…、そうかあの時の!」

「普通はアオイの能力下で動ける奴は珍しいんだがな…。」

「もういい?湖月さん。」

「あ、もういいぞ。」

そう湖月さんが言ってすぐに、

『再動』

動き出した。

「今のが私の能力、『時を止める能力』。」

「能力…、カッコいい~!」

俺は純粋にそう思った。

「もしかして、制限なしで時間止めれたり?」

「いや、時間を止めるのにも体力使うんだ。だから現実的な運用時間は1日20秒かな。」

「…やっぱりチートなんてないのか。」

俺は軽くガッカリしてしまった。

まぁ、勝手に期待して勝手にガッカリするのもどうかと思うが。

「あーあ、俺も能力っていうの使ってみたいなー!」

と、俺が叶わない願いをさけんだ。すると、

「いや、使わせるために呼んだんだよ。」

湖月さんから天使のような言葉が聞こえた。

「え?」

「そもそも能力はおとぎ話の宙人族の少年だけじゃなくて、この国の霊獣の協力も得て作られたらしい。」

「ほうほう。」

「能力を使うには霊獣の洗礼を受けないとダメなんだよ。」

「ふむふむ。」

と、俺が湖月さんの話を聞いてると、

「この洗礼なんだが、受けた人間の2割が死ぬ。」

「…はい?」

物騒な単語が聞こえてきた。

え?まって?死ぬって言った?

「能力を得るにふさわしい力を霊獣に示さなきゃいけないからな、力がなきゃ霊獣にそのまま殺される。」

「え?そんな危険なんですか!?」

聞いてないんだけど!?

「だから俺らが特訓してやんだよ!」

「…特訓?」

「え?私たちも手伝うの?」

「めんどくさーい!」

「私はステージ作ってあげたからいいよね?」

「面白そーう!やるー!」

と、セーナさん以外は嫌そうな反応だったが、

「一番活躍した奴には酒一本奢ってやるよ。」

と、湖月さんの一言で

『よっしゃやるぞー!!!!!!!!』

全員張り切り始めた。

「え、酒?」

「おう、こいつら酒好きだからな。酒弱ぇけど。」

「アルコールに弱いのに酒好きなんだ…。」

「よしじゃあ始めるぞー。」


「よーし、二人とも配置についたな?それじゃ、はじめー。」

俺がまずさせられたのは、セーナさんとの組み手だった。

湖月さん曰く、

「セーナは能力も武器も何も使わなきゃ実力はお前と同じくらいだけど、武器使えばお前の30倍は強くなるぞ」

と言われたんだが…、

「よ、よろしくおねがいします…。」

「うん、よろしくねー!ところでウィロくんって何か運動とかしてたの?」

「あ、えっと…。」

どうしよう。ここが異世界ってのは気づいたんだけど、むこうのスポーツ言っても伝わるかな?

「バ、バスケットボールを…。」

「ばすけっとぼーる?なにそれ。」

やっぱり伝わんなかったか!

どう説明しようかな~?

「うーん…。」

「まぁとにかく何かしらはしてたってことね。オッケー!」

それでいいんだ!?

そして俺はすごく気になっていた事をセーナさんに聞いた。

それは、

「あの、セーナさん?その手に持ってるのは?」

セーナさんが持っている謎の二つの棒のようなものだ。

セーナさんの答えは、

「んー、トンファー。」

だった。

「なんでトンファーなんか持ってるんですか?」

俺はそこが分からなかった。

だが、答えは聞いても分からないままだった。

「ウィロを殺さないようにするためだよー。」

殺…?と、俺が疑問に思う暇もなくセーナさんから、

「じゃあ始めるねー。」

と、言われた。

「あ、はい…」

その先の言葉は発することが出来なかった。なぜなら、

ビュンッ!

と音がしたと思った直後、顎にした方向からの強い痛みを感じたからだ。

「ガッ!?」

俺はそのままのけぞりボディをさらしてしまった。

「しまっ」

そこでまた強い衝撃が鳩尾に襲いかかってきた。

だが、

「!」

「あ、あぶねぇ…。」

攻撃が来る場所さえ分かれば防御は簡単だった。

「へぇー!やるねー!まさか二発目で対処されるとはおもわなかったよー!」

「そ、そりゃどうも…。」

と、俺が軽口で返した途端にセーナさんから嫌な事を聞いてしまった。

「じゃあ、私の能力解放するねー。」

「…はい?」

俺が反応するよりも速くセーナさんはトンファーを投げ捨てた。

『セーナ、能力使うのはいいけど殺すなよー。』

天井近くのスピーカーから湖月さんのそんな声が聞こえてきた。

「はーい!」

セーナさんは元気に返事をして俺に向き直った。

「一応説明しておくね。私の能力は『エネルギーを爪型にする能力』って言って、意外と鉄でできたドアなんかも切り裂けるんだよー。」

と、セーナさんは何を思ったのか自分の能力を説明し始めた。

「…そんなの俺に言ってもいいんですか?」

俺が警戒しながらそう聞くと、

「だいじょーぶ、だってそこまでのレベルじゃないと思って。」

と、返された。

完全に俺の事舐めてるな…。

「じゃ、行くね。」

セーナさんがそう宣言した瞬間、俺は背中に寒気を感じてその場から飛び退いた。

そして俺が元いた場所には、青々と輝く爪型の光を手から出しているセーナさんがいた。

よくみればその光は床に深々と刺さっていた。

「ちょっ、俺武器持ってないんですけど!?」

そう、俺は丸腰のまま戦っていたのだが、さすがにこのままだと死ぬ。

だがセーナさんから返ってきた言葉は、

「え、もってないほうが悪いでしょ。」

というものだった。

だから!もらってないんだって!

などと考えてると、

「じゃあ再開するねー。」

という声が聞こえてきた。

「ちょっ、まっ、」

言うが早いかセーナさんは俺が言葉を発する前に飛びこんできた。

『気爪斬』

セーナさんが、手から出ている光を思い切り振り上げる。

それを俺はギリギリでかわす。

と、思ったが。

「っ…!」

さすがに避けきれず、頬から血が垂れだしてきた。

「まだまだ行くよー。」

『気爪斬』

続けざまにセーナさんが光を振りかざす。

俺は避けはするものの全てかすってしまう。

もうすでに服などもボロボロになってしまっていた。

クソッ!どうする?あの連撃の中を掻い潜るのは簡単じゃない!かといって俺にできることはそのくらいしか無い!

そんなことを考えてるとさっきセーナさんの攻撃が当たった場所に石が落ちてるのに気がついた。

おそらく床を破壊したときに出たのだろう。

「…これだー!」

俺はそう言うと丁度いい大きさの石を手に取り、セーナさんに向かって投げつけた。

「なにこれ?」

セーナさんはそう言って石を弾き飛ばした。

ここだ!

俺はそう思いセーナさんの懐に潜り込んだ。

「!?」

「おらぁぁぁ!!」

俺の勢いを着けた拳がセーナさんの頬を掠めた。

「まずい!?」

そう思いセーナさんの顔を見ると、セーナさんは、

「アハッ」

笑っていた。

俺はその事に鳥肌を立ててしまった。

次の瞬間。

セーナさんの足がさっきよりも強い勢いで俺の鳩尾に突き刺さった。

飛爪(ボラーレ・ネイル)

俺が壁に叩きつけられてる間にセーナさんが手の光がすごいスピードでいくつも飛んできた。

あ、終わった。

そう思い俺は目を閉じた。

すると、

「セーナ、やりすぎだ。」

俺の目の前には視界を覆う程の光ではなく湖月さんが立っていた。

「あ、…ごめんね、ウィロ。」

「あ、ありがとうございます。湖月さん。」

俺は助けてくれた湖月さんにそう言った。

すると、

「おう。で、これで能力のことが多少は分かったと思うが、こんなちっこい奴でも能力を手に入れるだけでこんだけ強くなる。」

湖月さんにそう言われた。

「ちょっと?ちっこいのって私のこと?」

セーナさんの声が聞こえてきた気もするが気のせいだろう。

「洗礼まではあと2週間、この2

週間は全部セーナと戦ってもらう。」

と、湖月さんから言われた。

正直俺の身が先に滅する気がする…。

「…ウィロ。」

自分の身の心配をしていると湖月さんに声をかけられた。

「はい?」

「頑張れよ。」

…初めて湖月さんに激励貰った気がする。

これは…、頑張るしかないか…。

「はい!」

判明能力

『時を止める能力』-時間を止める。1日に止められる時間は使用者の体力によって決まる。

使用者 アオイ


『エネルギーを爪型にする能力』-自分のエネルギーを爪の型にする。使用エネルギー量によって大きさは変動する。

使用者 セーナ

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