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最弱の荷物持ちは謎のスキル【証券口座】で成り上がる〜配当だけで伝説級の武器もスキルも手に入る〜  作者: k-ing


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136/140

136.兄弟喧嘩

「俺はまだやれる。こいつには負け――」


「負けも勝ちもない。俺はいつもお前に負けてたぞ」


 俺はアドルに近づくとそっと傷口に触れた。


「アドルから手を離せ!」


「そうよ! ウォーレンのくせ――」


「お兄ちゃんになんてことを!」


「ヒイイィィィィ!」


 マリベルとシャルロはニアに杖を向けられると怯えていた。本当にこの子は何をやったのだろうか。


 勇者パーティーの二人を怯えさせる子どもなんてこの世の中を探してもニアしかいないだろう。


「昔からお前に負けていた。俺は誰からも愛されていないし、いつも一人で――」


「おい、お前がそれを言うのか? 隣を見てみろよ」


 アドルは顔を横に向けるとそこにはアドルを見て泣きそうになっている彼女達がいた。


 こんなに好かれているのに愛されていないって何を根拠に言っているのだろうか。


「自分を大事に思ってくれる人を悲しませるなよ。お前はそんな男じゃないだろ」


 俺はアドルの傷口に回復魔法をかけた。応急処置程度だがシャルロがいればどうにかなるだろう。


「くっ、お前には言われたくないな」


「ははは、それでこそ俺の兄貴だな」


「ああ、なんでお前に執着してたんだろうな」


「やっぱ執着してんだな。俺のことめちゃくちゃ好き――」


「好きじゃないです!」


 アドルを止めていた女性陣がすぐに答えてきた。


「ははは、そうらしいわ」


「俺も男に好かれる趣味はないからな」


「じゃあ疲れたから俺は帰るわ」


 俺は傷口から手を離すとロンとニアの元へ向かった。


「ウォーレン!」


「ん?」


「今まですまなかった!」


「ははは、謝るのが遅いぞ! 長い兄弟喧嘩だったな」


「こういう時は弟から謝るべきだぞ」


「昔からアドルは謝らないからな」


 どこかアドルの顔は毎日一緒に遊んでいた時と同じ顔をしていた。そしてその手にはいつのまにか折れた剣が握られていた。





「にいちゃめちゃくちゃかっこつけてたね?」


「おい、それを言うなよ」


「お兄ちゃんは普段からかっこいいよ?」


「ニア大丈夫?」


「はあぁ!?」


 俺達は馬車に乗ってモーリンがいるルーン街に向かっている。


 どこかニアの様子はおかしいがそこは触れない方がいいのだろう。今もロンに言われて顔を赤く染めている。


「それにしても俺達ボロボロだな」


「新しい服を買わないといけないね」


 さすがに勇者パーティー同士の戦いでは無傷では済まなかった。傷は治療したから特にないが衣服はところどころ破れている。


 そもそも匠シリーズ以外である衣服は破れやすい。


「ばあばに気づかれないうちに――」


「お前らその服はどうしたんだ?」


 馬車の窓にはモーリンがこちらを覗いていた。


「うおぉぉぉぉ!?」

「いやああああ!?」


 急に窓にいたら誰でも驚くだろう。だが、驚くことはそれだけではなかった。


 なんとモーリンは浮かんでいたのだ。空中に浮かぶなんて人々の夢をモーリンは簡単にやっていた。


「なんでばあばは浮かんでるの?」


「ああ、あれのおかげだよ」


 俺は馬車から身を乗り出すとなぜか馬車の周りだけ日陰になっていた。


 視線を上に向けるとそこには伝説の生き物が飛んでいた。

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