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最弱の荷物持ちは謎のスキル【証券口座】で成り上がる〜配当だけで伝説級の武器もスキルも手に入る〜  作者: k-ing


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131/140

131.オラにはまだ早いです ※ロン視点

 オラは自分の弱さにうんざりしていた。兄なのにいつも妹のニアを守ることが出来ず、必死に逃げた先で家族となったにいちゃに出会った。


 にいちゃはオラが求めていた理想の人だった。自分のことを後先考えずに人を助ける人だ。


 どこか抜けているところばかりだからいつも心配になるがそこもにいちゃのいいところだ。


 王都が襲撃された時は本当に死んだとあの時は思った。だからオラはそんなにいちゃを守れる男になりたいと常日頃思っている。


 少しでも助けてくれたにいちゃに恩返しがしたかった。


 そして、今その時が来たのだ。


「お姉さんもにいちゃのパーティーの人だったんだよね?」


「にいちゃ? あー、あの使えないウォーレンのことかしら?」


 今目の前にいるのはにいちゃに悪いことをした人達だ。


 この人達のせいでにいちゃは時折寝ている時にうなされている。前は心配でニアと付き添って一緒に寝ていた。


 ルースさんが言うには何か嫌なことを思い出すとにいちゃは辛い気持ちになるらしい。


「なんでにいちゃにそんなことにしたの?」


「なんでって邪魔だからに決まっているじゃない」


「邪魔?」


「ええ、そうよ。 アドルはいつもウォーレン、ウォーレンってウォーレンに執着していたわ」


「でもそれってにいちゃは関係な――」


「関係なくはないわ! 私やあそこにいる二人はアドルを愛しているわ。それなのにウォーレンがいると私達に目が向かないのよ」


 どうやらこの人達はにいちゃの友達に恋をしているらしい。まだ恋とかはわからないけど、オラがにいちゃのことを好きなのと似た感じなんだろう。


 オラもにいちゃがニアに取られると悲しい気持ちになってたからな。


「だからウォーレンをパーティーから外すことにしたのよ。そもそもあの提案は私達からなのよ」


 この人達は自分の気持ちを優先するのににいちゃを排除することにしたらしい。


 みんなで仲良くすることはできなかったのだろうか。


 まぁ、今となってはにいちゃと出会うきっかけになったし、生きる目標をもらったからどっちでもいいけどな。


「お姉さん達も大変なんだね。でも本当に好きならにいちゃをいじめるより直接アプローチってやつをしないといけなかったんじゃない?」


「子どもに何がわかるって言うのよ。私達はいつも必死だったわ! 私達ができることは体を使うしかないのよ」


 お姉さんはオラを剣で切りつけた。同じ勇者パーティーの一員だがこの人はオラよりも弱かった。


 体を使うって言っていたが剣の稽古を本当にしていたのだろうか。


「オラにはわからないけどちゃんとあのお兄さんの気持ちを聞いたの? にいちゃはちゃんとオラ達のことも聞いてくれるよ?」


「それができたら苦労しないわよ」


 オラは剣の動きが遅くなった瞬間に槍でそのまま剣を弾いた。


 そのまま剣は宙を舞い地面に突き刺さった。


「だって私剣がないと上手く話せないもん」


「……?」


 オラは何を言っているのかわからなかった。さっきまでお姉さんは普通にあのお兄さんと話していたと思うけど……。


「緊張して無理なのよ。私だってアドルと話したいのにどうしたらいいのかわからないのよ」


 どこか不器用な感じがにいちゃと被った。にいちゃも人のことばかりで中々気持ちを伝えるのが苦手だからな……。


 オラは槍を背中に固定させるとお姉さんに近づいた。


「そのまま伝えたらダメなの? あのお兄さんきっとお姉さんのこと大事に思ってると思うよ?」


「えっ?」


「だってにいちゃと戦いながらこっちをチラチラと気にしているし、好きじゃなかったら毎日一緒にいないでしょ?」


「そうかな……。でも私緊張して話せなく――」


「お姉さんはそれだけ好きなんだね」


「はあぁん」


 お姉さんは顔を真っ赤にしていた。


「だってオラとは普通に話せているからきっと大丈夫だよ」


「ちゃんとお姉さんの気持ちを伝えないといけないよ。お姉さんが好きになった人ならきっと大丈夫だよ」


「そっ……そうね。どうにかしてみるわ」


「じゃあ、にいちゃ達が終わるまでオラの稽古に付き合ってよ」


「えっ?」


「だってお姉さん剣の稽古サボってるでしょ? そんなんじゃお兄さんを守れないよ?」


「守る? アドルは私より強いわよ」


「でも好きな人が魔物に殺されそうになったらどうするの?」


 この人達の中では好きな人を守りたいという気持ちはないのだろうか。オラは自分の命かけてでもにいちゃを守りたいと思っている。


「それに助けてくれる女の人ってヒーローみたいでカッコいいじゃん」


「かっこいいか……。よし、少しの間だけやりましょうか」


 オラはにいちゃ達の決着が着くまでお姉さんと稽古することにした。

お読み頂き、ありがとうございます。

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