表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第二章 『王の死んだ世界編』
323/460

第二部 第98話 王の名


静寂。



「そういや」



翔が煙を吐く。



少し間。



「名前」



若い男が。



止まる。



風が。



少し吹いた。



士郎が、少し眉を上げる。



「そういや聞いてなかったな」



静かな声。



若い男は、少し困った顔をする。



そして。



小さく笑った。



疲れていた。



でも。



少しだけ。



前より顔が違った。



「……ユース」



静かな声。



少し間。



「平民だから」



苦笑。



「姓はない」



静寂。



士郎が、少し笑う。



「へぇ」



短い声。



「ユースか」



翔が、煙を吐く。



「悪くない」



静かな声。



「短い」



笑う者が、少し止まる。



『評価そこ!?』



『名前まで効率重視!?』



ユースが、少し吹き出した。



でも。



少し間。



真面目な顔になる。



士郎を見る。



「……あんた」



静かな声。



「名前」



少し間。



「聞いてなかった」



士郎が、鼻で笑う。



「俺か?」



少し間。



「西園寺士郎」



風が。



少し止まった。



ユースが、繰り返す。



「……西園寺」



聞き慣れない音だった。



考える。



少し間。



そして。



小さく笑った。



「なら」



少し間。



迷いながら。



でも。



どこか真っ直ぐに。



「ユース・ウエストガーデン」



静寂。



笑う者が、数秒止まる。



『翻訳した!?』



『そこ直訳なの!?』



ユースが、少し視線を逸らす。



少し恥ずかしそうだった。



「……駄目か?」



士郎が、止まる。



そして。



少し吹き出した。



「別に」



静かな声。



少し間。



「好きにしろ」



冷たい目。



でも。



少しだけ。



悪くなさそうだった。



「ダセぇ王になるなよ」



風が。



少しだけ。



吹いた。



ユースが。



初めて。



少し笑った。



「……ああ」



静かな声。



少し間。



聖剣を見る。



民を見る。



そして。



前を見る。



「俺は」



小さく。



でも。



逃げない声。



「ユース・ウエストガーデンだ」



静寂。



誰かが。



初めて。



小さく呟いた。



「……王様」



風が。



少しだけ。



揺れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ