新たなる始まりの血
鼻が痛い...
木々の間を流れる空気は重く、まるで森が彼女を逃がしたくないと言わんばかりに濃密だった。
エリザベスはかすんだ視界のまま歩き、まるで即席の戦杖のようにマチェーテを杖代わりにして身体を支えていた。一歩一歩が勝利、息を吸うたびに肺が焼けるようだった。ゴブリンたちとの戦いの余韻がまだ耳の奥に残っていた——甲高い叫び声、突進、骨の砕ける音。彼女の身体は無数の切り傷と打撲で覆われ、石槍が脇腹、太もも、左肩を貫いていた。
マチェーテは刃こぼれし、乾いた血と木片で汚れていた。「ロテリアのカード」、この不思議な魔法と「ミックス」の能力が彼女を救ってくれた……だが、その代償は小さくなかった。彼女は英雄でも戦士でも神秘的な存在でもない。ただ、生きたいと願うだけの一人の少女だった。
ようやく最後の木々の向こうに開けた土地を見たとき、一瞬だけ「やっと乗り越えた」と思った。
だが、彼女の身体はそれを許さなかった。
膝が崩れ、倒れるのを止める力もなく、そのままヴェルヴァリヤへ続く道の脇に崩れ落ちた。それが彼女の最後の視界だった。
三人の冒険者が彼女を発見した。
彼らは小さな任務を終えて拠点へ戻る途中だった。狐の尾と尖った耳を持つ背の高い少女、修繕された鎧を身につけた頑健な男、そして猫のような容姿のデミヒューマン。道端に倒れている彼女を見つけた瞬間、少女はすぐに荷車から飛び降りた。
「この子、新人だよ! 最近ギルドに入ったばかりの!」
「生きてるのか?」と戦士が訊いた。
「息してる……けど、かろうじてって感じ」
無駄に時間を取ることなく、彼女を慎重に荷車に乗せると、ヴェルヴァリヤ東門へと急いだ。境界警備の衛兵たちは一瞥すると肩をすくめて、こう言っただけだった。
「教会に運べ。今は〈炎の貴婦人〉の手に委ねよう」
日本人は私の聖書を数段落で短縮している...。悲しいよ...。xD




