表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/12

八話 自称 桃太郎 家臣(犬)を獲得する

やりたい放題の自称 桃太郎さんです。

自称 桃太郎は、道無き道を難無く進む。


巨大な(けもの)は、大森林(ジャングル)との境界付近に、ほとんどいなくなった様で、遭遇する数は、極めて少ない。


柴を連れているので、自称 桃太郎は、馬の様な生き物には乗らないで移動している。

それでも、柴は……


「ひぃぃぃ〜〜〜っっ!」

「うわっ!きゃっ!」

「ぜぇ ぜぇ ぜぇ ぜぇ……」

「痛っ!ゲホゲホ……」


一人でずっと騒いでいる。


「これでは全く進まんではないか、もう少し急げ」

と、自称 桃太郎は柴を急かす。


「いやいやいやいやいやいや…… 無理でしょう!って言うか、何故 あなたは息も切らさずに歩いて行けるの?」

と、切れる柴。署内での毅然とした雰囲気は、全く消えてしまっている。


「仕方の無い奴じゃ、ほれ 乗れ」

と、馬の様な生き物に柴を乗せる自称 桃太郎。


「た……助かったぁ……」

かなりきつかったのか、馬の様な生き物に乗せて貰い、安堵する柴。


柴としては、自称 桃太郎の身元を確認する為に、この少年(年齢不詳の自称 桃太郎)が現れた大森林(ジャングル)に来たのだが、内村の忠告に従えば良かったと、早々に後悔した。


「あなたの家は、まだなのかな?」

と、自称 桃太郎に確認する。


「そうじゃのう…… 明日の今頃には着くだろう」

そう答える自称 桃太郎。


「えっ?えーーーっ!?」

悲痛な叫びをあげる柴。



そこからは、涙を流している柴を、馬の様な生き物に乗せたまま、大森林(ジャングル)安安(やすやす)と進む自称 桃太郎。

たまに現れ襲い来る巨大な(けもの)(ほふ)るのは、旅の醍醐味の一つの要素となっていた。



「ん?何か聴こえるのう……」

と、今も巨大な(けもの)(ほふ)った自称 桃太郎が耳を澄ます。


「何も聴こえませんよ?」

柴には何も聴こえない。


「いや、何か人の声の様なものが聴こえておるぞ……」

更に聞き耳を澄ます自称 桃太郎。


「こっちか?」

崖になっている小山が見えている方向に、柴の乗った馬の様な生き物を連れて進む自称 桃太郎。


草木も生い茂り、獣道(けものみち)の様なものさえ無く、少し離れている。

そこを草木を掻き分けて進む自称 桃太郎。






「あれは!」

崖下に近くなり、崖にへばりつく様に生えている木を見て驚く柴。


「やはり人か……」

と、呟く自称 桃太郎。


「たっ……助かった…… 助けてくれぇ〜!頼むよ助けてくれぇ〜!」

ずっと叫び続けていたのか、やっと振り絞る様に叫ぶ男が、崖にへばりつく様に生えている木に、しがみ付いている。

崖下からその木まで、約5メートル程度だ。


「落ちて来い。受け止めてやろう」

そう男に告げる自称 桃太郎。


「はぁ?落ちろだと!?出来る訳がねぇーだろ!」

助けが来て嬉しいが、言われた事に腹も立つのだろう、笑いながら男は怒っている。


「他に方法は無かろうよ。良いから落ちて来い」

自称 桃太郎は、男の申し出を意に介さずに応える。


「無理だって言ってんだろう!」

と、身を乗り出し、笑いながら怒っている男。


「あ…… あぁっ…… あーーーーーーーっ!」

と、手を滑らせて、叫びながら男はしがみ付いていた木から落ちてしまう。


「よっ!」

と、簡単に落ちて来た男を受け止める自称 桃太郎。


「あっ…… ありがとう……」

落ちた男は、自称 桃太郎の男前な態度に、【キュン】と胸をときめかせた様な表情で、お礼を言う。


「大丈夫ですか!?私は警察官の【(しば) 健奈(けんな)】と言います。あなたの名前などを教えて頂けますか?」

と、柴は警察官の身分証を見せながら、男にたずねる。


「私は……ウッ……じゃ…ウウッ……ジャーナリストの……ヒッ……竹仲(たけなか) 直人(なおひと)と……ウッ……言いますヒッ……。しゅ…しゅざっ……ウウッ……ぃ…でぇ……ヒクッ……きっ……てぇ……そっそうぅなっ……ウウッ……しぃ……まぁしだぁ〜!!ウウッ」

と、安心したのか、泣き出し、最終的には号泣しながら説明した。


「助かって良かったですね……」

と、柴。


「そうだな。気を付けて帰るのだぞ……」

と、竹仲を置いて去ろうとする自称 桃太郎。


「「えっ!?」」

柴と竹仲は同時に驚きの声を出す。


「ダメですよ!桃太郎さん!?」

と、自称 桃太郎を【桃太郎】と呼ぶ事を避けていた柴が、思わず桃太郎と呼びながら止めた。


「おっ!おぃ……置いてぇ……ウッ……行かなぁ…ぃでぇっ!ウウッ……ぐだぁ〜ざぁ〜ぃ……ウッ」

泣きながら自称 桃太郎の足にすがる竹仲。


「しかしのぅ……方向が逆じゃぞ……」

困り顔の自称 桃太郎。


「そうですが……」

竹仲を見ながら困惑する柴。


「だずっ…だずげでぇ…くぅだ……」

泣きながら更に助けを求める竹仲。


「困ったのぅ……」

悩む自称 桃太郎。


「お願いします。助けてあげて下さい。一度 彼を連れて来た道を戻りましょう」

と、柴が自称 桃太郎に頼む。


「うーん…… じゃあ、こうしよう。そなたが()が家臣となるのなら、その申し出を受けてやろう」

そう柴に告げる自称 桃太郎。


「えっ!?かっ家臣ですか!?」

戸惑う柴。


「そうじゃ 家臣じゃ。家臣の頼みなら仕方無いからのぅ」

と、自称 桃太郎。


「うーん……」

悩む柴。


「別に嫌なら良いのじゃぞ」

と、自称 桃太郎。


「(家臣になっても、何が変わる理由(わけ)でも無いから良いか……)良いわよ。家臣になってあげる」

と、気軽に応じてしまう柴。


「そうか、では主と家臣の証を授けよう」

そう自称 桃太郎が言うと、上に向けた右手の掌に力を込める。


すると、フワッと直径約5センチ程度の光の玉が現れる。


「えっ?」

驚く柴。


「ほれ、食え」

と、その光の玉を、驚いて口を開いている柴の口に投げ込む自称 桃太郎。


「えっ?えっ??」

そのまま光の玉を飲み込んでしまう柴。


光の玉が飲み込まれると同時に、柴の全身に光の鎖が浮かび上がり、その光の鎖が消えると同時に、柴の首には、首輪の様な入れ墨の様な黒い(あざ)が現れる。


「これで、そなたは()が家臣じゃ…… のう?犬よ」


そう柴を見て言い笑う自称 桃太郎だった。

笑いながら怒るおじさんの竹仲直人さん登場。

あ、でも、そんなに長く出ません。

そして、柴 健奈さんの運命や如何に!?


で、こっちもイメージイラストを準備した方が良いのかなぁ……

もしも、要望が有ったら準備しようかな。無いだろうけど……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ