84.ボス周回
地下5階層。
ボス部屋の前にやってきた。
ここまでの道のりは中々ハードだった。
見たことのないモンスターが沢山現れたが、オクトン達は簡単に倒していった。
バイデントライノという二股の角を持つサイのモンスター。
統率が取れているサルのモンスターのアーミーエイプ。
岩のような肌のストーンホース。
ブラストレオパルドという風魔法みたいなので攻撃をしてくるヒョウのモンスター。
ユキ達やバウンドピッグ達はさすがに見学するようにリーヌに言われて大人しくしていたが、エレ・ジラ・マオ・オクトン・カーレ・ブッちゃんが現れるモンスターを蹂躙していた。
「これで回復出来たよ」
リーヌはみんなを燃やして回復をしていた。
最初は燃やされて驚いたけど、熱くないしむしろ心地良い炎だ。
「テツジ、コマチ。準備は良い?」
「準備万端だよ!」
「え?もうボス部屋入るの?バジリスクみたいなモンスターだったらどうするの?」
小町はノリノリだが僕は少し不安だった。
「大丈夫だよ。こんなダンジョンで苦戦はしないよ」
「はぁー。わかったよ。展開!」
僕は聖盾を出した。
石の扉を開けると、さっきオクトンが倒していたブラストレオパルドの大きいバージョンがいた。
「うーん」
大きなブラストレオパルドを見て、リーヌは不満そうにしていた。
「エレとジラとマオだけで大丈夫だね」
リーヌがそう言うと、エレ達は大きなブラストレオパルドに向かって行った。
「大丈夫なの?」
「あれはそんなに強くないよー。時間をかければ1人でも倒せるよ」
「そうなのか?でも一応、起動!」
俺はいつでも聖盾を使えるようにしておいた。
▽ ▽ ▽
リーヌの言う通り、ボスブラストレオパルドはエレ達が倒した。
「よし。じゃあ帰るか」
「えー」
「小町も戦いたいの?」
「うん!ダメかな?」
小町は上目遣いで言ってくる。
「うーん。じゃあ僕が防御をしてもいいなら…」
「哲ちゃん。『過保護な防壁』あるから平気だよ?」
「でも心配じゃん」
「心配性だなー」
小町は笑顔で言うが、『過保護な防壁』で物凄く強力な攻撃を受けたことがないから心配にはなる。
「テツジ、オクトン達も戦いたいって」
「え?」
リーヌの後ろでみんなが上目遣いで見てくる。
小町から変な影響を受けているみたいだ。
「はぁー。じゃあ何回かやる?扉の前で待っていればいいんだっけ?」
「ザンはそう言ってたよ」
僕達はボスモンスターともう1回戦うためにボス部屋を出た。
▽ ▽ ▽
私は島に残ってシゲ爺様とランヴォックさんと稽古をしている。
「テツジは海の中のダンジョンに行ってるのか?」
「そうじゃ」
シゲ爺様の話を聞いてランヴォックさんは驚いている。
「オクトンの話じゃとあと1つダンジョンがあるんじゃったっけ?」
「そうです。テツジ様が戻り次第、希望者で攻略する予定ですね。島の危険を取り払ってから海賊の拠点に行くことになります」
「そうか。怪我人はいないが本調子ではない部下も数人いるから、むしろありがたい」
「そうですか」
テツジ様からポーションや食事を提供するように言われている。
怪我が原因で本調子じゃないわけではなく、食事やポーションのおかげで今までよりも身体が動きやすくて戸惑っているのだろう。
わざわざ伝える必要もないので黙っておこう。
「ザン、ダンジョンには誰が行くんじゃ?」
「今の所、私とクリフとダルン達ですね。あとはアデスちゃんとドグドくんが行きたがれば、テツジ様の許可をもらって連れて行くつもりです」
「そうか。じゃあわしも行くかな」
「テツジ様の許可次第ですね」
シゲ爺様は目を丸くした。
「わしも許可がいるのか?」
「当然です。前回石化されたの忘れたのですか?」
「くっ。これは反論できないな」
シゲ爺様は苦笑いをしながら言った。
その様子を見ていたランヴォックさんが口を開く。
「そのダンジョン攻略、私も行っていいか?」
「え?」
「実戦でサーメットグリズリーの力に慣れておきたい」
「それもテツジ様の許可次第ですね…」
「そうか。帰って来たら頼んでみよう」
そう言いながらランヴォックさんは素振りを続けた。
▽ ▽ ▽
俺達はジンオ島を出航した。
「デュドド、調子は戻ったか?」
「スキルがいかれたか心配だったけど何も変わらなかった」
「『無痛の武道家』か?」
「ああ。痛みは変わらず感じない。前回はあのクソ共に気絶させられてただけだったみたいだ」
デュドドは悔しそうに言った。
「今回、島の制圧は絶対だ。島を離れるときにランヴォックが魔石に意識を持ってかれていた。島の人間はほとんど死んでるか瀕死のはずだ」
「龍人族が生き延びてたら厄介だな」
「それに変な銃を使うエルフと元王女も面倒だ」
俺の潰れた左目が痛む。
「ランヴォックだけが生き延びていたらどうする?」
「あいつがどんだけ強力だとしても1人で何かをすることは出来ないだろう。島の移動手段を破壊して放置でいい」
「わかった。誰でもいいから殺せる奴が生き残ってればいいんだけどな!」
デュドドは気合が入っているみたいだ。
▽ ▽ ▽
僕達は3回目のボスモンスター戦だ。
ボスモンスターは2時間ごとに復活した。
2回目はオクトンとカーレが倒し、3回目は僕と小町だ。
「展開、起動!」
僕は聖盾を起動させた。
「哲ちゃん。いい?」
「うん」
僕と小町は石の扉を開けた。
部屋の中心にはボスブラストレオパルドが鎮座している。
「小町。防御は僕がするから」
「うん。しゅわしゅわラムネ!」
小町はマシンガンを構えて引き金を引いた。
バシュシュシュシュシュシュシュ!
ボスブラストレオパルドは弾に当たりながらこっちに飛び掛かってきた。
ニャゴオオオー!
「籠盾!」
盾が僕と小町を囲ってボスブラストレオパルドの攻撃を防いだ。
ボスブラストレオパルドは距離を取る。
僕は籠盾を解除し、小町はしゅわしゅわラムネで攻撃を続ける。
バシュシュシュシュシュシュシュ!
ボスブラストレオパルドは風の刃を飛ばしてくるが、僕は2つの聖盾を操って風の刃を防ぐ。
「哲ちゃんすごーい!」
「小町、そんなこと言ってないで攻撃!」
「わかってるよ」
小町は頬を膨らませながら引き金を引く。
バシュシュシュシュシュシュシュ!
バシュシュシュシュシュシュシュ!
ボスブラストレオパルドは少しずつ動きが鈍くなる。
「哲ちゃんも攻撃できるんだよね?」
「一応できるけど…」
「やってみてよ」
「えっ。防御が出来なくなるから」
「『過保護な防壁』があるから大丈夫だよ」
小町はそう言うが不安だ。
「少しだけだよ。すぐに防御に戻るからね」
「うん」
「殴盾!」
聖盾がグローブように変形し、僕の拳に装備される。
僕はボスブラストレオパルドに向かって行く。
何となく戦い方はわかる。
走りながら風の刃を拳型のシールドで防ぎ、ボスブラストレオパルド近づく。
ギャオオオ!
ボスブラストレオパルドの前足での攻撃を殴る盾で弾く。
軽く弾いたつもりだったけど、ボスブラストレオパルドの前足は変な方向を向いていた。
相手の力をそのまま返した感じがした。
バシュシュシュシュシュシュシュ!
倒れたボスブラストレオパルドに小町が集中砲火。
するとボスブラストレオパルドはドロップアイテムになった。
「思ったよりも動けるな」
前よりも感覚を掴んできた気がした。




