なぜ・・?原油価格が上がらないのは
まえがき
私は現在のエネルギー情勢を見ていて、一つの大きな疑問を持っている。
ナフサ不足が印刷、包装材、化学製品など様々な分野に影響を与え始めている。
1970年代のオイルショックではトイレットペーパー不足が象徴だったが、今回は産業の根幹を支える原料不足が目立つ。
にもかかわらず、原油先物価格は2008年の最高値である150ドル前後を大きく下回る90ドル前後で推移している。
なぜなのだろうか。
仮説1 市場は本当に需給を反映しているのか
一般的な説明では、
米国のシェール革命
世界景気の減速
中国需要の鈍化
戦略石油備蓄の活用
などが原油価格を抑えているとされる。
しかし、現場で起きているナフサ不足を見ると、供給制約が想像以上に深刻である可能性も考えられる。
もしそうなら、
「原油価格だけが異常に落ち着いている」
という状況になる。
仮説2 価格上昇を抑える力が存在するのではないか
仮に世界的パニックを防ぐ目的で原油価格の急騰を抑えようとするなら、最も大きな影響力を持つのは米国である。
理由は単純で、
原油高は
インフレ再燃
金利上昇
株価下落
景気後退
につながるからだ。
そのため、
戦略石油備蓄(SPR)の放出
金融市場への働きかけ
投機規制
景気減速見通しの発信
などを通じて、市場の過熱を抑えようとする動機は十分存在する。
ただし、これは価格操作を意味するわけではない。
あくまで市場を安定させるための政策介入である。
仮説3 先物市場が現実を過小評価している
原油価格は現在の需給だけではなく、
「将来どうなると思われているか」
で決まる。
市場が
「ホルムズ海峡問題はいずれ解決する」
と考えていれば価格は上がりにくい。
しかし、
中東情勢の長期化
石油化学設備の損傷
ナフサ供給の継続的な不足
が続けば、市場の見方が突然変わる可能性がある。
そのとき初めて価格が急騰するのかもしれない。
仮説4
原油先物が意味をなしていない・・・
それは価格はあるが、その値段では購入できていないという意味をなしていて、
先物価格とは名ばかりで、ただの、ブラフでしか存在してないとう現状なのかも・・・
あとがき
私は、
「表面上の原油価格」と「現場で起きているナフサ不足」
の間に大きな違和感を感じている。
もし原油市場が完全に正常なら、なぜここまで川下産業で混乱が起きるのだろうか。
もちろん、
「原油価格90ドルは嘘で、本当は200ドルだ」
と断定することはできない。
しかし、
市場価格だけを見て安心するのも危険ではないかと思う。
今後、
ナフサ価格や石油化学原料の供給状況がさらに悪化するなら、
現在の90ドルという原油価格が本当に実態を反映しているのか、改めて検証されることになるだろう。




