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教えと学び  作者: ラム肉
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別れと出会い

教師は天職だ。


もっとも、私にとってはだが。

同僚達は文句を言っているが、私は今の生活に満足している。

未来ある子供達の役に立てるなんて、本望だ。


「君はクビだ」


――クビになった。


どうやら私は生徒達から不満を買っていたらしい。

私は勉強を中心に、出来るだけ子供達に楽しく学んでもらってるつもりだったが…子供達は勉強ばかりで不満だったらしい。

同僚含め、周りの教師が抗議してくれたが…いくら学校側が擁護してくれても、流石にあの数の保護者の抗議は無視出来ない。

仕方なく、ってやつさ。


そんな私だが…クビになった立場の私に対し、同僚や仲間達が集まりお別れ会と称して、慰め会を行ってくれた。


そこで同僚の一人から田舎の山へ移住することを勧められた。

最初はあまり乗り気ではなかったが、土地の安さや維持費の安さに惹かれ、私は山への移住を決めた。


無職なんてそんなもんさ。


――引っ越しがこんなに大変だとは…侮っていた。


朝から一日中家の片付けをして、夜になる頃にようやく部屋の片付けや掃除をやりきった。

引っ越し業者に荷物を預け、明日山の方で受け取る予定だ。


次の日も朝から移動をし、日が傾き始める頃になってようやく山へと辿り着いた。

連日の引っ越し準備と移動で疲れていたのか着いた後の記憶が無い。


次の日起きたのは昼をすぎてからだった。

山はいい、響いてくる鳥の声、川のせせらぎ、文明の音等、全く聞こえてこない…

私の文明の道具も届かない!


届かない!


届かない!


何故。


電波が届くところまで来て電話をしたが一向に繋がらない。

あぁ、多分これは詐欺られたな。


仕方なく家の中を探したが…まぁ、家電なんてある訳もなく。

家にあるのは古めの農機具、食器や調理器具等の道具ばかり。電気や水道はあるもののIHやガスコンロなんて便利なものはない。


私にあるのは竈と釜だ!しかも薪も無いし使い方も分からない。


終わった――


と、思っていた時期が私にもありました。

人間、意外と何とかなるもんで、二、三日も経てば慣れてしまった。


一週間経つ頃には農機具等を直したりする楽しみすらあった。


最近は近所の――と言っても、一番近い家でも歩いて10分ほどかかるが…昔からこの土地に住んでいる老人達に良くしてもらっている。

農機具の使い方を教えてもらったり、苗を分けて下さったり。いい人達だ。


そして今日は近くの山の神社の祭りらしい。

祭りと言っても神輿があったり、出店がある訳では無く、周辺の人々が集まって酒を飲んだりしている、飲み会のようなものらしい。

私は神社の場所も道も分からないので老人の一人に送ってもらうことになっている。


「今日はよろしくお願いします。」


「あぁ、よろしくねぇ。そんなかしこまらんでええよ。軽トラだから狭いけど、ごめんねぇ」


「いえいえ、初めて乗るので楽しみです。ありがとうございます」


――神社は家から、車で15分ほどの場所にあった。

道が遠回りなので、森の中を歩けばもっと早いらしい。

神社の下の少し広いスペースに車を停めて降りた。

石畳の階段の上に鳥居が見える。


…うっぷ、酔った。


「だ、大丈夫か?」


「は、はいウプッ。す、少ししたら行きますので、先に行っててください…」


「そ、そうかい?そしたらこれ、私の電話番号が書いてあるから。何かあったらすぐ呼ぶんだよ?」


「すみません、ご迷惑おかけします」


「いやいや、人間助け合わにゃ生きていけないんだから気にせんでええよ。」


――その後五分ほど経つと全員着いたのか下には誰もいなくなった。


「ふぅ…今日は月が綺麗な夜だな」


「ふふっ。告白の練習ですか?」


突然、背後から女性の声が聞こえてきた。


「うわぁ!」


私は思わず驚いてしまい、バランスを崩して倒れかけたが、咄嗟に手を出したおかげで怪我をせずにはすんだ。


「あら?初めて会う方かしら、ごめんなさい。ここら辺の人は皆私にすぐ気付くから、気付いてると思っちゃってました」


そう話す彼女へと目を向けると――


古き良き日本美女というべきか。

はたまた、天女や女神の類だろうか。


そう思わせる程に月明かりに照らされた彼女は美しかった。


「こんな山奥の田舎に若い人が居るなんて、珍しいですね。こんな所に座ってどうしたんですか?」


「はは、お恥ずかしながら。近くの人に送ってもらったんですが…慣れない軽トラと山道で酔ってしまいまして。」


「それは大変でしたね、お水でも飲みますか?」


そう言うと彼女は、竹で作られたと思われる水筒を差し出してきた。


「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えて頂きます。」


「田舎暮らしは店も無くて大変でしょう?良ければその水筒差し上げますので、使ってあげてください。

では、私もそろそろ上へ行きますね。」


そう言うと彼女は、階段を登って行った。


「あ、あの」


「はい?なんですか?」


「水筒ありがとうございます」


「お気になさらず」


鳥居の前で、そう私に返事をして彼女はニコッと笑って去っていった。


私はその顔に、思わず心を奪われた。

自分でも思っていたより早く連載またはじめました。

最初は短編の予定で書いてたのですが、書いていくうちに、あれ?これ連載の方が良くない?となり連載にしました。

なので私は観測者と違い、最初から連載にするつもりでこの話を考えた訳では無いので短くなるかもしれないし、長くなるかもしれませんが、どうぞお付き合いして下さい。

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