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「がああああああっ!」


 とうとう私の不満が爆発した十日目の今日。


 私はお店が揺れるんじゃないかというくらいの声量でで叫んだ。もちろんお店の中や外に人がいないことを確認してからの行動である。


 何度も何度も叫んだ。ちょっと息が切れるくらい叫んだ。


「ぜーはー」


 ……ふう。少し気持ちが落ち着いてきたぞ。


 これだけ叫んだら近隣のお店を持つ人たちにも迷惑がかかるかもしれない。普通なら。だけど今回はこれだけ私が叫んでも、近隣に迷惑がかかることはない。なぜなら三日前からずっと留守にしているから。


「ふ、ふ、ふ……なぜなんだあああああっ!」


 もう嫌だ。一人ぼっちなのは。酷いよ。知り合いがみんないないなんて。みんなして私になにを隠しているんだ。せめて、ちょっとだけでも教えてほしい。それが無理なら私に気づかれないようやってほしい。切実に。


「私一人だけのけ者かああああっ! ふん、いいよいいよ! 私は私でみんなが知らない秘密をつくって抱えて生きるから!」


 そう、たとえば……バレンタインに作ったチョコレートがなぜかみんな世にも奇妙チョコになったとかね。それをシュルトにばかり送るわけにはいかなく、ランとレオナになにか策はないかと知恵を借りたところなぜか人気が出まくってさらに作ることになったこととかね。


 あ、でもこれは秘密と言うにはランとレオナが知っているから私だけの秘密じゃない。だから却下だ、うん。それじゃあなにか他にないかな……ない、ような気がする。


 うーん。ぐるぐるお店の中を歩き回るけどなにも思い浮かばない。だってこれだっていうものだいたい誰かしらが知っている。駄目だ。私だけの秘密がない。それにみんなのことを思い出してしまってよけいに淋しくなってきた。


「うう……」


 誰か一人でも帰ってこないかな。そうしたら捕まえて聞き出すのに。


「あ、捕まえる為の縄がない!」


 ん……ああ、そっか。魔法で出せばいいんだ。だって私魔法使いだもんね。


 うんうんと一人淋しく納得する。


 いつもなら私の心を読んだ誰かが突っ込んでくれるのに。


 ……こんなにも私に淋しい思いをさせたんだ。


 帰ってきた人を容赦なく……いや、八つ当たりしながら捕まえてやる。


「ふ、ふ、ふ、ふははははははっ! さあ、誰でもいい早く帰って来て!」


 私は縄を片手に叫んだ。

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