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ゾンビ☆ファンタジー ~ゾンビがあふれるポスト・アポカリプス世界なのに僕だけレベルアップするとかジャンル違くない?   作者: 灰灰灰


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第12話 オタクを急に名前呼びするのは日本国憲法では禁止されている件について

「にゃあーーーーーーーー!!!」

「うわ、いきなり叫んでどうしたんだよ心」

「どうしたもこうもナイアガラだよ!! わたし達まだ自己紹介すらしてないよ!?」


 食事も終わり、久しぶりに飲むコーヒーに舌鼓を打っていると、急に心と呼ばれた少女が奇声を上げた。しかしこのコーヒー旨いなぁ。おっとり美少女はスタイルも良くて、金髪碧眼でその上で家事も万能とか高スペック過ぎない?


「そういえば確かに、まだお互いの自己紹介をしていなかったかしら。私は天草(あまくさ)・キリストリア・アリア。高校三年生よ」

「アタシは鉄槌(てっつい)千棘(ちとげ)。高校二年だ、よろしくな!」

純真(じゅんしん)(こころ)だよ〜、右に同じく二年生だよ!」

「……愛餐(あいさい)冬雪(ふゆ)です。高校一年です」


 とりあえず、初めて聞くミドルネームにツッコミそうになったがぐっと堪えた。いやなんなんその大仰なミドルネームは。

 まぁそれは置いておいて。自己紹介されて彼女らの容姿を改めてまともに見たが、ここにいる全員が美少女と言っても過言ではなかった。

 天草は腰まで届く絹のようにしなやかな金髪ロングが特徴のおっとり碧眼美少女。全身的には細身だが上も下も出るところは出ている。何アレ反則でしょ。

 鉄槌は吊り目が特徴のやや赤みが混ざった黒髪ツインテール。何故か身の丈ぐらいあるバールを持っていた。まじでなんでバールだし。

 純真は一言で天真爛漫と表せる少女だった。クリクリした瞳やボブカットされた髪型もまたそれを連想させる。恐らく誰彼構わず挨拶するようなタイプで、数多のオタク達を死地に追いやっている事だろう。

 愛餐についてはコメントを控えさせてもらう。今でもすんごい睨まれてるし。


「え、あ、はい。えっと……ぼ、僕は高校二年で北原ムンクでふっ」


 緊張のあまり噛んだんですけど。死にたい。

 というかこんな奴らを相手にすれば、僕はきょどるに決まっているじゃない。こちとら普通の女子とすらここ数年の間、ろくに会話した事がない陰キャの中の陰キャやぞ。もはや僕に出来ることは借りてきた猫ムーブぐらいだ。

 しかも鉄槌に至ってはそんな僕を見て吹き出していた。覚えておけ。


「じゃあムンク君だねっ!」

「上の名前で呼んでよ……」

「えーーー!? 何でーーーー!?」


 しかし純真はそんな僕のキョドリ具合など気にした素振りも見せず、ニパーと眩しい笑顔を向けてくる。

 何この子、天使かな?

 こちとらチョロさでは定評のある隠キャオタクやぞ。急に笑顔を向けられたり、名前呼びなんてされたら好きになっちゃうだろ。オタクを急に名前呼びするのは日本国憲法でも禁止されているから止めようね。

 ともかく僕がレベルの高い隠キャで良かった、本当にまじで良かった。僕じゃなかったら惚れていたね。心に刻もう。女子とは! イケメンのみが! 恋愛対象!!


「しかしお前よく一人でここまでたどり着いけたよなー。どんな手を使ったんだよ?」

「あ、はい。ガンバリマシタ」

「……え? そんだけ?」

「え、うん」


 鉄槌の問いかけに簡素に答えすぎて沈黙が生まれた件について。



「………………」


「……………………………」


「……………………………………………」



そして生まれた沈黙は線路の如くどこまでも続く。当然ながら僕はコミュ障だ。自分から話をふるなんてことは出来ないのだ。そう言う事はイケメンさんに頼んで欲しい。


「ふーん、お前意外と喋らないし大人しいタイプなのな」


 バールツインテツンデレに遠回りしに陰キャと言われた件について。いや、その通りなんだけどさ。


「そりゃ自分で言うのは大変遺憾で腹腸が煮え返るぐらい屈辱的だけど、見たまんま通りだよ」

「そうかしら? だって恋人にそっくりな冬雪さんにあんなに凄い愛情表現をしていたじゃない」

「……いやぁ、それは感極まったと言いますかね。ホントにマジデスイマセンデシタ」


 天草の鋭いツッコミに再び高速土下座を敢行。当然ながら愛餐の僕に対する視線は未だに厳しく、どうしたもんか頭を悩ませるばかりである。

 ちなみに今度の土下座はただの土下座ではなくスライディング付きだったりする。もはや恥も外聞もないね。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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