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銃の効かない操縦士  作者: 木樵蝋梅
14日目
40/65

何者かになりたかった感情は何かをしたかった

どうして一瞬拒む?私も貴様なのに、一体どこが違うというのか。人格を偽ってでもして戦う必要はあるのか。どうして嘘を吐く?貴様は信頼した人間に嘘を吐きたくないのではなかったのか?貴様は私を信用していないのか?つまり私は、貴様を信用していない、と。……っふ、違いない。私は貴様が一番信頼出来ない。貴様が私を創り出したのに、貴様は私を拒もうとする。何が嫌だ。私は何もしていない。貴様が勝手に私を使おうとしただけじゃないか。悲劇のヒロイン面が一番気に入らない。


ーーまたか。また、仕方なくと言うのか。


無責任だ。貴様が私を必要としたのに、貴様は私を否定するのか。そうか。ならば、私もその言葉を使わせてもらおう。私は仕方なく、貴様に意地悪になろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


side in 和音


機体が動かない。紅葉桜の下半身は動かない。身動きが取れない。もうすぐ年時が来る。修理が出来るのだろうか。私が理解できたのは、私には銃は向かない、ということ。選択は絞るものだ。絞られてしまっては、生存率が下がる。今回はたまたま機体が破壊されるだけで済んだが、もし槍が操縦室に刺さっていたら、私は死んでいた。運がいい。私は死ねないのかもしれない。幾多の命を背負った私は死ぬ事を許されない。私が死ねば、その後ろについている彼らは死ぬ。それだけは避けたい。


仕方なく、私は正当防衛で人を殺す。その為に、私は汚れる。罪を犯す。汚名を被ってもいい。/嘘だ。私は愉しんでいる。罪を犯すことへの背徳感、汚名を被り、汚れることへの熱望。そのものに快感を覚えている。


私は考え方を変えたのだ。もう今は殺しを愉しむ事なぞできない。/嘘だ。私は何も変わっていない。今でも殺しは愉しい。悲鳴、恐怖と憎悪、歪んだ感情、鮮やかな血肉。それらの全てが、私の芸術。


違う/違わない。


私は考え方を変えたんだ/私は何も変わっていない。


私は、狂って殺しを愉しむ快楽殺人鬼だ。/私は殺しを愉しまないと決めた。


私の名前は、狂気だ/私は、和音だ。


狂気が出来るのは、狂うことだけ。それだけが、私の娯楽/私は、強くなくてはならなかった。


私が、和音だ/私は、和音か?


狂人こそが、和音だ/狂人が、私ではなかったか?


「この狂った解答こそが、私。和音だ」狂った思考が出来ない私は、和音か?


動かない。だが、年時がくれば、私はまた殺しが出来る。その事実だけで、私は嗤えた。口端が吊り上がる。筋肉の引きつりを戻せない。愉しい。これから出来る事を考えるだけで、その快感を想像できる。愉しい。たのしいたのしいたのしい!!


「和音、聞こえるか?俺だ。電池持ってきたけど、これじゃどォしよォもねェな」私は、一体何がしたかったんだ?


「ん?あぁ、年時か。すまない。機体が破壊された。代わりに年時の使っているその機体を貸して欲しいのだが」何故、私はこんな事を……?


「構わねェけど……電池の為に遠隔じゃねェんだわ。そのまま生身で来ちまったんだが……修理の度合いはわかんねェけど、無茶はすんな。あと、出来るだけ壊さないでくれ。直すのも大変なんだぞ」


「承知した。止めるなよ?今の私は少々荒い」


私は狂気だ。獣の王と書いて、狂。私は獣の様に殺し、王の様に自分の思うがままに人を殺し、それを愉しむ。私は年時の乗ってきていた機体に乗り、年時を降ろして乗り換える。ハンドルを握った瞬間に、手から伝わってくる機体の感情。暴れ回りたい、と叫んでいた。気分が高揚する。殺しだ。悲鳴だ。私には、狂う事しか出来ない。狂うことこそが、私の存在意義だ。


ーーーーー私は、どうあればよかったのだ?

次回予告


あはははははっ!!遅い。遅すぎるッ!


ーーーーひゃはっ………ひゃひぃ……ははははっははは!!

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