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第八話:ネット接続も楽じゃない

 「さよなら絶望先生」を久しぶりに読み返しました。

 

 

 俺はアスカに自主錬をしておくように言い残し、自室にこもってネット接続を開始した。



「といっても電気(魔力)がきてないから繋げなかったな……」


 そう、一番の問題は魔力だ。


 俺は身体能力と鍛冶能力以外もらってないので魔法はからっきしだし、この村は田舎なので電信柱(魔力柱)も見当たらず、ラジオもテレビもないので耕運機や野菜の運搬に使うトラックくらいしか魔力を使うものがないのだ。



「とりあえず、村の中で魔力がある人に手伝ってもらうか」



 アスカを一人放置しておくのは少し心配だったが俺はギルドにいるサチさんに会いに行った。



「あら、その顔はネット接続するのに魔力がないと起動できないからこの村で魔法が使える人を探してるって顔ね」



「さすが、サチさんだ。

 そのとおり、魔法使いを探してるんだがこの村にいるのか?」



 とりあえず席につきヤクルトを注文する。この村には新聞の配達も来ないのにヤクルトだけは毎日配達が来たりしているのだ。



「うーん、いるっちゃいるけど、その子かなりの人嫌いだからね。

 いくら君が強くてもどうにもできないと思うよ」



「それでも男にはやらねばいけない時がある!

 その子ということは女の子のようだが、俺の魅力ですぐに協力的にしてみせるさ」



「じゃあ住所教えてあげるから行ってみなさい。

 グッドラック!」



 店を出るときサチさんは店の奥から数珠を取り出して線香に火をつけていたがそんなに危険な子なのか?


 だが、俺の計画のために働いてもらわねばな。はーっはっはっはっはっはっは!




 


 ギルドを出てから歩くこと10分の位置にその家、いや館があった。



「ずいぶんとでかい家だなぁ。

 何々、『世の中に、人の来ること嬉しけれ、とは言うものの、お前は死ね!』か。

 ずいぶんと人嫌いなんだな。だが俺を相手にするには警備が甘いようだ」



 館の前に掲げてあった看板を読むために足を止めたのだがその瞬間足元からトラバサミが出てきたのだ。

 もちろん俺はそんなちゃちな罠はかかる前に回避したが。



「ふはははは、魔法使いの娘よ。

 この俺を本気にさせるとは……実に面白い!」



 館の中に入ると罠はいっそう激しさを増し、巨大な岩が転がってきたり、入った部屋の扉の鍵がかけられ天井が降りてくる罠などコテコテの古典的な罠だらけだったが全て粉砕した。



「これらの罠は俺の店以上だな。

 今度改良して俺の店にも取り付けてみよう」



 そして館を壊しまくり、最後に残った部屋の扉を開ける。ここに人の気配がするのは最初からわかっていたのだが面白そうなので一番最後に残しておいたのだ。



 さっそく最後の部屋の扉を開けようとしたが、ドアチェーンがかかっており完全に開くことは出来なかった。。



「勝手に開けんな!

 来んなよ!帰れよ!」


 その声は鈴を転がしたように頭の中に自然と入り込んでくる可愛らしい声だった。



「そんなとてもかわいらしい声を聞いたらその顔も見たくなるものだ、なっと!」


 扉にはドアチェーンが掛かっていたがあっさり引きちぎり扉を強引に開け、中にいた少女を見る。



 肌の色は雪のように白く、艶のあるカラスの濡れ羽のような黒髪を長く伸ばし目元を隠しているが俺にはわかる。この子は美少女だ。



「お前も僕をいじめるんだろ!

 もう騙されないぞ!!」


 いじめにでもあったのか?では作戦 Kで行こうじゃないか。



「こんバカチンがぁー!

 いいか、いじめられたからといって引き籠るのは絶対にいかんぞ!

 人という字はだな、互いに憎しみ合った二人の人がお互いに殺し合って両手両足を失いながらもなおも相手を殺そうと互いに喉笛に噛みつきあっている様子から出来た字なんだ!

 お前にはその美しい手足に加えて美しい顔もある!

 ここから出てきて俺に力を貸せ!」



 迷う時間を与えず、愛をもって接することで熱い言葉を心に届け、こちらを愛するように仕向けてみたのだがどうやら効果てきめんのようだ。


 少女はみるみる顔が赤くなり、それも俺に惚れた目をしている。ふふふ♪さすがは俺だ。



「……わかった。

 あなたになら僕のすべてを任せてもいいよ。

 でも……裏切ったら殺すから。抉って殺す。焼いて殺す。潰して殺す。剥いで殺す。冗談じゃないからね。

 これから僕はあなただけを見て生きていくんだから。


 それとこの館はあなたが破壊したから住めなくなっちゃったし、あなたの家にやっかいになるけどいいわよね」



 わーお、なんか黒色なのか桃色なのかよく分からないオーラを出してるな。ちょっと怖いけどなかなか可愛いじゃないか。


 会って間もないのにここまで惚れさせるなんてさすが俺だ。でもこれでいいのだろうか……


 まぁ、ちょっと目に怪しい光があるが、うまーく付き合えばなんとかなるだろう。



「これからよろしく頼むぜ!俺はマンジ・カブラ。

 決して裏切らないし、お前を愛してやるからさ」



「僕は魔法使いの、ザトケ・チウだよ。

 よろしくね。クスクス♪」



 こうして俺は新しい同居人にしてこの村の未来を担う引き籠りの若い娘さんの更生に成功……したのか?


 この物語は前作で書いたこと無いキャラを出していきたいと考えています。

 他に出してないタイプのキャラでどんなのを出そうかな。

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