第十三話:ベッタベタやぞ!
この話は携帯で書いてたんですが書いてる途中でうっかり電源ボタン押して書き途中の小説をデリートしちゃったんで書きなおすのに根性がいりました……
以前も二度ほどやったミスをまたもやしてしまうとは……
携帯で書く時は気をつけねば。
オウウ山脈から村に帰ってきた俺はアスカとチウちゃんを家に残し、依頼完了の報告をするためにギルドへと向かった。
「あらあら、カブラ君ずいぶんと大荷物ね。
討伐対象のレッドヘルムは一頭だけじゃなかったの?」
「サチさん話が違うよ。
レッドヘルムは全部で六頭もいたぞ。
おかげでアスカやチウちゃんも戦うはめになっちまったよ」
だが俺の愚痴を聞いて、サチさんは謝るでもなく大笑いしてきやがった。
本当に人をからかうのが好きな人なんだな。
俺以上じゃねぇのか?
「あっははははは♪
それでも二人は無事なんでしょ?
それもカブラ君の実力なんだからいいじゃない。
追加報酬として六頭だから六倍払ってあげるし」
「ずいぶんと太っ腹だな。
特S級の依頼と言っても熊程度でそこまで報酬上乗せしてもいいのか?」
「あのねカブラ君。
レッドヘルムは自然災害に匹敵するくらい強いモンスターなのよ。
レッドヘルムが弱いんじゃなくてカブラ君達が強いんだから」
まさかそこまで強くなってるとは思わなかったな。
「じゃあ、報告は済ませたし帰るな。
村に野生のモンスター避けのバリケードを早いとこ作っておかないと俺がいない時にモンスターに襲われたらあっという間にこんなちっぽけな村は全滅しちまうからな」
「また飲みに来なさい。
私の奢りで御馳走してあげるわ♪」
やっぱ何だかんだ言ってもサチさんとは気が合うんだよな。
そして店に帰ってみるとチウちゃんとアスカは一緒になって俺のベッドで熟睡していた。
せっかく個人の部屋あげたのに何でこの二人は俺の部屋に勝手に入るのかねぇ~。
まあ二人とも慣れない雪山で疲れたんだろ。
起こすのも悪いし仕事は俺一人で片付けるとしよう。
「それじゃ二人とも、良い眠りを」
と、二人の寝顔を堪能したあと部屋を出ようとしたのだが二人に服を掴まれた。
「……起きてるのか?」
返事はない。どうやら俺の気配に反応して無意識に掴んだだけだろう。
仕方がないので服を脱いで上半身裸になってこの場を抜け出すことにした。
物音を立てないように、そーっと、そーっと……
「だーれかいませんかー♪」
空気が読めない女の子ナンバー1、キヌちゃんがまたも勝手に上がり込んできた。
というか何で毎回毎回俺の部屋に最初に向かってくるんだよ!気配隠すのも上手くなってるから気付かなかったし!
そしてキヌちゃんはすぐに俺とそのすぐ隣で寝てるアスカとチウちゃんに気づいた。
「……ようキヌちゃん。
この状況は君の目に映る光景とは正反対の状況なんだけど話を聞いてくれないか?」
マズイ、ひじょーにマズイぞ!
昨日と似たような状況だ。
俺は上半身裸で、その隣には俺のベッドで眠るアスカとチウちゃん。
そしてキヌちゃんは勘違い系暴力ヒロインの座を狙っている節がある!
ただでさえネットに繋いでから俺の店のホームページを作ったことで、武器や小物の注文が殺到しているから村の知名度を上げるためにも時間が惜しい時だというのに……
ってそんな事考えてる場合じゃねぇ!
キヌちゃんってば、なんか視線だけで人を凍死させそうなほど冷たい視線を向けてくるし、どうする!どうするよ俺!
こうなれば……
力の限り抱き締める!
ギュム!
「キヌちゃん、これは誤解なんだ。
だからまずは俺の話を聞いてくれ!」
「あ……そんなカブラさん。
激しすぎます。
私はこんなこと初めてなんですからもっと優しくしてください……」
「うぉぉぉい!
それも誤解だぁぁぁ!
俺はちっともキヌちゃん相手にヤラシイ気持ちになんてならねえぞ!キヌちゃんなんかにはな~んにも感じないって!!」
とまぁ、こんなやり取りを大声で叫んでいれば寝ている人間は目を覚ますのが世の常というもので、つまり何が言いたいかというと、
「僕が寝ている間に他の女とイチャつくなんていい度胸じゃない。
僕がどれほど愛してるのかわからないならここらで体に教えてあげる必要があるのかしら。
クスクス♪」
大魔神が目覚めたー!どうしてこうなったんだー!?
アスカはいまだに熟睡中で助けになりそうにないし!
そしてキヌちゃんの方に視線を向けてみれば、
「何にも!?
何にも感じないってどういう事ですかカブラさん!?
私だって女の子なんですからそんな事言われたら傷つくんですけど!!」
うぉぉぉぉぉぉ!これはどうすればいいんだ……
邪神様ぁぁぁ!何かこの状況を打破する知恵をくださぁぁぁーい!
『好奇心は猫をも殺す。
というか私が殺したいくらいだ』
って、この状況見てたのかよ邪神!
最初だけしか出番の無いキャラかと思いきや、久しぶりの出番がそのセリフだけかよ!
『あまりかっこよくはないがあえて言おう。
勘違いしないでよね!
貴公のことなんかなんとも思ってないんだから!』
「カブラさん。
覚悟はいいかしら?」
「海に沈められるか山に埋められるか。
嫌な方を選ばせてあげる。
クスクス♪」
邪神は声だけだが目の前の二人は直接行動に出るんだろうな。
このあと俺がどうなったかは語るまでもないだろう……
最初は終わることを一切考えずに書き始めたこの物語も、もうすぐ終わりそうです。少しばかりさびしいですけど何も考えずに書き始めた物語をよくここまで毎日続けることができたと自分でも感心しますw
やっぱり今回もハッピーエンドですので最後までツッコミ所満載かつ笑える物語に仕上げたいと思っています。