第16話
「お前、オカルト話詳しいよな?。
だから心霊スポットのあの『廃病院』知ってたんだし。」
「うわっ!。
突然、前置きもなく突っ込んだ話をするなよ、ビビるだろ?。」
「本日はお日柄もよく晴天に恵まれたけど、貴様は薄暗い部室でオカルト話してるんだろうから関係ないよな。
そんな事より『滝行』出来るスポット知らないか?。」と俺。
「挨拶をはさんだ方が余計無礼になる・・・ってどういう事だよ?。」と言っているのが『肝試し』の時、心霊スポットを教えてくれた男で『オカルト研究会』というサークルに所属している稲川という。
「結構そこらじゅうにあるぞ。
ただそんなスピリチュアルなもんじゃなくて、『マイナスイオンが出ていて美容に良い』とか『結婚とか就職の前に禊として』なんて理由で滝行するヤツが多いみたいだ」と稲川。
「『禊』?。
何だソレ?。」と俺。
「独身時代に遊んでたり、酷い事したり・・・ってヤツが、結構いるんだよ。
そんな連中が『滝行』を『罪滅ぼし』だと思ってるんだろ。
滝行したからって罪が消える訳じゃないのにな。」と稲川。
「それを言ったら、稲川は無罪だな。
遊ぶどころか、遊んだ経験もないだろ?。
『イノセント』だな。」と俺。
「お前も同じだろ!?。」と稲川。
たしかに俺も稲川と同じだ。
しかしステータスを見ると、そこまで酷い「かっこよさ」じゃなくなっている。
『イラン人スタイル』を止めたら俺は異世界でハーレムを作れそうな勢いだ、いや、作らないけど。
俺はあくまでも『最強』を目指したい。
しかし滝行がスピリチュアルなモンじゃなくなってる・・・というのは計算外だ。
もしかしたら『滝行』をしても『魔力』は上がらないかも知れない。
そうだ、忘れてた。
「稲川は『ESPカード』持ってないの?。」と俺。
「持ってるよ。
持ってるけど、正答率は低い。
どうやら俺はエスパーじゃないらしい。」と稲川。
「『ESPカード』貸してくれ。」と俺
「まあ、良いけど・・・でもどうしたんだよ?。
お前、オカルト話あんまり興味ないんじゃなかったのかよ?。」と稲川。
「色々あってな。
じゃあ、明日大学に『ESPカード』持って来てくれよ。」と俺。
俺はまだ日が高いうちに稲川に教えられた『滝行』が出来るところを目指した。
暗くなると寒くなるじゃん。
肝試しをしていたくらいだから、まだ暑さは残ってる。
二学期も始まったばかりだ。
今から『寒さ』の話をするヤツに『滝行』の話をする資格はないのかも知れない。
でも・・・寒いの苦手やねん。




