第二話〜精霊との契約〜
今回は早く投稿٩(•ω•)و
暫く森の中を進んでいたら教えてもらった湖に出た。ここに来るまで見つけたポーションや薬の材料になる薬やホーンラビットという角の生えた兎(兎の割に可愛くない)やスライムという異世界の定番な魔獣が出てきたけど、ナイフの切れ味が良いのか簡単に倒せた。一番危なかったのは攻撃を避けるときうっかり横に飛びすぎて木に当たったことくらいだった。ついでにLvも上がった。
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名前:ハル・カンザクラ
性別:女
種族:天使
年齢:8
職業:短剣使い
称号:[転生者]
Lv:4
MP:57410/58000
スタミナ:98/510
パワー:36
ディフェンス:30
テクニック:404
スピード:2889
スキル
【言語翻訳 Lv10】【鑑定眼 Lv10】【精霊使い Lv10】【魔法耐性 Lv10】【闇耐性 Lv10】【状態異常耐性 Lv10】【病気耐性 Lv10】【魔力操作 Lv10】【魔力強化 Lv10】【風魔法 Lv7】【光魔法 Lv7】【身体強化 Lv1】【転移 Lv10】【調合 Lv10】
種族スキル
【不老】【多重結界】
固有スキル
【可愛がられ体質】
神技:【アロマキュア】
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「とりあえず、今日はここで野営しようかな」
そう言って、ボクは水を鑑定するために湖を覗き込むと、そこに幼い顔立ちに桃色の髪を垂らして、背中から体半分くらいある白い羽を生やした、翠眼の美少女が映った。
「え?! これ私?!」
(ん?? 私?)
無意識に自分のことを"私"って言ったが、なぜか凄くしっくりきた。
「とりあえず『鑑定』」
・魔力水
水質:高純
魔力濃度:薄
飲用は可能で、上級ポーションの材料としても使える
【鑑定眼】で確認した後、私は空っぽの瓶を取り出し、湖の水をたっぷりと入れて、アイテムバッグに仕舞った。
「そういえば、ここ来るまでにかなり汗掻いちゃったし、水浴びして流そうかな」
私は周りを見渡し誰もいないことを確認し、着ていた薄い緑のヒラヒラしたワンピースを脱ぐと、下着がないので、それだけで素っ裸になった。私はその場にアイテムバッグを置いて、湖に足を入れた。
「ひゃっ」
少し冷たくて、変な声が出た。そこから少し慣れてきて、体の半分浸かった所で水を手で水を掬い、上半身にかけて汗を流した。
「気持ちいい〜」
「ねぇ、そこのあなた」
突然誰かの声が聞こえてくると、湖の水が渦巻きだし、段々と人の形を取っていった
「わっ!!」
私は驚きで足をもつれさせてしまい、そのまま後ろに手をついて倒れてしまった。体が小さくて、水面からは頭だけしか出ていない。
そして、私が顔を上げるとそこには1人の美女が水面に立っていた。
おっとりとした印象を受ける美しい顔立ち、緩くウェーブのかかった艶やかな水色の髪、透き通るような碧眼の優しい瞳、更に大きな双丘まで持っていて、彼女の着ている青いドレスが更に彼女の美しさを強調している。
「大丈夫?!」
その美女が私に心配の声をかけてくると、周りの水が私を起き上がらせるように動き出した。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ、ごめんなさいね、急に話しかけてしまって」
私は彼女にお礼を言うと、彼女は先程のことを謝罪してきた。
「確かに少しビックリしましたけど、全然大丈夫ですよ、それより…あなたはだれなんでしょうか?」
「私は湖の精霊のリディーネっていうわ、リディって呼んでちょうだい♪」
「わかった、リディって呼ぶよ」
私がそう言うと、リディは笑顔を浮かべた。
「それで私、あなたのことが気に入ったの、あなた【精霊使い】でしょう? 私と契約してくれないかしら?」
「でも、リディって湖の精霊なんでしょう? 契約したらこの湖から離れることになると思うんだけど…」
私はリディの言ったことに対し、不安な部分を質問した。
「私はただこの湖で生まれた精霊なだけだから、何にも問題ないと思うわ」
「そうなんだね、確かに【精霊使い】のスキルはあるけど…契約ってどうするの?」
「じゃあ、まず目を閉じて、私の言葉を続けて言ってもらえる?」
リディのその言葉に、私は素直に従った。
「我と魂の契りを結び」
『我と魂の契りを結び』
「汝の身に誓約を刻む」
『汝の身に誓約を刻む』
「水精霊リディーネよ」
『水精霊リディーネよ』
「我が声に応えよ」
『我が声に応えよ』
すると、リディが額を私の額にコツンと軽く当ててくる。リディの体が淡い光包まれると、その光がリディの胸元に集まって何かの形を成すように消えていった。そして、リディの胸元に魔法陣のようなものが刻まれていた。
「これは、契約刻印が付いたってことは契約成功よ!」
「よかった〜そういえば、まだ名前を言ってなかったね、私はハルだよ、改めてよろしく、リディ」
「私もよろしく、ハルちゃん♪」
私達はお互い挨拶したけど、元男としては「ちゃん」付けで呼ばれるのはかなり恥ずかしかった。
(そういえば私、今、何も着てないんだった!)
「ごめん、ちょっと服着てくる!」
私はリディにそう言いながら急いで立ち上がり、後ろを振り向くと、木々の近くから呆けたようにこちらを見つめている1人の少年がいた。私はリディに集中していて、その少年に全く気づかなかったようで、驚いてその場で固まってしまった。
「あ……」
少年は私が気づくと小さな声を漏らして、顔を赤くしていき、
「ご、ごめんなさい!」
そう大声で謝りながら後ろの方を向き、森の木の裏に隠れた。
前世読んだ異世界モノのテンプレ展開を自分が味わうとは思いもしてなかった。それも、女として。
「はっ……!!」
私はその声で正気に戻り、アイテムバックがある方へと走っていき、湖から上がった。
「『ウインド』」
私は魔法で風を起こして、体に付着いた水滴を吹き飛ばし、アイテムバックからワンピースを取り出して、急いでそれを着た。
「ハルちゃんの素肌が見られてしまったわ……」
服から顔を出すと、いつのまにか私の側に来ていたリディが顔を暗くしながらそんなことを呟いた。
「そんな深刻そうな顔しないで? 裸を見られたのは恥ずかったけど……」
私はリディにそう言って、アイテムバックを肩にかけた。
「私もハルちゃんの可愛さに見惚れて、気づかなったわ……」
リディのその言葉に私は少し照れてしまったので、頰を抓って、木に隠れた少年の方を向いた。
「あのー……もう出てきてもらって大丈夫ですよ」
私が声をかけると、ゆっくりと少年が木の裏から出てきた。
先程は状況的にあんまり分からなかった見た目は革鎧のようなものを着けていて、黒い髪は所々跳ねているところがあり、黒っぽい茶色の瞳をしていて、顔は弱々しさを感じるがかなり整っているように見える。
「ええっと……さっきは本当にすみませんでした……」
少年はおずおずとしながらもう一度、私達に謝ってきた。
「もう大丈夫ですよ……恥ずかしいので、できれば掘り返さないでください……」
私は顔を少し赤くして言った。
「あ、うん……」
少年も顔を少し赤くして頷くと、数秒の間、私達の間に沈黙が続いた。
「とりあえず、自己紹介しましょうか」
リディがそう言って、私達の沈黙を破った。
「そ、そうですね、僕からさせてもらうよ。僕はリオン・タオッカです『ステータス・オープン』」
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名前:リオン・タオッカ
性別:男
年齢:13
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彼が唱えるとこの三つだけ表示された画面が彼の目の前に現れた。
(こんなこともできるんだ……どうすればいいんだろ?)
「私はハル・カンザクラといいます。『ステータスオープン』」
とりあえず、私はレオンさんと同じものが映るように念じて唱えてみた。
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名前:ハル・カンザクラ
性別:女
年齢:8
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よし、できた!
「8歳?! そんな幼いのにこんな所に?!」
「えっと……色々事情があって……」
本当の理由は話しづらいので、曖昧に誤魔化した。
「最後に、私はリディーネよ。湖の精霊でハルちゃんと契約しているわ♪『ステータス・オープン』」
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名前:リディーネ
種族:水精霊
契約者:ハル・カンザクラ
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とりあえずこれで3人とも自己紹介が終わった。
「レオンさんの方はなんでここに?」
「ギルドの依頼で薬草集めをしてて、いつのまにかかなり時間が経ってたみたいで野営できる場所を探してたんだ」
(ギルドといえば異世界の定番だよね、一度行ってみたいなぁ)
そんなことを考えてると段々空が暗くなってきた。
ぐ〜
少し恥ずかしいけど、この世界に来てからまだ何も食べてないので仕方がなかった。それで、私はアイテムバッグからホーンラビットを取り出して調理しようと思ったけど……
「あ……火がない……」
【病気耐性 Lv10】が一応あるけれど、流石に生では食べようとは思わない。
「あ、あの……僕、一応【火魔法】使えるよ」
レオンさんがそう言ってきたので、お言葉に甘えようかと思った。
「お願い、できますか?」
「うん、問題ないよ」
私は近くから枯れ枝と石を集めて、枯れ枝を重ねて置き、それを石で丸く囲った。
「レオンさんお願いします」
私はそうお願いすると、レオンさんは詠唱を始めた。
「『小さき炎を放ち、敵を燃やせ、プチファイヤー』」
レオンさんは物凄く厨二病みたいなことを言うと、小さな炎が枯れ枝に放たれた。
(【魔力操作 Lv10】には感謝だね……)
もし、持っていなかったらあまりにもの恥ずかしくて心の中で叫んでいたと思う。
そして、途中で拾った大きな葉っぱをまな板代わりに使ってホーンラビットをナイフで捌いた。ホーンラビットの肉をリディに頼んで水をかけてもらって血を流し、そして、洗って少し湿った細い枯れ枝にホーンラビットの肉を刺して火の近くに固定して焼いた。
「レオンさんも食べますか?」
「いや……僕は一応食料は持ってきてるし、別に大丈夫だよ」
レオンさんはそう断った。
「遠慮なさらないでください」
私はそう言いながら焼けたお肉を差し出した。
「じゃあ、1本だけ貰うことにするよ」
渋々受け取ったけれど、口元が少し緩んでいたのを私は見逃さなかった。
「ハルちゃん、私にそれ食べさせてもらっていい?」
「いいけど…リディは食べて大丈夫なの?」
リディが食べたがってくれるのは嬉しいけど、湖の精霊にお肉って明らかに普通じゃないような組み合わせに思える。
「多分問題ないわ、心配しないで」
リディはそう言ったので大丈夫だろうと思い、リディに一本差し出した。
「いただきます」
私は前世で馴染み深かった食事の挨拶をすると、レオンさんが不思議そうな顔を向けていたが、今は目の前のお肉に夢中だった。
(美味しいけど、少し物足りないなぁ、香辛料や調味料みたいなものはこっちの世界にもあるのかな?)
リディの方も美味しそうに食べてるように見えるのでとりあえずいいかなと思い、そのまま私とリディで残りのお肉を食べていった。
「そろそろ眠くなってきちゃった」
「ハルちゃん、ここは特殊な結界で守られててるから、安心して眠っていいわよ」
「そうなの? じゃあ、ここまま寝させてもらうね、おやすみ」
「はーい、ハルちゃんおやすみ♪」
私は寝転がって、目を閉じ、襲い来る眠気にそのまま身を任せた。
☆お姉さんキャラの(つもり)登場です
※誤字脱字報告・御指摘などがありましたら、よろしくお願いします