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病弱令嬢は呼び出していない~冤罪から始まる優雅な誤解解消と友情~  作者: 紡里


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2/2

仕方がないじゃないか

 婚約を解消された。

 俺が誠実に婚約者としての務めを果たしていなかったと、責められた。


 真面目でお堅い婚約者。俺の筋肉に惚れているようだったから、油断しすぎたか。

 やりたい盛りの若い男が、可愛い女によろめくのは仕方ないだろう。

 跡取り娘だというのに、器の小さい女だった。


 まあ、次はもう少し物わかりのいい跡取り娘を探すさ。



 そんなふうに考えていたが、教室で腫れ物に触るように距離を取られた。

「おいおい、婚約が解消されたって、俺はそんなに落ち込んでいないんだ。

 気を遣わないでくれ」

 そう言ったら、変な顔をされた。


「お前、そういう認識なのか」

「反省して……ないみたいだな。これからの付き合いは、遠慮させてもらう」


 え?

 どういうことだ?


「俺の元婚約者の家から圧力でもかけられたのか?」

 縁を切るだけでは満足できず、俺に嫌がらせをするつもりなのか。

 心配して尋ねたら、呆れたような表情を返された。



「天然だと思っていたが、単なる馬鹿だったんだな」

「お前を婿にほしいと思うご令嬢なんか、もう現れないぞ」

 友達とは思えない言葉を残して、立ち去っていった。


 次の婿入り先など、簡単に見つかるはずだ。元婚約者だって、競技会でいい成績を収めた後にあちらから申し込んできたんだ。

 俺はそんなに頭が良くないけれど、女領主の補佐なのだから許されるだろう。出しゃばらない、いい婿になるつもりだ。



 騎士科では、戦略を立てるグループ研究がある。班を決めるときに、いつものメンバーに近づいていったら、断られた。


「君とは一緒にやりたくない」

 とはっきり言われた。


「突然、どうしたんだ? 俺が何かやってしまったのなら、教えてくれ」

 俺はちゃんと反省するからな。


「私は家族を故意に傷つけるような人物を、許すことはできない。

 以前の課題の時に、我が家で作業したことを後悔しているよ」


 ああ、例の病弱な妹がいる男か!

 婚約者とのデートを断る口実に、「病弱な幼なじみに呼ばれて」と名前を借りたんだよな。

「いや、悪かった。ほんの出来心で……」


「君は淑女の名誉を軽んじているのだね」

 軽蔑するような眼差しだ。


 ちゃんと謝ったじゃないか。

 それなのに、他の奴らも俺を庇おうとしない。

 他のグループに入れてもらったが、なんとなく距離を置かれている気がする。



 ある日、食堂でこう言われた。

「君、貴族に向いていないよ」


 見慣れない、騎士科ではない生徒だ。なぜ関係ない者に、そんなことを言われなければならない?

 腹が立ったので殴ったら、自宅謹慎になった。

 あいつが弱すぎるんだ。騎士科の学生に喧嘩を売って、防御もせずに殴られる奴がアホすぎる。


 父上が怒って、俺をこのまま自主退学させると言い出した。


 あれ、俺、もしかして崖っぷち……?


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