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第44話 ハプルの過去



 「スゥ・・・ スゥ・・・」



 深夜の城の中の病院。実際の所結構怪我をしていた私は、そのときにぐっすりと眠っていた。そのせいか、私は死にかけたわけでもないのに夢を見ていた。



 そこには、とても懐かしい記憶を振り返っていル自分がいた。



 その夢の中では、私はこことは違うベッドにいた。別に珍しいことじゃない。幼い頃から体は弱かったから、病院に行く事などしょっちゅうだった。しかしこの時は違う、丁度医者からは覚悟を決めさせられた日だった。



 その日、私は医者からの定期の診察を受けていた。そこで言われた言葉に、ショックと言うよりそりゃそうなんだろうなと心のどこかで納得していた。



 私の命はもう長くない。私が抱えている病気は、この世界の医学では治せないものだったようなのだ。



 「・・・」



 病室で側にいてくれている自分の両親ですら、かける言葉に困って結果何も言ってこなくなる。これなら嘘でも元気づけてくれた方がまだましに感じた。でも向こうの気持ちもあるのだから、それは仕方ないとも思っていた。



 私の人生はそんなもんだ。生まれつき弱い体のせいで、いつも変な同情を受け続けてきた。向こうからしたらこちらのことを思ってのことなんだろうね。



 でも、私からすれば何もしてこないただの同情は、悪口言われているのと大差がなく思えた。



 「大丈夫よ。貴方だってきっとよくなるわ。」


 「そうだよ、まだまだ若いんだから、病気なんてすぐに吹き飛ばすって!!」



 優しい声も、どう聞いても私の現状を逸らそうとする誤魔化し。ひいてはショックを受けている自分の心を納得させるためなんだろうな。



 かといって、彼等なりの励ましを無下にするのもいけない。私はいつも作り笑いをして返事をしていた。



 「ええ! そうよね! 私は絶対に元気になる!!」



 にっこりと歯を見せて笑ってみせる私。両親はそれ見て安心したのか、しばらくして病室を離れていった。まあ、長時間ここにいられても空気が重くなるだけだっただろうから、丁度よかったんだろうけど・・・



 と、言うような家族との距離感。このような生活から私はどうしても遠慮をしてしまいがちになっていた。他の知り合いもそうだ。誰もが優しいがゆえにどうにもぎこちなくなってしまう。





 たった一人の男子を除けば・・・



 「・・・」



 その男子はそのとき、窓の外を特に意味もなく見ていた私をじっと見ているようだった。私が声をかけると、ようやく声を出した。



 「あ、牛尾! 来てくれたの?」


 「あ、当たり前だろ!! 俺は、お前の友達なんだからな!!!」


 「フフッ・・・ そうね。」



 彼は『星野 牛尾』、この私の前世、『降星(ふるほし) 織姫(おりひめ)』の一番の友達だった。


ベルリズム「『ブックマーク』、『評価』、ヨロシクね!!」



ルーズ「これ別キャラ扱いでいいんですか?・・・」




『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!

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