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第37話 アルフとは

 ハプルがそうして見つけたアルフと二人で腹を割って話をしていたその頃、俺の方は一切の手がかりを掴めずに今だ町中を歩き回っていた。



 「ハァ・・・ ここも情報は特になし。今日も骨折り損になりそうだな~・・・」



 落ちてきた気持ちを初心に戻すために俺を一度片目を閉じて伸びをする。無意識にグルッと体を一周回す形になったが、そのとき、俺は一瞬違和感のある人物達を見つけた。



 「あれは・・・」



 そこでは二人の男が、どこか焦った様子で会話をしている。普通にそれだけなら俺も気にしなかったが、なんせそこには俺達にアルフの捜索を依頼した依頼人その人がいたのだ。



 俺は前世に自分が書いていたストーリーを振り返る。そこでは俺こと『イグル』が、依頼人を通り沿いに見つけたことから事が進展すると書いてあった。つまりは、ようやくこの歩き回りも終わりって事だ。



 男二人はそこを移動しだし、死角に入る。俺は当然これを見逃すわけがなく、そいつらを追って走り出した。しかしその寸前、俺は振り返る。



 『おっと・・・ 先にこっち片付けとくんだったな。』



 俺は背中の鞄の中にしまっていた物の中から、クナイに似た形をしたナイフを取り出す。そしてそれを投げつけ、ある男に命中させた。



 コイツは自然な格好をしてこちらを追っていた奴だ。実のところ最初から気付いていたのだが、相手に気付かれないように敢えて芝居を打っていたのだ。



 「じろじろした視線でバレバレだってんだよ。もう少しかくれんぼの腕を磨いとけ。」


 「アッ・・・ ガァ・・・」



 俺は町の人が集まる前にその場を離れ、さっきの二人を追いかけた。最も俺は俺を追っていた奴とは違って、気配は消してかかるがな。



 後で知ったことだと、ここで俺が聞いていたときと、ハプルがアルフから確信を聞いたのは、たまたま同じタイミングだったらしい。



 「オイ! あの小娘はまだ見つからんのか!?」


 「は、はい・・・ すみません・・・ どうやら雇った奴らも見つけられてないようで・・・」


 「無能の他人なんか雇っているからこんなことになるんだろう!!」


 「し、しかし・・・ 今回のことを表沙汰には出来ません。多少うさんくさくても、アイツらに見つけて貰った方が安全かと・・・」


 「分かっているのか!? あの女は・・・」







 「売り飛ばされた!? 自分の親に!!?」


 「うん・・・ それで、お金持ちのところに行く最中に、隙を突いて逃げ出したの。」


 「なるほどね・・・ それで今まで一人で逃げてきたのね。その怪我は?」


 「さっき追っかけてきた人に襲われて、それで・・・」


 「追っかけてきた? さっきの奴?」


 「いや、良くは見えなかったから、なんとも・・・」


 「そう・・・」



 そのとき、二人に迫る影があることに、まだ気付いてはいなかった。


フィフス「面白かったら、『ブックマーク』と・・・」


サード「『評価』をよろしく~!!」


フィフス「今度は姉貴かよ・・・」




『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!

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