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第30話 予想外の逆転

 ハプルが突然大空に放り投げた大量の紙。俺には一切予想の付かないアイツの行動に、俺はせっかくあと少しでウルゼ王子に攻撃するために近付いていた足を止めてしまった。



 そうしてハプルが投げた紙が雨のように結婚式会場に降り注ぐ。その内の一枚をそれぞれ拾い、俺達はそこに書かれていた文章を見て衝撃を受けた。



 「ナッ!!?」


 「何!?・・・」


 「あれは・・・」



 そこに書かれていたのは、ここウィントライ国、そして、ウルゼ王子がこれまで起こしていた犯罪行為の証拠の数々だった。俺が紙の次にハプルの顔を見ると、分かりやすい悪役のようなニタリ顔になっている。



 「アイツ・・・」



 会場にいる観客達もそれを見てザワつきだし、ウルゼ王子が何事かと混乱しながらキョロキョロして汗を流している。



 俺は例のごとく皆とは違う意味で驚いていた。確かに展開として、ウルゼ王子に犯罪の証拠を突き付けてそいつの権威を失墜させるというものがある。



 しかしこの結婚式場で、それもこうも派手にさらし首にする展開は完全に俺の知らないアイツの独壇場だ。



 ザワザワ・・・ ザワザワ・・・



 「こここ、こんなものをどこで!!?」


 「ニシシ・・・ それは知らない方がいいと思うわよ。」


 「ハプルさん・・・ これが・・・」



 アイツの周りから黒いオーラがにじみ出し、最早どっち悪役なのか分からなくなってくる。当然この場には二国の同盟の結束を示す取材に来ていたために、それらの人達はコロリと目を眩ませてウルゼ王子に詰め寄り始めた。



 「ウルゼ王子!! これはどういうことですか!!?」


 「ここに書かれていることは事実なんですか!!?」


 「答えてください!!?」


 「ああ! いや!! それは・・・」



 すると混乱から美味く隙間を抜けてきたハプルがこちらを見てスワームに向けて指を指した。どうやら既に俺がいることはバレていたようだな・・・



 俺は頭をかいて少々癪に障りながらも、隠れていたその場から駆け出し、人混みにもまれかけているスワームを見つけ出してその左腕を掴んだ。



 「エッ!?」


 「悪い、ちょっと荒っぽくするぞ!」



 そして俺はそのままスワームを自分の体に引き寄せ、そこから彼女を抱えてダッシュした。記者達が彼女を標的にしない内にまた隙間をすり抜けて俺達は人混みから脱出した。



 「フゥ・・・ 暑苦しいったらありゃしないな・・・」


 「イグル、これって・・・」


 「すまん。俺も何が何だかわかんないんだ・・・」


 「エェ!!?・・・」


 「よく分からんが今は上手くいっているのは確かだ。この騒ぎの中、暗殺者(アサシン)を出すわけにもいかないだろうしな。」


 「暗殺者(アサシン)?」


 「ああ、こっちの話だ。」



 そこから俺達がハプルに合流すると、彼女はフッと笑ってこっちを見た。



 「ほら! はやく脱出するわよ。」



 俺達はハプルに乗せられるがまま、結婚式場を後にした。


経義「これ読んだんなら、きちんと『ブックマーク』と『評価』をしろよ。」


静「若様からの命令。聞かなければ・・・ 分かってますよね?」




『魔王子フレンド~私と異世界の赤鬼さん~』もよろしくお願いします!!

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