第一話「調査ですわ、おほほほほ」
この作品は「悪役令嬢ですが、婚約を破棄されて隣国に追放されたので、祖国の中枢システムを買収してクラウド移管させて利用料をぼったくりますわ!おほほほほ!」の続編となります。
いきさつを知りたい方は先にそちらをお読みください。
この作品だけ読んでも一応楽しめるとは思いますが…。
ハルカはセグメンティアとスタッキアの国境、海に迫り出したスチパー山脈の南端のプラフレキ峠を見上げていた。
背後には測量部隊の魔道荷馬車(馬はいない)の車列が続いている。
「いよいよですわね…」
「しかし、一つ、問題、あります」
セグメンティアで雇ったスタッキアの地理に詳しい現地通訳兼ガイドが片言で伝えてくる。
「山、登る。
雲、確かめる」
「天候のことかしら?」
そこから峠を登った。
勾配はだいたい14%といったところ。
「魔道荷馬車が心配ですわね」
整備士が答える。
「クラウディア製だからこれくらいは…」
「平地のアプリシアの地形前提だからわたくしの基準で作ってたら壊れていますわ、おほほほほ」
「魔法動力装置も進歩してますから。
特にオン・ザ・クラウド・モービル製は1速のトルクが…」
そうこうしているうちに峠の最高地点に着いた。
展望広場があるので魔法動力装置のクールダウンのため車列を止め休憩にする。
「ここからは下りなので魔法動力の回転抵抗減速機を併用して減速円盤を過熱させないように運転しないと…」
整備士が各運転士にアドバイスをする。
ガイドは雲の流れを見て言った。
「谷の、街道、通れない、理由、ガス。
雲、流れ、向き、ガス、谷、充満」
「待つ、雲、流れ、変わる、宿、この先」
ハルカは引き攣った。
「ではいつ通れるようになりますの?」
「雨、降る時、雲、向き、変わる。
雨、通れる、街道。
待つ、雨。」
「セグメンティア側の気象観測データ持ってきてくださいまし…」
「おほほほほ!?
冗談ですの?
国内最大の街道なのに年間3分の2は通行不能では無いですの!」
毛無峠
「群馬県」「この先立ち入り禁止」というショッキングな写真がネットで出回ったことで有名な峠。
火山性のガスにより通行不能になることがある。
ただし年間の3分の2も通行不能にはならないので安心して欲しい…いや、危険なので実際に行ってみるのは推奨しません。
自己責任でお願いいたします。




