12.魔導書6
本日二度目の投稿です。
そんなこんなで、聖獣が四頭も揃っちゃったわ。ということは、ヒロインちゃんはほかの攻略対象者とくっつくのかしら。
リディアはルーファスともヒロインちゃんとも仲良くやっているから、そっちの破滅は回避できそうよね。
ただ、あんまりにも障壁が多すぎて、今度は結婚相手を見つけるのが大変そうだと思っているのよね。
リディアはニブチンだからね。セシリアもおニブだったから、そんなところも似ちゃったのね。だから、ルーファスの気持ちにはてんで気づいていないのよ。
まあね、歩けば人が避けていくって、気持ちの良いものじゃないわよ。それを気持ちよく思っちゃうのが王女サマみたいなのよね。リディアはまったく嬉しくないことなのに、それができちゃうことに妬んでいるみたい。
しかもさ、具合の悪いことに、リディアってば王女サマと同い年なのよね。つまり、学院に同時に入学しちゃうのよ。んでもって、大抵身分が似たり寄ったりのコが同じクラスに集められるみたい。そうなのよ。王女サマと同じクラスになっちゃうんじゃないかしらって、リディアが心配していたわ。
王女サマって事あるごとにリディアに張り合ってくるらしいわ。あれかしらね、マウント女子。なまじっか美人だから、違う系統のうつくしいリディアが気になって仕方がないのかしら。
せっかくの学校生活だってのに、入学する前から前途多難なのよ!
しかも、そこからが続編のゲームスタートじゃないのよね。
ヒロインちゃんの入学からだから、一年後なの。
アラ、誰よ、リディアが困っているのに役に立たないオネエだなんて言ったのは!
なんでも、ミイラのオネエが発見されたっていうじゃない!
古代エジプトでもオネエが活躍していたのよ!
女性ダンサーに髭が生えていたんですって!
しかも、踊り子として結構な地位を持っていた可能性があるらしいのよ。
オネエは踊りもこなすってワケよ。フフン。
江戸時代の理容師「髪結い」にもオネエがいたっていうしね。
オネエはどこにでもいるのよ! アナタの心の中にも! いつだって励ましちゃうわよ!
リディアにはちゃんとそのときそのときの気持ちをヒアリングしているわよ。どうしようもないことでもね、とにかく、うんうん、って聞いてもらえるだけでも、すっきりするものね。
でもって、アタシの軽快なトークで、最終的にはリディアも笑うのよ。そうよね。笑顔は大事よ。身体も軽くしてくれるわ。
みんなもあまり思いつめちゃ、ダメよ! なるようになるし、なるようにしかならないんだから!
それにしても、学院モノ、聖女モノって王道よね。
ううん、でもこれってどういうふうになるのかしら?
まるでリディアがヒロインポジションにいるじゃないのね。んでもって、ライバル令嬢は王女サマ? ヒロインちゃんはリディアの協力者ってところかしら。
それにしても、ルーファスったら、すっかりさま変わりして。イケオジになったジェイラスやギルバートに、リディアにふさわしい資質の持ち主かって見定められているところなんて、シビれちゃう!
なんにせよ、ゲームとは大分違ってきているわね。
リディアがヒロインちゃんのポジションにいるってことは、嫌がらせされそうよね。
そのひとつに、所持品を隠されるってのがあるのよ。しかもさ、壊れた文房具を机の上に置かれちゃうのよね。これ見よがしよね! もうね、繊細なコは心が折れるわよ。
だから、アタシはギルバートに報告しておいたわ。そうしたら、従者に予備を十分に渡しておくって言われたのよ。壊れたら次々に渡すんですって。
「物量作戦です」
ですって! 圧倒的な量の物資で撃破するのよ。
あら、これってあれみたいね。
ワンコそば状態。
「ワンコ……?」
事前に知らせておこうとなったんだけれど、アタシの話を聞いてリディアがきょとんとしていたわ。まあね、聞きなれないわよね。
わんこそばってのはね、つゆをくぐらせたひとくち程度のそばを食べる端から給仕が次々とお椀の中に入れてくるのよ。ああ、そばは麺類の一種よ。
アタシの知っているお店では、もうね、競争よ。戦いよ。それこそ物量で圧倒して来るのよ。
箸でつまんだらすぐさま入れて来るのよ! まだ口にも入れていないってのよ! どんなせっかちさんよ!
でね、リディアはそのワンコそばの文房具バージョンを受けることになったのよ。
ちなみに、この説明を聞いたリディアはころころと笑っていたわ。
実際に何度も壊されても、瞬時に従者が文房具を差し出すものだから、アタシの話を思い出して「ワンコ文房具」ってついつい笑っちゃうらしいのよ。精神的ダメージが減ったようで良かったわ。
オネエはどこにでもいるのよ! アナタの心の中にも! いつだって励ましちゃうわよ!
アタシもみんなが応援してくれているのを忘れないわ! いつもありがとうね!




