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「10 laps to go at the DAYTONA 500!」
場内アナウンスが轟く中、キースの#47マシンはトップを行く#5マシンのわずか0.3秒後方に迫っていた。彼らの背後では、給油を終えた#9マシンが猛烈な勢いで追い上げを続けている。
「Fuel status critical」
メイの声が緊張を帯びる。
「残り0.4ガロンのマージン」
その時、トップの#5マシンが明確なミスを犯した。第4コーナーの立ち上がりで大きくライン取りを乱し、極端に速度を落とす。燃料切れの予兆だった。
「Now! Take the inside!」
メイの声が叫ぶ。
キースは躊躇なく内側のラインを取った。トライオーバルで、ついに#47マシンがレースをリードする。スタンドからは大きな歓声が沸き起こる。
「We're leading the DAYTONA 500!」
メイの声が歓喜に震える。
「But #9 is coming fast!」
「8 laps to go!」
給油を終えた#9マシンとのギャップは、1周ごとに縮まっていく。キースは、可能な限り燃料を節約しながらも、確実に前に進むという究極の綱渡りを強いられていた。
「キース、#9が仕掛けてきたら、外側のラインを譲れ」
リチャードの声が冷静に指示を出す。
「内側を死守すれば、燃料は持つはずだ」
「5 laps remaining!」
バックストレートで、#9マシンの影がリアビューミラーに大きく映り込む。その瞬間、キースの耳に衝撃的な無線が入った。
「#48、エンジンが止まりました!」
チームメイトのダリルが、燃料切れでコースから姿を消す。同じ戦略を取っていたもう一台の味方が、脱落したのだ。
「4 to go! What a finish at DAYTONA!」
観客は総立ちとなり、歓声はさらに大きくなっていく。キースの額には大粒の汗が浮かび、レーシングスーツは完全に湿り切っていた。
「#9、outside line!」
メイが警告を発する。
第3コーナーで、ついに#9マシンが外側から仕掛けてきた。キースは冷静に内側のラインを死守。コーナーの立ち上がりでは、意図的にマシンを外に開かせ、#9の進路を塞ぐ。
「3 laps to go!」
燃料計の針が、限界の赤いラインに迫っていく。キースの耳には、エンジン音の微妙な変化が聞こえ始めていた。燃料が十分に供給されていない予兆だ。
「2 laps! Can the #47 make it?」
場内アナウンスが、観客の興奮を更に煽り立てる。
バックストレートで、#9が再び外側から並びかけてくる。キースは今度も内側を確実に防衛。しかし、エンジンの様子が明らかにおかしくなってきていた。
「White flag! One lap to go at the DAYTONA 500!」
ラストラップが始まる。キースの#47マシンは、かろうじてトップの座を守っていた。しかし、第2コーナーを抜けた時、エンジンが一瞬止まりかける。燃料が底を突き始めたのだ。
「最後まで!」
リチャードの声が響く。
「君となら、できる!」




