カケラ。1 これは星のカケラ。
少年にとって夜空に輝く星は 崇めるに値します。
そして 少女も――。
これは星のカケラ。
君は笑うけど
ボクが言うんだから間違いはない
あえて真顔で念を押す
なんてことはない
ただの波に磨かれたガラスだけど
これは星のカケラ。
君の笑顔につられそうになるけれど
そう言ってはばからず 譲らない
真顔になる
ここで吹き出してはイケナイ。
なにせ
魔法をかけようとしているのだから
オゴソカにいかなくちゃね。
これは
まごうことなき
星のカケラ。
君を護り導く星のご加護が得られるよ――。
うやうやしく両手で大切そうに受け取る君に託す
星のカケラ。
君は思いのほか信心深くて
ほほえましい反面
ふと心配にもなるよ。
――勝手でごめん。
心の中でこっそりと詫びる
さっそく光にかざして覗き込む君に
仕上げの呪文。
これは星のカケラ。
希望の星は君の手の中だ
これをあえて挑む理由にすればいい
きっと星が導いてくれるから
何の心配もいらないさ。
大切に――愛おしそうにカケラを胸元で握り締める
君の笑顔に
魔法は成功したと魔術師もほほえむよ
ふさぎこむ君も一番に輝く星
あけの明星 宵の明星
君こそがボクの一等輝ける星
道迷う時でも
目指し行けば必ずや導いてくれる
これは星のカケラ。
君こそが
持つにふさわしい
踏み切れず己の勇気の無さに落ち込んだり。怖くてためらったり。
そんな時もきっとあなたの側にも 輝く★一等星
どうかその輝きを、見逃したりなんてしませんように――。
星の形はさまざまですからね。