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異世界生活の基礎知識  作者: 彩瀬水流
まだまだ知らないことがあるようです。
53/57

そこは突っ込んじゃいけない。

ちょっと寄り道。

以前ライに強請られた地球の童話や寓話の話をしてみた。



「川上からどんぶらこと流れてきたパシーを持ち帰り、割ると中から男の子が」

「待って、子どもが入る大きさの桃?! そんなの川で浮くの?!」

「浮くの! どんぶらこっこと流れるの!」



「針の剣で大立ち回り。見事鬼を倒すと」

「え、なんで? 鬼ってよくわかんないけど大きいんでしょ? なのに針が貫通するくらい皮膚薄いの?」

「通るの。目とか喉とかだから刺さるの」

「それで倒せるの?」

「倒したって言うか追い払った?」

「それじゃまた戻って来るじゃない。ちゃんと倒さないと恨み持ってるから次が余計に大変だと思うけど」

「戻ってこないの! 鬼にも多分プライドってものがあるの!」



「ツバメは王子に請われるまま、次々と表面の金を剥がしては貧しい人々に配り、とうとう全部剥がしてしまいました」

「ねぇ、そんな小さな金箔で幸せになれるくらいのお金になるの?」

「今はないけど、その時代はどうかわからない」

「そんなの貧乏だった人が持ってたら盗品だって思われないかな」

「……思われなかったんでしょう」

「それにさ、ツバメが剥がせるってどれだけ浮いてるの? そんな大事な像なのに誰も手入れしてないの? なんで全部剥げるまで誰も気付かなかったの?」

「そういうのはたいてい領主様ってのが管理してるから、その街には居なかったんじゃない?」

「でも誰かが報告するんじゃないの? 街の代表とか」

「……その像を無くしたかったのかもね」



「ガラスの棺に納められた姫を抱き起こし口づけました」

「……あのさ、流石にいくら綺麗でも死んだ人に口づける神経って理解できない」

「…………(それはわたしも思った)」



「いくら呼びかけても、マッチを買ってくれる人は居りません。少女は寒さに耐えかねてマッチに火を灯しました」

「ねえ、マッチってなに?」

「えっと、小さな棒の先にリンっていう燃えやすい粉の塊がついててね、摩擦で火をつけるの」

「ああ、火の精霊のおやつみたいな」

「へー、そうなんだ」

「で、それは松明みたいなの?」

「へ?」

「だって暖かくなるんでしょ?」

「……小さな棒って言ったよね?」

「松明だって小さいのあるじゃない」

「『小さい』のスケールが違う! マッチはこのくらい!」

「えっ?! そんな小さな棒で暖かくなるくらいの火が起こせるの?!」

「暖かくならないから、この子は凍えて死んじゃうの!」

「え、でも火がつけられるならそれで火の精霊呼んだら……」

地球あっちに精霊は居ません!」

「あ、そっか」



「ゴール目前で勝利を確信したウサギは居眠りをしてしまい、その間もずっと歩き続けたカメが先に山の麓へと辿り着きました」

「なんでゴールしてから寝なかったんだろう」

「絶対に勝てるって思ったからでしょ?」

「だって普通さ、ゴールが目の前ならゴールしてから寝るんじゃないの?」

「……疲れたんじゃない?」

「そんな距離進んでて、ちょっと居眠りしたくらいでカメが勝てるわけなくない?」

「……半日くらい爆睡してたんでしょ」



「姫は川へ身を投げました。翌朝、見事な鉢が川に浮いているのを見つけた若様が従者に命じて引き上げさせたところ、美しい娘がくっついていたのです。若様は美しい娘を連れ帰り、結婚しました。めでたしめでた……」

「ねぇ、鉢が浮くのはまだわかるよ。でも、身投げしたんだよね? 見つかったの次の朝だよね? その間どうやって息してたの?」

「……鉢の中に空気があったんじゃないかな」

「それにその鉢って姫の綺麗すぎる顔を見られないようにってお母さんが被せたんだよね。若様はどうやって顔を見たの?」

「……下から覗き込んだとか」

「あとその鉢って、結局外れないままだったの?」

「いや、外れるよ。えーと、確か……。若様の親のお殿様が結婚反対して姫を殺そうとしたんだったかな。で、振り下した刀が当たった鉢が割れて、中から財宝が出てきてみんな大喜び。お殿様も結婚を許しました、って感じだったと思う」

「鉢があるのに上から振り下ろすってお殿様馬鹿なの? それとも刺すって概念が無いの?」

「いや、槍もあるし刀には鎧の隙間を狙って突き刺すという戦い方もある」

「ならなんで刺しにいかなかったの?」

「……ついでに鉢を割ろうとでも思ったのかもね」

「ふぅん。でも財宝出てきたから結婚を許すなんて凄い手のひら返しだね」

「……そうだね」



「その時12時の鐘が鳴り始めました。娘は慌てて階段を駆け降ります。お城の階段にはガラスの靴が片方だけ残されていました」

「ガラスの靴って、そんな走ったりして割れないの?」

「魔法の靴だから大丈夫なんじゃない?」

「じゃあ、女の子にかけられた魔法は解けたのに、靴だけ残ったのはなんで?」

「……身につけてなかったから、かな」



結論。

昔話や寓話にはツッコミどころが満載である。










別解釈とかあるお話もありますが、織葉自身が覚えているお話だということで。

ちなみに今回は、桃太郎、一寸法師、幸せな王子、白雪姫、マッチ売りの少女、うさぎとかめ、鉢かつぎ姫、シンデレラを元ネタとしております。

かなりマイナーなものも入ってますが、まあ織葉ですので。

この先も時々こんな小話が入ると思います。

もしこのふたりの掛け合い漫才(?)を見たいというお話がありましたら、リクエストいただけるとうれしいです。


お読みいただきありがとうございました。

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