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プリンスの冒険  作者: テレパスたまちゃん
第二章 プリンスの冒険
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16 プリンセスは知っている

 プリエステスは思い出していた。




 積もる話をプリンセスとしているとき、プリンセスが教えてくれた。


「いいこと、プリエステス。プリエステスが首都に来ている間に、プリンスはきっと、探索者登録をする。そのときに名前を登録しなきゃいけないんだけど、プリンスのことだから、絶対悩む。悩んで、悩んだ末に、安易な名前にする。例えば『プ』を取って『リンス』のような。

 チャンスをみてなんとしてでも、名前の当てっこをするのよ? ご褒美をかけて。きっと、(クスクス)プリンスは(クスクス)『リンス』にする!」




 ○




 なんで、わかるんだ? まさか、協会の受付嬢から聞いたのか? 二人は友人だった? 


 人と人とのつながりはわからない……





「……なぜわかったんだ? 協会に知り合いがいて、そこから聞いたのか?」


「まさか、いるわけ、ないじゃありませんか。私の勘です。すごいでしょ。女の勘をなめてはいけません」

 プリエステスはそう言って、満面の笑みを浮かべる。


 見えなかったが、恨み顔の黒髪女性の姿が頭に浮かんだ。怖い。



「いや、こ……すごすぎる……」


「それでは、私の名前を当ててみてください」

 首を傾けながらプリエステスが問う。


 わかるわけがない。ヒントはないのか?


「ヒントは、リンスさん!」


 心を読まれた! 俺の心を読むことができるのか? 読心術は今まで聞いたことがないが……きっと偶然だ……

 ヒントはリンス? 俺への呼びかけだった? なんだ、それは。わからない……


「降参だ。名前を、教えてくれ」


「答えは、シャンプーです!」

 そう言って、探索者証を出して俺の前に突き出して見せる。たしかにシャンプーと書いてある。


 まさか、リンスとシャンプー? なにそれ?




 偶然……のはずがない。



 リンスに名前を変えると、あらかじめ予想していて、首都で探索者の名前をシャンプーに変えたんだ! どうしてそんなことができる? ……プリンセス……プリンセスだ。妹が入れ知恵をしている。間違い、ない。さすが……妹だ……


 ということは……プリンセスに俺の行動が読まれている……ということは? 俺の優柔不断が知られているわけか…………女の勘は怖い……


 そのとき、俺は再び、黒髪で目つきの悪い女性を思い浮かべてしまった。俺をなぜか、恨んでいる女性。


「ごめんなさい」


 反射的に言ってしまう。


 しまった、えっと、どうしようかな、今の発言。


 プリエステスは驚いた表情を一瞬したが、

「ご褒美、忘れないでくださいね。そのうち、リクエストするので、覚悟してください」


 そう言って聞き流してくれた。笑顔が怖い。




 俺は、元プリンス。


 しかし、もう、その威厳はない……




 開いたジョハリの窓は、俺はわからないが、みんなは知っている窓だったのか……








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