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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩はど根性猫とは違うのである!


 今日はポカポカとても陽気。

 こんな日は仕事をサボって昼寝と洒落こもう。


 ZZZ・・・

 

 ウトウトしていると近くで話声が。


 「うわー!おねーちゃんありがとう!早速着てみる!!!」


 あの声は美也殿だ。

 どうやら小織殿に何かを進呈されたらしい。


 「どうおねーちゃん?無地の白ティー欲しかったんだよねー!ちょっと鏡見てくる!!」


 白ティーとはなんだろうか?

 白いカバティーの略称か?


 「イタッ!・・・あっ、ニャゴローそこどいてっ!!!」


 板は板前か?

 ニャゴローだって?

 ククク、我輩の名前を呼んで何をしてるのだ美也殿は?


 ん?

 我輩の名前??


 {ドッシーン!}

 「ニギャッ!!」


 全身をプレスされた事による激しい激痛。

 全ての骨が砕かれて紙のようにペラペラとなった感覚。


 「いったぁー!」

 「いってぇニャっ!」


 「!!!」×2


 あれ?

 今我輩は人間の言葉を発しなかったか?

 ・・・いや、そんなバカな!?


 「お・・・おねぇちゃん?・・・」


 「落ち着くんだ美也殿?こんニャ時は先ず落ち着くことが先決だニャ!」


 人間の言葉だ!

 やはり我輩は人間の言葉を話しているぞ!?


 「うわあぁぁーーーん!ニャゴローがTシャツにプリントされちゃったよおぉぉぉっ!!!」


 「ニャッハッハ!何をバカニャ事を?・・・ニャにいぃっ!?」


 手も足も何処も動かすことが出来なくなった我輩。

 マジピンチかも?


 それどころか、自分自身が今どうなっているかも分からない。

 プリントってなに?

 一体何がどうなっているのだ?


 「あははははは!何よソレ―っ!!チョーうけるぅーっ!!!」


 「笑いごとじゃないよおねーちゃんってばあぁぁぁん!せっかくのTシャツがあぁぁぁぁっ!!!」


 我輩の心配よりも台無しにされたTシャツを嘆く美也殿。

 やはり永遠の敵だ。


 「ちょ、ちょっと美也殿、鏡で我輩がどうニャっているのか見せてもらえニャいか?」


 「あ!なによアンタ、喋れるの?・・・じゃあこれ見て見なさいよ。ホラ。」


 小織殿は近くにあった自分の鞄から小さな手鏡を出して我輩に向ける。

 そこに映ったのは・・・


 「!!!」


 いつぞやのCMでやっていた黄色いあのカエルと全く同じ状態の我輩。

 まるで”ぴょん吉”ではないかっ!

 このままで一生を過ごすだなんてどんな罰ゲームだ!

 

 我輩いつも仕事を頑張っているではないか!

 今日は偶々サボっただけで、この仕打ちは酷すぎでは?


 「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 大発狂の我輩。

 すると何処かで呼ぶ声が・・・


 「・・ゴロ―!・・ニャゴローってば!!そんなとこで寝てると車に轢かれるよ?」


 「ウニャ?」


 あれ、美也殿?

 なにがどうなった?

 もしかして夢でも見てたのか?

 ゆめぇっ!!!

 

 「ニャーンッ!!」


 歓喜余って美也殿の胸に飛び込む我輩。

 夢で本当に良かった!

 我輩二度と仕事をサボりません!


 「あ、ごめんニャゴロー、さっき真紀子おねーちゃんのパパが育ててるトウガラシ畑で遊んでたら転んじゃってさ、胸のあたりに一杯ついちゃったんだよねー。キャロライナなんとかだっけな?」


 「ニャ!?」



 その後数日間、瞳がルビーのように紅いハチワレの猫が町のあちらこちらで見かけられたそうな。

 


 

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